020/11/30 カニオヤニラミ
初版 2020/11/30 18:58
改訂 2022/09/07 12:42
公開日:020/11/30
大河ドラマ"麒麟がくる"で明智光秀ブーム、可児の明智荘はあやかり観光でコロナ禍にあっても人気があります。明智城址本丸跡にひっそりと建つ石碑には、「コウライ(カニ)オヤニラミの化石発見地」の文字があります。
可児市の中新統はカニサイ・ゾウ・ヒラマキウマ・ミノシカ・ビーバーといった哺乳動物の化石産地として有名です。可児川の河床には足跡化石が見つかります。現在の可児盆地辺りに淡水湖があったと推測され、碑文はスズキ科カニオヤニラミ(Coreoperca kaniensis nov.sp.)(新種)の発見を記念するものです。
オヤニラミはオス親が子育てし、子供を守るためなら親でも睨む攻撃性の強い魚です。淡水魚マニアに人気が高く、保津川・由良川以西の本州、四国北部、九州北部に自然分布する日本固有種、環境省レッドリストの絶滅危惧種に指定されています。近年、東京都・愛知県・滋賀県、岐阜県では本巣市根尾板所の池と根尾川・美濃加茂市の川から発見され、何者かが放流した「国内外来種」とみられています。肉食で、ブラックバスほどでもないですが、他の生物の生態を脅かす可能性もあると社会問題となっています。
碑文には「なぜ可児から姿を消したのか、不明である」と記されていますが、中新世に存在した湖の話し、そもそも新種、文面がお茶目です。恐ろしいのは1800万年ワープして国内外来種として可児川で姿を見ることです。