2020/6/8 ゼノリス

初版 2020/06/11 17:49

改訂 2022/09/07 12:42

公開日:2020/06/11

紀伊半島南東部の海岸には、熊野酸性岩類と呼ばれている花崗斑岩、流紋岩、流紋岩質凝灰岩が分布しています。西南日本外帯に点々と分布する中期中新世の珪長質岩体の中でも最大規模をもつ岩体として知られています。

花崗斑岩に含まれるゼノリスは変質の度合いの差こそありますが、外形を変化させるケースは見当たらず、球状岩の成因をゼノリスに求めるのであれば必要とする条件を解明する必要があるようです。水の中に油を入れて球状になるような簡単にはいきません。

採石業は自然の恵み、地元の重要な産業です。近接する港から直に運び出しができるため、各地の港湾整備に利用されているようです。長年にわたる採石により発生した濁水の水産業に与える影響や水道水への不安、粉じんによる健康への不安、騒音による生活への圧迫など、地域住民が被害を訴えているもの事実です。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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