2019/9/27 後山のグライゼン

初版 2019/09/27 17:59

改訂 2022/09/07 12:42

公開日:019/09/27

「栗きんとんが食べたい」「松茸ご飯が食べたい」とのリクエストにお応えして、暇な小生、中津川に向かいます。ちょうど光物の好きな石仲間が新人さんを案内する良い場所はないかと打診があったので、30年ぶりの後山です。

45年前、ここに2mぐらいの大きな岩がありました。ちょうど根の位置に晶洞があり、中学生の自分は、ドライバーと金槌で石英をほじくり、粘土の中の細長い黄玉を見つけて喜んでいました。山ももっと剥げていました。自分はフサフサでした。その岩は後山のモニュメントみたいなもので、鉱物採取に来た人が、”○○年××参上”などとタガネでイッパイ彫ってあったのを覚えています。

30年前の訪問時は、その岩は倒され、晶洞はえぐり取られ、大きな穴が開いていました。今回はもっと大きな穴が開いています。倒された岩は土砂の中でしょう。鉱物愛好家の根性というか、人間の欲のすさまじさを見た気がします。採取でなくて採掘です。破壊です。

脈状に伸びるグライゼンの一部に晶洞が発達し、石英の部分に黄玉や鉄マンガン重石が結晶していました。針のような緑柱石もありました。グライゼン自体は風化して粘土化した雲母と黄玉の集合体です。30分ぐらい表面を探したのですが、今でもこのぐらいは拾えます。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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