こんにちは。ミューゼオ・スクエア編集部でインターンをしている郷 みなみです。
突然ですが、読者の皆さんはメガネが似合う自信、ありますか?(本当に突然ですね・・)
ちなみに私は、自分にはメガネが全く似合わないと長年思っています。
街のメガネ屋さんに行ってもなんとなくしっくり来ず、色々試した挙句「う〜ん……」となって帰ってしまう経験、数知れず。
そんなメガネ難民(?)の私の下に先日、ミューゼオ・スクエア編集部のメガネ担当、ゴトーさんからあるお誘いが。
「表参道に古いメガネを集めてる変わったメガネ屋さんがあるんですけど、ちょっと覗きに行きませんか?」
メガネ難民にも遂に救援が?(あと原宿にあるタイ料理も久しぶりに食べたい)と思い、OKの連絡。
7月某日、ヴィンテージ・アイウェア専門店、ソラックザーデさんにお邪魔して来ました。
ソラックザーデ(SOLAKZADE)
世界的にも類稀なるヴィンテージ・アイウェアの専門店。
扱っている商品は古くは1800年代からの、未使用のデッドストック品のみにこだわる。商品の生産地はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアそして日本と多岐に渡り、10,000本を超える規模とバリエーションで常時保有。膨大なコレクションの中から、1人1人に合わせたベストなフレームを提案してくれる。また、近年は映画のアイウェアやジュエリーの総合監修も請け負っている。
私にも似合うメガネ、ありますか?
ミナミ
という訳でやって来ました表参道。
ゴトー
今日はよろしくお願いします!似合うメガネが見つかると良いですね〜。
ミナミ
今まで本当にメガネが似合ったこと無いので、正直あんまり期待してないです……。
ゴトー
この下です!
ミナミ
地下に降りてく感じなんですね、雰囲気ある〜。緊張して来た……。
山崎
こんにちは〜!
接客を担当してくれた店長の山崎さん。流石メガネが素敵です……!
ミナミ
初めまして、ミナミです!今日はよろしくお願いします!(緊張)
山崎
こちらこそよろしくお願いします!ミナミさんは普段はメガネは掛けられますか?
ミナミ
車を運転するときだけ掛けてます。でもメガネはあんまり似合わなくて……。
山崎
うちには常時10,000本以上のメガネがありますので、きっとお似合いの1本を見つけられると思いますよ!
ミナミ
10,000本!そんなに!
山崎
ソラックザーデでは世界中から買い付けたヴィンテージ・アイウェアの中でも、デッドストック品、つまり未使用品のみ、その中でも状態の良いモノをセレクトしています。古いところだと1800年代前半のモノからコレクションしていますよ。
ミナミ
博物館みたいですね!
ミナミ
すごい!可愛い!
山崎
ふふふ。メガネのフレームって昔はサイズが豊富で、1960年代とかだと1つのモデルに対して30サイズくらい作られてるんです。
ミナミ
1種類につき30サイズも!?
山崎
目と目の距離って人それぞれ違っていて、それによって似合うレンズの大きさや位置が決まるんです。昔は全ての人の目と目の距離に対応出来るように、2mm刻みで大きさ違いのフレームが作られてたんですよ。
お気に入りのフレームが見つかったら、絶対にその人に似合う大きさが見つかるように作られてたんです。
ミナミ
なんてきめ細かなサービス!
山崎
女性はジャストサイズよりワンサイズ、ツーサイズ大きめにした方が可愛いく、色気も出すことができます。そうやってお顔の印象を調整できるんですよ。
ミナミ
なるほど。
山崎
ミナミさん前髪があって、お肌が白くて綺麗ですから。このスタイルに合うメガネを選びたいですね。普段からこのヘアスタイルですか?
ミナミ
ありがとうございます!いつもこんな感じです!
山崎
分かりました!ちょっと色々出して来ますね。
ちなみにこちらが当日の私の服装。裏路地で撮ったらストリートスナップみたいになった。
新感覚!服装やスタイルに合わせたメガネの提案!
山崎
ミナミさんはインドア派かアウトドア派で言ったらどちらですか?
ミナミ
実はアウトドアも好きで、結構キャンプとかに行きます。
山崎
おー!キャンプ行くんですね!なるほど。それじゃあちょっとこのサングラス掛けてみてください。1960年代後期のアメリカ製、アメリカンオプティカルというブランドのサングラス。
ミナミ
おお〜!
山崎
紫。掛けてみてください。可愛い!似合ってる!
ミナミ
なんかヒッピーみたい!
山崎
おー!すごいです!これは実際に1960年代当時ヒッピーに人気があったサングラスです。1960年代から1970年代にかけてサングラスは大きめなフォルムのモノが出てくるんですよ。
ミナミ
なるほど!格好いい!
山崎
1950年代までの落ち着いた感じから、宇宙開発なんかが盛んになってきて、スペーシーなデザインとかも出てきます。
山崎
スカーフがついたスカートが可愛いですね。全体的にはナチュラル系の格好だけど、スカーフの柄がヒッピーなスタイルのサングラスと合ってる。夏っぽい!
※当記事は2018年7月に取材を行なっています
ミナミ
そんなそんな……。
山崎
メガネって顔だけじゃないんですよ。私たちは、その人のファッションのスタイルや印象、着用するシーンに合わせて一番フィットするものを選んでいます。
次はあえて、ミナミさんのお顔だけを見て提案させてもらうとしたら、ってのもやってみましょうか。
新発想!カラーの入ったレンズはメイクと同じ!
山崎
ミナミさんお顔が優しいから、強めなデザインのメガネもアリなんですよ。だけどあんまりメガネだけが目立ち過ぎないようにしたいですね。メガネが肌に馴染むような方向。
山崎
女の子にとっては、メイクみたいな感じなんですよねメガネって。これ掛けてみてください。
ミナミ
(メガネがメイク……?)あっレンズがピンクだ。
山崎
ピンクのレンズって、顔にちょっとチークを足した感じみたいになるんですよ。
ミナミ
そう言われると確かに!
山崎
ちょっとこう酔っ払ったちゃったみたいな、色っぽい感じになるというか。すごい可愛いですよ。度入りでレンズを入れる人も、そのくらい薄いピンクを入れる人が多いです。
山崎
フレームは肌に馴染むゴールドとかのメタルがオススメ。そうすると遠くから見た時に、肌にファーっと色を足したくらいにしか見えないんですよ。フレームって遠くからは形とかも見えないから。
山崎
光を、艶を足したみたいな感じにしかならないんです、メイクみたいな感じで。お肌が艶っぽく見えて、透け感があって、ちょっとチークだったりアイシャドウ足すような感じになるから、すごく印象を変えられるんです。
ミナミ
レンズの色だけでそんなに印象が変わるなんて!
山崎
自分の顔の印象をちょっと際立させるような感じですね。あんまりメガネが主張してたら、この人すごいメガネしてるなとか思われがちじゃないですか。ちょっと黒で大きいやつだったりすると芸人さんぽくなっちゃったりするし。
山崎
それよりは引算方式に、足すんじゃなくてちょっと引くような感じ、顔にメガネを馴染ませてあげるっていう方が女性にはオススメ。特にミナミさんにはオススメかな、前髪もあるから。前髪を上げてたりしたら、メガネを強調させて面白いデザインのモノを掛けるのもアリだと思います。
ミナミ
そういう発想はしたことなかったな……。
山崎
レンズはプラスチック製。プラスチックレンズはフレームのデザインや、その人の好みに合わせて、何色にも染まる面白さがあります。それに女性は重いの嫌ですもんね。紫外線も100%カットしてるので、女性にはプラスチックレンズがオススメです。
カラフルなプラスチックレンズ(提供:ソラックザーデ)
山崎
それに、ゴールドのフレームを1本持ってたら、レンズの色を変えるだけで印象をガラッと変えられて楽しいですよ。プラスチックのレンズだけなら1つ3,000円くらいで作れます。
ミナミ
夢が広がります!
男性部員のゴトーさんもメガネを見立ててもらいました!
せっかくなのでミューゼオ編集部の男性部員、ゴトーさんにもメガネを見立ててもらいました!
こちらがゴトーさんの当日の服装。少しカジュアルめな柄物のシャツにジャケットで、オフィスカジュアルな雰囲気ですね。
ゴトー
よろしくお願いします!
千木良
しっかり似合うのを選ばせて頂きますよ!
接客を担当してくれた千木良さん。只者では無い気配が漂います。
千木良
普段は今日みたいなジャケットスタイルが多いんですか?
ゴトー
そうですね。革靴や革の鞄なんかが好きなので、今日みたいな格好の日が多いです。
千木良
そういうスタイルだったら、これなんかオススメです。1950年代のアメリカ、
タートオプティカル。
千木良
このタートオプティカルっていうブランドは、モデル数は少ないけど1モデルに対して30パターン近くのサイズを展開してたんです。これ全部サイズは違うけど同じモデルです。
千木良
ちょっとこれ掛けてみてください。サイズ丁度いいと思います。
ゴトー
本当だ、ピッタリですね。なかなかピッタリくる大きさのメガネが無いんですよ。
千木良
ゴトーさんは顔が小さいから、今のメガネ屋さんで選ぶのって難しいと思います。今のメガネは全体的に大きいものが多いから。
ゴトー
顔が小さい。よく言われます。
ミナミ
別に褒めてませんよ。
千木良
これだけサイズ展開がされているから、同じデザインの中でゴトーさんにピッタリなサイズもあるし、僕にピッタリなサイズもある。このデザインが気に入った!ってなったら、そこからジャストなサイズを細かく探しに行けるんです。それが現代と昔のメガネ選びの違うところですね。
ゴトー
なるほど。今とメガネの選び方自体が全然違ったんですね。
千木良
ソラックザーデでは1つのヴィンテージ・アイウェアに対して多くのサイズを所有してますから、それぞれの人にピッタリ合うメガネ選びをお手伝い出来ますよ。
千木良
ゴトー
カルティエってあのカルティエですか?ジュエリーで有名な。
千木良
そうです。カルティエは1980年代からアイウェア業界に参入し、ハイエンドモデルを中心に素晴らしい品質の作品を多く残しています。ジュエリーメーカーの観点からモノ作りがされているので、細かな細工一つみても非常に美しいです。
ゴトー
ジュエリーの発想でメガネを。なるほど・・。
千木良
これは1980年代に作られたカルティエ。アイウェア製造では全盛期だった頃のカルティエの作品ですね。軽くて着用感も抜群だと思います。
千木良
今日みたいなカジュアルめなスタイルにも合いますし、もっとキッチリしたスーツスタイルにもバッチリハマってくると思いますね。ソラックザーデでは多くのヴィンテージ・アイウェアを扱っていますが、カルティエは別格です。抜群の艶がありますね。
ソラックザーデさんではその人の顔の形や特徴だけでなく、好きなファッションや趣味趣向まで掘り下げ、200年分のヴィンテージ・アイウェアのストックから最適なモデルを提案してくれます。普通とは違うメガネが欲しい方、古いモノが好きな方まで、ぜひ一度足を運んでみて下さい。
ーおわりー
カバン・メガネ・アクセサリーを一層楽しむために。編集部おすすめの書籍
1920's-1990'sの眼鏡を約130点以上紹介。
ヴィンテージ・アイウェア・スタイル 1920's-1990's
1920年から1990年までのヴィンテージ・アイウェアを時代ごとに解説した、日本初となる書籍。
ヴィンテージショップを取材して撮影を行い、貴重な131本のフレームを「原寸」で掲載しており、多くのフレームは店で実物を見て、購入することができる。
華麗な彫金が施された 20 年代の金張りフレーム、セルロイド の艶が美しい 40 年代のフレンチヴィンテージ、[ARNEL]や[Wayfarer]といった 50 年代のマスターピース、Christian Dior や pierre cardin な ど の60-70年代デザイナーズブランド……。
本書をきっかけに、奥深いヴィンテージ の世界に足を踏み入れて欲しい。
洋服のように、もっと自由に選んでみませんか?
めがねを買いに
持田香織さん、いとうせいこうさん、坂本美雨さん推薦!
日本初の“眼鏡スタイリスト”が徹底伝授するめがね選びの画期的how to本!
めがねは顔の真ん中にくる大きなアクセサリー。
めがねが変われば、見た目や印象だけではなく、気持ちや性格、人生までも変わることがあります。
でもなぜか、みんな同じものを選びがち。
洋服のように、もっと自由に選んでみませんか?
自分に似合うめがねと出会う方法と、知るほどにおもしろいめがねの世界をぜんぶ教えます
終わりに
「自分はメガネが似合わない」と漠然と思っていましたが、今回ソラックザーデさんに伺って、正に目から鱗。その人に似合うフレームのサイズやレンズの色などなど、考えたこともなかった情報の連続!ついに私にも似合うメガネが見つかって、メガネ難民脱却も近そうです!でもまずはアルバイト代を貯める所から始めたいと思います……。