フランス発のヴィンテージ古着から定番のマリンルックを探る

取材日: 2017年7月26日

写真・文/IROZA編集部

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1970年代のブーム以降、夏のスタイルとして定着している「マリンルック」。海辺に相応しいファッションや、水兵をモチーフにした服装を指し、ボーダーやセーラーカラーなど、船員や水夫などが着る特徴的なデザインを活用したアイテムが多いです。今や世界中で定番になっているスタイルですが、その中でも本場といわれているのがフランス。今回は、そんなフランスのマリンルックを中心に、夏におすすめのヴィンテージアイテム「バスクシャツ」「セーラーシャツ」「エスパドリーユ」を紹介します。

バスクシャツ

MuuseoSquareイメージ
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フレンチカジュアルの定番で、春夏になるとよく見かける「バスクシャツ」。いわゆるボーダーシャツのことで、地厚でボーダー、ボートネックというのが一般的な特徴です(中には無地のアイテムも)。

アイテム名の「バスクシャツ」は、フランス南西部からスペイン北部にまがる地域、バスク地方の船乗りが愛用していたことに由来するとか。

1950年に創立したSAINT JAMES(セントジェームス)が作ったニットが起源といわれています。それを海軍が気に入り、ユニフォームに採用したときのモノがこちら。ボーダーが全面ではなく、襟周りと肩周りの部分が白くなっていることが、海軍仕様の特徴です。今ではファッションアイテムの一つとして、レプリカも多く見られるようになりました。

ちなみに、SAINT JAMESのバスクシャツを気に入ったのは海軍だけではないんです。あの天才画家・ピカソも愛用していたというのは、有名な話ですよね。

セーラーシャツ

MuuseoSquareイメージ
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日本では、女子の制服として知られているセーラー服ですが、その起源は19世紀に誕生した水夫(sailor)の甲板衣といわれています。大きな襟「セーラーカラー」が特徴で、水兵の軍服としても各国で採用されてきました。そう、元は男性用のアイテムだったんです。

その中の一つであり、1950年代のフランス海軍のセーラーシャツがこちら。インディゴ染めのリネン生地を使用しています。吸湿性、速乾性、通気性に優れた高級衣料にも使われている素材で、上品な光沢がポイント。少しくたっとした味のあるヴィンテージ独自の風合いも楽しめる一着です。

エスパドリーユ

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サマーシューズの代名詞ともいえる、ジュート麻を使用したソールが涼しげなシューズ。

フランス・スペインのカタルーニャ地方、バスク地方、オクシタニア地方が発祥で、18世紀くらいからエスパルト繊維(麻などの非木材繊維)を使用したエスパドリーユが履かれていたそう。伝統的なエスパドリーユは農民によって作られ、性別を問わず履かれていたとか。

こちらはフランスの50年代から70年代にかけて作られた一足。現在のモノよりラストが細めで、シャープなシルエットが特徴です。素材を生かしたほどよいリラックス感が、夏のリゾートによく似合います。

知ってなるほど! フランスのヴィンテージアイテムQ&A

Q1:なぜ、マリンルックでボーダーが定番アイテムになったの?

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水兵をイメージした1970年代のマリンブームを皮切りに、一般的にも広まって定着したといわれています。
セーラーハット、セーラーシャツ、マリンボーダー、デッキシューズなどコスプレに近い形で、ファッションとして提案していました。
定番であるボーダーアイテムは、海軍に支給していたユニホームからきているようです。

Q2:フランスがマリンルックの「本場」といわれるのはなぜですか?

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歴史あるパリコレに代表されるように、ファッションブーム(マリンルックのブームを含む)の発祥がフランスであったことと、「マリン」の語源が関係していると思います。

「マリン」は、元々ラテン語のmare マーレ(=海)から派生したmarinus マリヌス という形容詞を起源に持つ語であり、フランス語のマラン(男性形、marin)およびマリーヌ(女性形、marine)を経由して、それが英語等にも移入され用いられています。海に関わるものごとを示すための形容詞であり、転義法で「船員」「船舶」などの意味の名詞としても用います。

上記にある通り、さまざまな国に海軍はありますが、その語源からフランスのイメージになったと思います。ちなみに、南仏をイメージさせるマリンルックは「フレンチマリン」とも呼ばれています。

Q3:エスパドリーユといえば、という代表的なブランドはありますか?

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スペインのCastaner(カスタニエール)は男女ともに有名です。

Q4:セーラーシャツの着こなし方(男性向け)を教えてください。

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デザイン的に気難しいアイテムに思われがちですが、太めのチノパンやデニム、軍パンなんかと合わせて履くと男らしくかっこよくコーディネートできます。それこそ、足元は、エスパドリーユで合わせるものいいですね。

Q5:秋まで使えるマリンルックアイテムはありますか?

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ORCIVAL(オーシバル)やSAINT JAMES(セントジェームス)といったブランドのカットソーは、長袖・半袖と定番で展開しているので、年中取り入れやすいアイテムです。

Q6:ボーダーアイテムを一味違う着こなしにするコツはありますか?

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秋口は、ボーダートップスの中にボタンダウンシャツを着てプレッピーに着こなすのもいいですね。あと今のファッションで捉えると、大きめのアイテムを選んでオーバーサイズで着るのもおすすめです。

今回は夏に似合うフランスのヴィンテージアイテムとして3点ほどご紹介しました。
どれも今のファッションシーンでは当たり前になっているアイテムですが、歴史や素材を掘り下げるとなかなか奥深いですよね。背景を知ってからショッピングやスタイリングをするのも、また違った目線でファッションが楽しめるのでおすすめです。

ーおわりー

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