リモワのトパーズステルスは軽快な走りが持ち味
いつからか旅行カバンといえばトローリー(スーツケース)が定番になりました。トローリーこそ道具というよりはまさに旅の仲間。今回紹介するのはリモワのトパーズステルスというライン、マルチホイールというモデルです。公式記載でも7泊分荷物を入れられる98Lの大容量サイズ。
私見ですが、トローリーは走りが大切。このトパーズは、走りがいい。金属製だからか、ホイールの完成度が高いのか、少し押しただけで動きだし、余計な力をかける必要がなく、コーナリングも行きたい方向に曲がってくれる。街中や、空港内を走らせているとき、一切のストレスを感じさせない。むしろ、一体感を実感するためにもっと走らせたい、持ち歩きたいという気分になる。
金属製ゆえの重量感が特徴であり、7.2キロを誇る。ガンメタルの筐体がさらに重厚感を感じさせる。アルミニウム合金製というところも飛行機好きの血が少なからず騒ぐ。飛行機の搭乗時、預け荷物として預けて、いろんな状況下に置かれていても絶対に大丈夫だろうと安心できます。
今までいくつかの旅行カバンと一緒に旅をしてきました。それがこちら。大小合わせ6つです。今もどれも大切にしています。
一番初めの相棒は、20代の頃に購入したHartmann(ハートマン:写真右から3番目)。僕が好きなツイードやベルティングレザーの素材を使用したこちらは、日本国内で出張時は常に一緒でした。5泊分ほどの荷物を持ち運べ、今でも時々使います。
Globe Trotter(グローブトロッター:写真右端)は、異国の旅に出かけるときのカバンをまさに絵に描いたよう。クラッシックなデザインに惹かれました。旅に出るときの高揚感は大いに盛り上げてくれるのですが、走りという観点では課題もありと感じました。また金属製と比較すると悪天候への対応も気になるところ。
BRIEFING(ブリーフィング:写真右から2番目)は外側に収納ポケットがいくつもあるので、移動中にちょっとしたものを出し入れしやすい。今でも国内のちょっとした出張には活躍します。逆に言えば、外から開け閉めしやすいということや悪天候への対応など海外旅行での使用は少しためらわれます。
そこで、巷でも支持の高いリモワのポリカーボナイト素材のもの(写真中央)もトライしました。素材の軽さが何よりものウリのアイテムでしたが、使用して感じたのは「自分には軽すぎる」ということ。ロジカルに考えれば、旅行には軽いカバンの方が良いと思うのですが、私としてはどうしても堅牢性と重厚感がが高い方に目が向いてしまう。
環境が大きく異なる海外旅行先では大小関わらず常に緊張がつきものです。文化や言語の違いに驚いたり、新しい発見をするという刺激は歓迎しても、破損や悪天候時に中身が濡れてしまうのではないか?そんな不安やストレスは欲しくない。いろんなリスクを共に回避できるだろうと、機能と素材、そして使用感を嗜好品よりもさらにシビアに選定しました。
仲間(スーツケース)の具合が悪くなるとたちまち力が半減し行動できない。そういう意味では、刑事ドラマでいうところの「バディ」。そんな存在にも近いかもしれません。
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現代のデザイン用語として永遠に語り継がれているRIMOWA
RIMOWA: An Archive, Since 1898
RIMOWAは、100年以上にわたって旅の必需品を提供してきました。このブランドのシグネチャーであるアルミニウム製のケースは、現代のデザイン用語として永遠に語り継がれています。
1898年にドイツのケルンで誕生して以来、常に革新の先頭に立ち、あらゆる時代の旅人のために最高品質のラゲージを作り続けてきました。20世紀から現在に至るまで、RIMOWAは常に実用的で工業的、そして断固とした現代的なアプローチで交通機関の革命に対応してきました。往年の機関車や蒸気船から現代のジェット旅客機まで、独特の流線型デザインと技術力を兼ね備えたケースを巧みに設計してきました。こうした歴史に加え、Supreme、Dior、Off-White、Porsche、Fendiといったブランドとのコラボレーションにより、このメゾンの製品は、目的意識の高い旅行者にとって垂涎の的となっています。
この新刊では、RIMOWAのアーカイブの中から最も象徴的なアイテムを、本誌のためだけに撮影された未発表の魅力的な写真と、イラストやその他のブランドのヴィンテージ資料で紹介しています。19世紀初頭のトランクや革製ラゲージ、1937年に発明された初の軽量アルミニウム製スーツケース、1950年に発表されたクラシックな航空機の機体にインスパイアされた象徴的な溝付きデザインなど、稀少なイメージがRIMOWAの過去と現在の象徴的な備品に敬意を表しており、それは1世紀以上にわたる旅の歴史でもあるのです。
イタリアで製作され、ヨーロッパの最高級紙に印刷されたこの特大サイズの本は、RIMOWAの革新への渇望とモダンラグジュアリーへの機能的なアプローチへの頌歌となっています。
RIMOWA120周年を記念し、その背景にある人々とストーリーを紹介
Rimowa
1898年にケルンで設立されたRIMOWAは、洗練されたデザインと楽な旅の代名詞となっています。革新性、実用性、高級感という3つの要素が交差する場所に位置しており、流行に左右されることなく、クラフトマンシップと献身を重視した高級品メーカーとして独自の地位を築いてきました。120年前、ポール・モルシェックは、完璧な構造と最高の安定性を重視し、RIMOWAの成功の礎を築きました。RIMOWAの成功は、1920年代に機能性を重視したスーツケースが世界中の旅行者の目に留まり、1937年には初のアルミ製ラゲージを発売して、すべてのRIMOWA製品を個性的でユニークなものにしました。
本書は、機能的で実用的なラグジュアリーブランドの120周年を記念し、その背景にある人々とストーリーを紹介しています。RIMOWAの革新的なデザインを特徴づける創意工夫とインスピレーション、そしてダイナミックな未来のための基礎を築いた創造的な歴史に焦点を当てています。
終わりに
スーツケースの所有台数が6。「え、6人家族ですか?」と突っ込みたくなる今回のコレクション。いろいろな遍歴があっての今のモデルなんですね〜。「ずしっと重たくないとしっくりこない」という発言も驚きましたが、なんとなくこれが編集長なんだなぁと。成松さんのこだわりポイントがだんだんとわかってきた気がします。ちなみに、冒頭の動画は、編集長がイギリス旅行で撮影してきたものなんです! 街を行き交う人、通り過ぎる赤いバス、石造りの建物。心弾ませスーツケースを引く編集長の姿が浮かびますね〜。