夜の渋谷の街を再現。目前を走る鉄道模型を眺めつつカクテルグラスを傾ける。
バー銀座パノラマバー渋谷店を運営している、榎本さん。
店内に入ると、まず店内中央の大きな鉄道模型ジオラマに視線を奪われる。ジオラマは、渋谷といえばお馴染みの駅前スクランブル交差点、そして住宅街、工場地帯、山岳地帯など、様々な場所の夜の風景を取り込んで作られている。鉄道模型の照明がよりバーのムードを盛り立てて、絵になる光景である。
オーナーの榎本 聖之さんは元々、このバーパノラマ渋谷店の常連さんだったそうだ。このお店の前初代オーナーがお店を閉める際に、榎本さん自ら引き継ぎを志願し2代目のオーナーとなった。榎本さんも鉄道好きとのことだが、初心者である私の質問にも終始にこやかに丁寧に教えてくれた。
ところで、鉄道模型と言うと特定の人が楽しむイメージがあったが、実際にはどういった人が訪れているのだろうか?
「場所柄、仕事終わりに立ち寄って、鉄道模型を眺めながら一人の時間を楽しまれる方が多いです。最近は外国人観光客の方が増えましたね。鉄道模型にあまり親しみがないお客様もいらっしゃいますし、女性の方もいらっしゃいます。意外にも訪れる方の客層が幅広いんです」
お店のエントランス
化粧室の中にも鉄道アイテムがちりばめられている
棚には鉄道ファンにもお馴染みの鉄道模型雑誌が
鉄道模型の車両をレールに乗せて調整している榎本さん
お気に入りの車両を持ち込んで走らせることも
榎本さんにバー銀座パノラマ渋谷店での楽しみ方を尋ねてみた。
「目の前で走っている模型をじーっと見つめ、ぼーっとした時間を楽しむのが1つ。これが意外に癒されるんです(笑)。また、ご自身のお気に入りの模型をお持ちいただければ、ジオラマ内で走らせることも可能ですよ」
自宅にジオラマがなくともここでお気に入りの鉄道を走らせて楽しむことができる。鉄道模型ファンには嬉しい特典だろう。店内には壁面のガラスケースにディスプレイされている模型もいくつかあり、ジオラマを走る車両以外も眺めることができる。
そして、バーならではのお楽しみの一つといえばカクテル。こちらも鉄道をイメージした、オリジナルメニューが豊富にあり、眺めても飲んでも楽しめる。
”鉄道模型が走るバー”と聞くと、鉄道模型に詳しい人たちだけが集うバーなのではという先入観もあったが、訪れてみると、この世界に疎い自分が鉄道模型のジオラマを時間を忘れて眺めていたことに気づく。
目の前を鉄道模型の列車がカタンカタンと音を立てながら通り過ぎてゆく。ただそれだけなのに、眺めているとなぜが心が落ち着いていく、不思議な心地がする。
仕事帰りに一人で寄りたくなるという人の気持ちがなんとなくわかる気がした、バー銀座パノラマ渋谷の魅力を体感したひと時であった。
ーおわりー
パノラマオリジナル 鉄道カクテル 各1,180円(税別)
写真左:ドクターイエロー
「見ると幸せになれる」という新幹線検測車を表現。
写真右:トワイライトエクスプレス
大阪と北海道を日本海に沿って結んだ豪華寝台特急列車。
その他に渋谷店限定の鉄道カクテル・渋谷駅バージョン(全9種類)がある。
埼京線イメージカクテル
ロマンスカーイメージカクテル
青ガエルイメージカクテル
バー銀座パノラマ渋谷店
コンセプトは鉄道模型が走るバー。店内中央約7平米弱ほどに設置された精密かつ迫力ある鉄道模型ジオラマが見もの。渋谷のトレードマークとも言える渋谷109、スクランブル交差点など駅前の風景もリアルに再現。その他にも住宅地や川沿い、山間なども細かに表現され、走り抜ける列車風景と一緒に思わず見入ってしまう。ドリンクメニューには「ロマンスカー」「ドクターイエロー」など鉄道車両をイメージしたカクテルも。鉄道ファンはもちろん都会の喧騒に疲れた大人たちにもオススメしたい癒しの空間だ。
鉄道模型を一層楽しむために。編集部おすすめの書籍
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鉄道模型レイアウトテクニック
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それぞれにエキスパートが詳しく解説する。
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