YARD-O-LED (ヤード・オ・レッド)のシャープペンシル。時代と逆行する重量感に惹かれて

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取材/廣瀬 文

世にはさまざまな収集癖をもつひとがいると思いますが、我がMuuseo編集部にも強いこだわりがあるモノ好きがここにひとり。他の人からは「何をそこまで」なんて言われても、好きなモノはやっぱり好き。Muuseo編集長・成松が自身の愛用品をひっそりと語るこの連載、今回は常に持ち歩くというシルバーのシャープペンシルについてです。

職人の仕事が光る銀のシャープペンシル

MuuseoSquareイメージ
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前回のティーセットに続き、またシルバーです。今回紹介するのはシルバーのシャープペンシル、YARD-O-LED(ヤード・オ・レッド)のCEPTER(セプター)、もちろん英国製です。

とっておきの文房具は、ボールペンでも万年筆でもなく、まずシャープペンシルというところにこだわりがあります。仕事では常に何かを生み出すことが重要なので、パソコン画面を眺めているより、真っ白な紙にアイディアの元となるものをメモしたり、書きながら手を動かしながら思考を巡らすという行為がしっくりくる。何時もさらさらとペン先が走り、躊躇することなく思いついたときすぐに書きとめることができるのがシャープペンシルの良いところ。

仕事でも旅先でもスケッチブックとシャープペン。これは常に持ち歩く。僕があくまで相棒に求めるものは、モノの持つ個性と実用性のバランス。

そしていろいろと試してみて行き着いた一本がこのYARD-O-LEDのCEPTERです。

最大の特徴はずっしりとした重み、この重量感はスターリングシルバーの塊ということが影響しています。太め軸も存在感たっぷりで、コンパクト化、軽量化を追求するご時世に大きく反しています。そして、職人仕事の細かな装飾に直線部分や先端の角を程よく落とした面取り。主張しすぎないように抑えられたことで、継ぎ目やトップ部分の装飾をより際立たせています。

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トップ部分はセプターモデルならではの最大のポイント。英語でセプターが「王様の持つ杖」を意味するとおり、これを持っていることで魔法の杖のように新しいアイディアが湧き出してきそうです。

公式サイトでは19世紀ごろに流行った装飾と紹介されていますが、現代人をも引きつける一本にデザインそのものが持つ力強さを感じます。良いものは時代をも超越する。

トップに埋め込まれた石は、天然石のガーネット。同じセプターシリーズでアメジストやアンバーのものもありましたが、情熱を意味する深紅色に惹かれガーネットを選びました。

ちなみに機構部分にも特色があります。まず、芯を出すときはノック式ではなく、軸部分を捻って繰り出すスタイル。ぎゅっと少し強めに捻らなくてはいけない仕組みも使用感が感じられるポイント。独特のメカ感があります。内部には1.18mmの太めの芯の替え芯が12本も入る仕組みになっています。 

もともと、ブランド名であるYard-O-Led(ヤード・オ・レッド)の名称の由来は、一本3インチの長さの芯を12本(1ヤード)備えていることから付けられたそうなんです。そして繰り出しペンシルを発明したのもこのブランドです。アイテムの機能やデザインと一致するネーミングを知ることで、より一層アイテムに愛着が湧いてくる。

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さて、自身に取って欠かせない相棒として存在感のあるシャープペンについて語ってきましたが、実際ボールペンも一緒に携帯しています。

それが、こちら。LAMY(ラミー)のsafari(サファリ)、ローラーボールです。これまで重厚感がとあれほど語ってきて意外と感じる方もいると思います。クラッシックなシャープペンと、とことんポップでキッチュなボールペン。

この対局の組み合わせが現在の僕の中ではバランスが取れています。
ただ、このボールペンも2014年の限定色、というところで多少の特徴は出しているつもりです。

YARD-O-LED(ヤード・オ・レッド)とは

英国生まれの筆記具ブランド。社名は、「1ヤードの芯」という意味で、3インチの芯が12本で36インチ(1ヤード)になるところから。 Yard-O-Led社の設立は1934年、創業は1822年、創始者サンプソン・モーダンが最初の繰り出しペンシルを発明したことから始まる。ボールペン、万年筆の多くは今もなお9世紀のデザイン、工程がそのまま生かされた手造りにより製造されいる。素材は英国の純銀の基準(スターリングシルバー)のみを使用。全て生涯保証【LIFETIME GUARANTEE】がついている。

ーおわりー

公開日:2015年8月8日

更新日:2021年11月26日

Contributor Profile

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廣瀬 文

オトナかわいい女性に憧れるアラサー編集部員。憧れの女史は、石田ゆり子さまと本上まなみさま。ずぼら脱却にお茶か日舞を習ってみようかと思案中。最近気になる被写体の組み合わせは「おじさんと犬」。

終わりに

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また、シルバーですか!? とつい言葉を発してしまった今回の編集長のセレクト。成松さん本当にシルバーの素材が好きなんですね。ちなみに、編集長、シルバーの素材をより深く知りたいということで1年半ほど銀細工教室に通っていたそうなんですが、自分は講師である師匠を技術的に超えることができないと痛感したところで教室通いを終了したそうです。すごい意気込みだったんだな〜と感じたエピソードでした。

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