ご当地インク×万年筆イラストで全国旅気分。万年筆画家・サトウヒロシが描く「京都府」編

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絵/サトウヒロシ
写真/新澤遥
取材・文/ミューゼオ・スクエア編集部

気軽に旅行することが難しくなったいま、日本全国の「ご当地インク」で旅気分を味ってみるのはいかがだろう?

連載「ご当地インク×万年筆イラストで全国旅気分」では、SNSやYoutubeなど多方面で活躍されている万年筆画家・サトウヒロシさんに、全国のご当地インクを使ってその土地の名産品や観光名所などのイラストを描いてもらっている。

今回ご紹介するのは、京都府の「TAG STATIONERY(タグステーショナリー)」。

サトウヒロシさんが描く旅の素敵なワンシーンとともに、作り手の想いを載せて巡るご当地インク旅。いざ行ってみましょう!

鮮やかさ×透明感。しっとりもっちり3色八つ橋

京都の伝統技術を用いた文具ブランド「TAG STATIONERY」。今回は、そこから生み出された一風変わった万年筆インク6色キット「hue 6COLORS」を使って、京都を代表する和菓子の一つ、八つ橋を描いてもらった。もちっとした薄皮からプクッとのぞく餡に、さらりとした表面の粉感。甘くスパイシーなニッキの香りが漂ってきそう。

MuuseoSquareイメージ

▶︎をクリックすると、絵の制作動画が再生されます

「京都を代表するお土産といえば……ということで、八ツ橋を選びました。八ツ橋も色々な種類が今はありまして、hue 6COLORSの豊かな色彩を表現するのに適しているかな、と。
八ツ橋を描く上で抑えておきたいポイントは、しっとりとしたもち粉の皮、透けて見える餡、きな粉をまぶした表面のサラサラ感を出すことです。一番コツが必要なところは、『透けて見える餡』のグラデーションを作るところでしょうか。紙が濡れた状態でインクを落としていく『色流し』をうまく使って表現しました。

京都には、10代〜20代の16年間ほど住んでいました。住んでいた頃は、観光名所にも特に興味を持たず、地味な街だなぁ……という印象でしたね。八つ橋もほとんど食べたことがありませんでした(笑)。でも、東京に住み始めてから、会社の同僚が京都のお土産を喜んでくれたことで、だんだん京都を好きになってきました。観光地もお土産も地元の飲食店なんかも、東京にいる今の方が詳しいかもしれません」とサトウヒロシさん。

色の表現は無限大!TAG STATIONERYのご当地インク。サトウヒロシさんのインクレビューとともにご紹介

MuuseoSquareイメージ
「<a href=https://store.tagstationery.jp/collections/hue-6colors/products/inkkit target='_blank'>hue 6COLORS WRITTING LAB</a>」は、京都草木染研究所の代表・高橋誠一郎さんが考案した6原色を使った混色方法を取り入れ、初心者でも簡単に楽しく色を表現できるキット。
hue 6COLORS WRITTING LAB/ MIX INK KIT[容量10ml×7 うすめ液10ml×1 空ボトル×2 簡易スポイト×1 説明書×1]¥3,300(税込)/<a href=https://store.tagstationery.jp/ target='_blank'>TAG STATIONERY</a>

hue 6COLORS WRITTING LAB」は、京都草木染研究所の代表・高橋誠一郎さんが考案した6原色を使った混色方法を取り入れ、初心者でも簡単に楽しく色を表現できるキット。
hue 6COLORS WRITTING LAB/ MIX INK KIT[容量10ml×7 うすめ液10ml×1 空ボトル×2 簡易スポイト×1 説明書×1]¥3,300(税込)/TAG STATIONERY

サトウヒロシさんのインクレビュー▶︎hue 6COLORS

「TAG STATIONERYさんのインクは他のシリーズも愛用しています。どの色も少しずつ『原色』からずらして調色されているので、そのまま使っても味わいが出るところが特徴です。
hue 6COLORSも同様に色の基本となる3原色ではなく、原色それぞれ他の2色に寄り添った色、青みの赤(Rb)黄みの赤(Ry)赤みの青(Br)黄みの青(By)赤みの黄(Yr)青みの黄(Yb)の6色に分けた構成となっています。そのため、例えば黄色なら青よりなのか赤よりなのか、と描く時に選ぶことができて、とても描きやすいのです。
そこに加えてニュートラル(N)がまた渋い!作った色に少し加えると彩度が落ちて、『渋み』を出していくことができます。気がつくと和の色が勝手に生まれていく感覚です。

もう一つ、TAGさんのインクの特徴は、水に溶けやすいところでしょうか。僕の絵は水筆でインクをぼかして描いていくことが基本ですので、紙に色を置いてから伸びやすいインクとの相性が良いのです。他のシリーズと同様に、hue 6COLORSも素直に伸びてくれます。このシリーズは『自分で調色できる』ことを前提に設計されているので、各色は同じ色合いのまま伸びてくれます。なので、絵の具に近い感覚で使えるところが一般的な万年筆インクと違うところですね。

オリジナルのインクを作れるインクではありますが、紙の上で混色しながら描いていくことにも適しています。紙を湿らせた状態であれば、違う色のインクを少しずつ落としてその場で混色ができますし、乾かしてから次の色をのせれば下地の色を活かして『インクを重ねた色合い』を楽しめます。色の仕組みを理解しているほど楽しめるインクだと思います」

こちらは「Rb」「Br」「N」を混ぜて作った、ミューゼオ・スクエア編集部のオリジナルカラー。

こちらは「Rb」「Br」「N」を混ぜて作った、ミューゼオ・スクエア編集部のオリジナルカラー。

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最後にTAG STATIONERYのPRご担当者様からのコメントをご紹介。

「混色のプロである染織の職人さんは、単純に3原色(赤・青・黄)からではなく、混色に使いやすいベースカラーをあらかじめ用意されているとの事で、hue 6COLORS WRITTING LABは、そのベースカラーを元に6色のインクで構成しています。好きな色のインクを作るという楽しみもありますが、職人のノウハウを活かした混色の基礎を遊びながら学んでいただけるような製品に仕上げています」

ーおわりー

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TAG STATIONERY

京都の伝統技術を用いた文具ブランド「TAG STATIONERY」。
どの色も少しずつ『原色』からずらして調色しているのが特徴で、そのまま使っても味わいが出る。また、水に溶けやすく、紙に色を置いてから伸びやすいインクとの相性が良い。
hue 6COLORSシリーズは『自分で調色できる』ことを前提に設計されており、絵の具に近い感覚で使えるところが一般的な万年筆インクと違うところ。

文房具を一層楽しむために。編集部おすすめの書籍

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公開日:2021年5月7日

更新日:2022年6月6日

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ミューゼオ・スクエア編集部

モノが大好きなミューゼオ・スクエア編集部。革靴を300足所有する編集長を筆頭に、それぞれがモノへのこだわりを強く持っています。趣味の扉を開ける足がかりとなる初級者向けの記事から、「誰が読むの?」というようなマニアックな記事まで。好奇心をもとに、モノが持つ魅力を余すところなく伝えられるような記事を作成していきます。

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