こんなA-2が欲しかった!A-2フライトジャケットをカスタマイズする

取材日: 2019年3月5日

文/成田亘

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人の命にかかわる洋服だからこそ、普通の洋服の何倍も手が込んで作られているミリタリーウェア。

今回は、恵比寿の古着屋「54Broke」オーナーの成田さんがカスタマイズした「A-2フライトジャケット」を紹介します。

アメリカ陸軍航空軍のフライトジャケット、それがA-2

A-2フライトジャケットとは、1927年採用のA-1ジャケットの後継用として制式化されたジャケットです。具体的には、1931年~1943年に製造されたAAC.AAFアメリカ陸軍航空隊、アメリカ陸軍航空軍に着用された夏用フライトジャケットを指します。

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なお、ここで言う夏用とは、(Summer,Winter)といった単なる分類にすぎず、本当の季節を意味するものではありません。1944年に温度域を5つの区分(Very light,intermedate,heavy,very heavy)にわけて適用していました。

素材は、ホ-スハイド、ステアハイド、ゴ-トスキンの3種類。背面は継のない1枚革が使用されています。ライニングはコットンです。シルクのライニングは見たことがありませんが、存在しているのかも知れません。

色は大まかに分けて、シ-ルブラウン(黒に近い茶)ラセットブラウン(赤茶、薄い茶)が存在します。ジッパ-は鉄、真鍮で作られています。供給メ-カ-はタロン社、コンマ-社、クイック社などです。

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A-2は当時の痩せ型の男性に適合するように作られていた可能性が高く、34.36.38.40.42以上は私はお目にかかったことがありません。90年近く経っても、今の時代の洋服のようにタイトな作りになっていることに驚かされます。

A-2は陸軍航空隊員にとって重宝され、誇りを持って着用されていました。洋書や貴重な昔の写真、ノ-ズア-トや背中に描くア-トワ-ク(所属する空軍、部隊、飛行機の絵)などでもわかると思います。

隊員はさまざまな勤務先、基地を転々としていたため、空軍、部隊パッチ、階級章を付けたり外したりしていました。そのため、色々なサイズのパッチが除去されたりつけ直しされたりしているため、皮が針穴だらけになったジャケットも多々存在します。

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海軍隊員は今までの戦隊のすべてのパッチを外すことなく継続できた一方、航空隊員は現在所属するパッチ、任務のパッチしか縫い付ける事しかできなかったとも言われています。

爆撃搭乗員、戦闘機員のジャケットには任務完了を示す小さな爆弾、大きな爆弾等の印をつけていました。航空隊のエンブレムは、パッチ、プリント塗ることによって表示されていました。

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オリジナルを大切にするも良し、カスタムするも良し

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画像は私がカスタムしたA-2です。探していたパッチが9割がた揃ったので、カスタムしました。

このようにパッチが揃っており、かつ自分が気に入る本物のジャケットを見つけることは凄く困難です。(稀に出てくる時もありますが)何かパッチが付いていてもどこか足りないことが多く、たとえば所属部隊、ネームタグ、階級章のパッチなどがない場合がほとんどです。そのため、好きな空軍部隊に自分でカスタムして作成しました。

本来官給品なので返さなければいけなかったんだと思いますが、個人のジャケットに対する愛着心、誇り、思い入れ(ロマン)、精神、仲間との絆などジャケットに対する気持ちがあったため返却したくなかったんだと思います。「私だったら」と考えた時、同じ気持ちになるだろうと思わずにはいられません。

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こうカスタムするとオリジナルではなくなりますが、私の価値観は見た目重視。糸まではこだわっていないので切れることもあれば、ほつれることもあるでしょう。それでも、時間を掛けた分だけ自分の理想としている一枚になりました。

オリジナルを大切にするのもまたよし、自分好みにカスタマイズして着用するのも良し。自分流に楽しんでください。ファッションはインパクトですから、自分の軸を大切にしていきましょう。

ーおわりー

終わりに

私がA-2に興味を抱いたのは、1963年のアメリカ映画連合軍将校の集団脱走を描いた異色の戦争映画「大脱走」を通してです。

リアルタイムで映画館でやっていたのを観たわけではなく、中学生の頃から高校生にかけて数回テレビで放映しているのを観ました。そこに登場する人物、スティーブ・マックイーン演じるアメリカ将校ヒルツ大尉が着用しているレザ-ジャケットがA-2だったわけです。

当時、タイトな作りで、立ち襟で、裏スナップ留めでシャツ型な革ジャンがあるんだと度肝をぬかれました。そんな体験もあり、A-2は、私的にはレザ-ジャケットの基本的な原型と位置付けしています。革ジャンはまず、A-2ホ-スハイドから!がモット-です。

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