Paxette M39マウントレンズ
Carl Braun Camera Factoryが1952年にリリースしたレンズ交換式のレンズシャッターをもつ35mm判カメラがPaxette IIです。IIというからには初代があるわけで,初代はレンズ固定式でした。ざっくり言えばPaxetteの初代はレンズ固定式,第二世代のPaxette IIはフランジバックが44mmで,39mm径,ピッチ1mm (M39)のねじ込み式マウントのレンズ交換式,第三世代はdeckelマウントのバヨネット式マウントの3種類に分けられます。ただ,各世代においても細かいバリエーションが大量にあるため何が何だかわかりません。初代のPaxetteでもレンズ交換ができるものもあるようでモデルのバリエーションは大混乱です。M39マウントの第二世代でも,距離計がない目測式,距離計はあるがレンズと連動しないもの,レンズと連動するレンジファインダーのあるもの,とこれまた大きく分けて3種類あります。相互に互換性があるかというとそれもよくわかりません。距離計に連動するレンズには銘板に-E-という刻印がついているようですが,ついていないのに連動するものがあったりするようで,一貫性はあまりなさそうです。
Paxette用のM39マウントレンズはバルナックライカのL39ねじ込み式マウントと物理的には互換性がありますが(ネジ径とピッチが同じだから),フランジバック が全く異なるため,Paxette用のレンズをバルナックライカにつけても無限遠はでません。Paxetteが44mm,Leicaが28.8mmです。また,旧ソ連時代に作られたM39ねじ込み式マウントのカメラであるZenitはフランジバック が45.2mmでこれもフランジバックが異なります。物理的に同じ形状でまったく互換性がないものが複数存在するので混乱しますがここではPaxette用M39レンズを並べています。