Contax Gマウントレンズ

Contax Gマウントレンズ

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AFレンジファインダーカメラという新しいコンセプトで1994年に彗星のごとく登場したContax G1は新たにGマウントをひっさげてセンセーショナルなデビューを飾りました。しかし,ファインダーを見ていてもピントがあっているのかあっていないのかを判断する術がありませんでした。もちろん合焦表示はでますが,距離計に連動する二重像や,一眼レフのファインダーのように本当にピントがあっている,ということを確認できないのです。高級なレンズ交換式のカメラであるにもかかわらず,ピント合わせの成否の確認という点に限って言えば,安物のコンパクトカメラ(当時は全てがフィルムカメラでした)とたいして違いがない,というものでした。

その一方でレンズのラインナップはとても魅力的で,Contax/Yashikaマウントの一眼レフカメラの交換レンズのなかでは比較的リーズナブルだったPlanar 50mm F1.4よりもお手軽にPlanar 45mmが使える,ということでContax G1を買いそうになったことは2度や3度ではありませんでした。ちなみにPlanar G 45mm F2の37,000円にたいして,C/YマウントのPlanar 50mm F1.4は1993年のカタログでは44,000円でした。同じカタログでC/YマウントのPlanar 50mm F1.7は27,000円だったのでF1.7のほうが明るくてリーズナブルな価格でしたが当時の私はなぜかF1.7のplanarには目もくれなかったのでした。

そうこうするうちに1996年には新型のG2が発表され,交換レンズも追加されて物欲を抑えることが困難になってきましたが,フォーカスがどこにきているかがわからないファインダーはどうしても受け入れることができず,手を出さずに踏みとどまっていました。

G2は10年近く販売されて,2005年に京セラがカメラ事業から撤退するという事態に至り,G2の後継機が出ないまま,Contax Gシリーズもディスコンになりました。

Contax GシリーズのカメラはAFレンジファインダーを標榜しているだけあって,マウントのフランジバックは非常に短いうえに,バックフォーカスはもっと短くても問題のない仕様でした。したがって一眼レフカメラではどうしたって実現できないbiogonのような対称型の超広角〜広角レンズがオリジナルにかなり近いレンズ構成でラインナップされていました。

当時の私は不明にしてContax Gシリーズにおいて最も重要ポイントであったはずのレンズ構成にはまったく無頓着でそれを魅力だと認識していませんでした。しかし,ミラーレス一眼カメラでオールドレンズ遊びにハマっていくなかで,オリジナルのContax C (Contaxレンジファインダーカメラ用マウント)のレンズを入手して1950〜1960年代のZeissレンズに魅了されるようになって以来,遅ればせながらContax Gマウントレンズにも改めて目をむけるようになりました。

結果として,今頃になってContax Gシリーズ用の単焦点レンズを物色する,ということになりました。このフロアでは販売が終了してから20年も経ってから集め始めたContax Gシリーズのレンズを集めています。

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