STAEBLE-LINEOGON 35mm F3.5

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STAEBLE OPTIKは日本ではあまり馴染みのない光学メーカーですが,ドイツ語のwikipediaによると(機械翻訳を使って読んでみた),1908年にFranz Staeble博士によって創立されています。第二次世界大戦中はドイツ空軍のための光学機器を作っていたようですが,終戦後はプロジェクタ用レンズやカメラレンズを作っていたようです。Stableが作ったカメラ用レンズのなかではPaxette用のレンズはそれなりに多く作られたようです。第一世代のPaxetteに付けられた固定レンズや第二世代のレンズ交換式Paxette用のM39マウントのレンズも種々作られています。

このレンズはM39マウントの第二世代Paxette II用の交換レンズである焦点距離が35mmのSTAEBLE-LINEOGON 1:3,5/35です。Paxette用レンズとしてはもっとも広角をカバーするレンズだったと思われます。当時は(現在もそうかもしれませんが),広角よりは望遠のほうが需要が高かったのでしょう。某サイトの解説によれば,3群3枚のトリプレットに第1群を追加して焦点距離が35mmとなるように調整した4群4枚の「変形トリプレット型」ということです。4群4枚といえば条件反射的にエルノスター型を思い浮かべてしまいますが絞りの位置が異なりますし,エルノスター型は望遠レンズ向けであることを考えると,広角レンズの基本設計としてトリプレットをベースにしたと考えるのは合理的であると思います。

コンパクトなレンズで,コンパクトなカメラであったPaxetteによくマッチしています。この個体は整備済みで入手したものです。第二世代Paxette用レンズのなかでも早い時期のモデルのようで距離計には連動しません。

フランジバックの調整のために5mm厚のリングがマウントに固定してあります。ライカのL39マウントのLeica Mマウントに変換するL-Mリングを介してLeica M用の接写リングを挟んでLeica Mマウントカメラに装着するか,さらにライカMレンズを変換するアダプタを挟んでミラーレス一眼に装着することで撮影が可能です。マウントアダプタを間にたくさん挟むため,個々のアダプタの誤差が累積して無限遠がうまく出ない,ということになりがちですが,この個体はそのあたりも調整されています。モノクロ時代のレンズらしくモノクロで撮影した場合には滑らかな階調表現をする印象です。

このレンズによる作例は
https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/STAEBLE-LINEOGON%201%3A3.5%2F35
に置いています。

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