台湾/「地下鉄建設」1989.6.27【World Topics Stamp Collection】

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『近代都市に生まれかわる台北の地下鉄計画』

 地下鉄が最初に生まれたのはロンドンで、1863年1月のこと。当時のロンドンには、すでに高架鉄道はあったが、道幅の狭い都市部では交通が混雑し、それ以上に高架鉄道を敷設するのは困難という判断から、線路が地下にもぐった。その後、世界の各都市で
地下鉄建設の気運が高まり、現在では約50都市に地下鉄が走っている。そして、台湾の台北市でも、この6月、地下鉄計画が具体化した。

 台湾では、鉄道および自動車道路は、西部平野を中心に発達している。しかし、首都の台北市では人口が急増し、高層ビルが立ち並び、ビジネスの拠点として都市化が進むにつれて、線路と道路がぶつかり合い、著しい交通渋滞を招いている。こうした状況から、台湾政府は、台北市中心部の鉄道の地下鉄化計画を進めることを決めた。上の2枚の切手は、この地下鉄工事計画を記念するものだ。

 地下鉄には、都市交通機関としては最も重要な、大量輸送が高速度で実施できるという利点があり、都市の美観を妨げず、騒音などの公害を及ぼさないという、都市部の交通機関としては最適の条件を備えている。今回の台湾の地下鉄計画も、こうした諸条件をふまえたうえで決定されたが、一方で、この計画がかかえる問題も多い。というのは、台北市では地質が悪いため、地下の開削工事はむずかしいといわれてきた。これに加えて、莫大な工事費がかかるうえ、着工から完成までの工事の期間も長い。したがって、台北市が地下鉄で交通網を整備できるのは、まだ数年先の話だが、地下鉄が完成した日には、立派な都市機能を備えた近代都市に生まれかわることは違いない。

※1989年当初の説明です。

#切手

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