幕幅の違う方向幕をセットする①

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国鉄時代の電動方向幕の幕幅は、大きく二つに分かれます。
一つは、485系など電圧比較式の特急車用の幕で680㎜。
もう一つは、「それ以外」の約700㎜です。

「それ以外」の方は、
直流同期進段式の12、14、24系客車をはじめ、
交流同期進段式の103、113、183、189、417系電車、
電圧比較式の201、203、205、107系電車などなど…
ほとんどの車両が、約700㎜の幕幅となっています。
国鉄新幹線、103、183、189系の前面幕も、約700㎜です。

中には、微妙に仲間外れの幕(185系電車…675㎜、
115、415系電車…710㎜など)もあります。

また、国鉄末期になると、685㎜の幕幅が主流となり、
211系を筆頭に、209、E217、701、251、253、255、
651、E501、E351系などなどなど…東日本のほとんどの
新製車両が685㎜になりました。

今回は、電車用の同期進段式(700㎜)の表示器に、
特急電車用の680㎜の幕を、二本繋げて入れてみました。

まずは、表示器を念入りに整備します。ドラム軸の接点は、
特に油切れが発生するため、潤滑剤を十分に使用します。
(画像②)

同期進段式の表示器は、正面右側に幕の停止位置を検知する
検出ピンが三か所ついており、特急電車の幕とは、検知穴の
位置が異なります。

検出ピンが回転中の幕の検知穴に引っ掛かり、
幕が破損してしまう為、表示器側の検出ピンを、
幕に触れないように、裏から上げておきます。
(画像③の黄色い詰め物)

幕を片側の端に揃えて、駆動側ドラムにセットします。
今回は二本繋げますので、テープで繋げて、最後まで
巻き切ります。(画像④➄⑥)

駆動側のドラムにすべて巻き切ったら、発泡材をドラムの
大きさに加工したものを用意し、ドラムの端に取り付けます。
ドラムの端に少しでも余裕があると、幕が斜めに巻き取られ、
巻き取り中に幕がシワになったり、破損したりします。
(画像➆➇)

つづく

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