育てていくうちに愛着も倍増。カーミットチェアは座面の経年変化も楽しめる

取材・文/オダマキミホコ
写真/佐々木孝憲

スタイリスト・平 健一氏に、屋内でも屋外でも使えるアウトドアギアを紹介してもらいます。今回はキャンパー&バイカーにファンが多いカーミットチェアをご紹介。アウトドア好きにはもちろん、インテリアにこだわるあなたにもピピッとくる逸品を順次ピックアップ。

定番だけど楽しみかたはたくさんのカーミットチェア

MuuseoSquareイメージ

キャンパー&バイカーにはおなじみの人気の椅子「KERMIT CHAIR(カーミットチェア)」。1984年頃に熱狂的なオートバイライダーのTom Sherrill (トム・シェリル)によって設計され、産声をあげたMade in USAのアイテム。簡単に分解できて小さな袋に収納して持ち運びが可能。

写真のモデルはカーミットチェアに、デニム生地に定評のあるアパレルブランド「IRON HEART(アイアンハート)」製の生地を使った座面に張り替えたカスタム仕様。

アウトドア好きなら誰しも心揺さぶられる、チェアの座面張り替え

昨今のアウトドアシーンでは既存の座面をオーダーメイド感覚で自分仕様に張り替えることが大流行。カモ柄を中心に張り替え生地の種類も豊富で、もはやスタンダードになりつつもある。

「AME HOLIDELIC(エーエムイー ホリデリック)との出会いは、セレクトショップのフリークスストアにリースで訪れていたことからですね。しばらくしてカーミットチェアを取り扱っていることを知って、お話を聞いていたらウッドランドパターンの張り替え用生地リリースの情報をキャッチして。僕が関わっている「ROOP」のオンラインストアで、チェア本体とウッドランドパターン(写真下)の張り替え生地を独占販売させてもらったんです。単体で購入するよりお安くして(笑)。評判は上々でかなり早く売り切れました」

求める人が増えても、それまでと変わらずテネシー州ナッシュビルにてハンドメイドで生産されているため、生産数が少なく、注文して海外から輸入することになるので実際に手元に届くまでに時間が掛かることもある。

一度使うと手放せません!

一度使うと手放せません!

ROOPで独占先行販売したウッドランドパターンバージョン

ROOPで独占先行販売したウッドランドパターンバージョン

高さとリクライニングのバランスが秀逸。愛すべき魅力がある一脚。

カーミットチェアの人気の秘密は部屋でもキャンプ場でも、どんな空間にも違和感なく溶け込んでしまう洗練されたデザイン。まるでソファに座っているかの様な絶妙な座り心地と使い勝手の良さにある。カーミットチェアの開発者はバイクに乗せられるようにしたいという思いを持っていた。そのためパーツはバラバラになり、小さな袋に収納して持ち運べる。

「コンパクトにできるのがメリットなんですが、組み立てた状態で畳める点も個人的には便利だと思っています。Rになっているパーツを持ち手にしてスマートに運べます。とにかく使う頻度が多いので、使い終わってもバラバラにせず、折り畳んだ状態で車に積んだり、家でもそのまま収納したりしています」

ハンドメイドならではの風合いも魅力のひとつ。

「厚くコーティングされたニスの風合いとか、いちいち組み立てなくちゃいけないところとか、組み立て時にカチャカチャ音がなるところとか。スマートではないかもしれないですが愛すべき要素がたくさんあるんですよね。座面と背中に付けられたU字のパーツもお気に入りポイントです」

深すぎず浅すぎず、リラックスするのに絶妙な角度

深すぎず浅すぎず、リラックスするのに絶妙な角度

折り畳むとこんなにスマート。軽量なので持ちやすいのもポイント

折り畳むとこんなにスマート。軽量なので持ちやすいのもポイント

アウトドアアイテムでは珍しい、アタリと色落ちを楽しめるファブリック

今回紹介している張り替え用アイテムはアウトドアアイテムでは珍しいファブリック。

「カモ柄も好きなんですが、デニム生地がリリースされて気に入りました。ブランドのことは詳しくは知らなかったのですが、まだデニム生地張り替えが無かったので新しい生地でしたね〜!」

そのデニムのファブリックはバイカー向けアパレルブランド「IRON HEART」製。ブランドの顔でもある、21オンス(約600グラム)の極厚デニム、 Extra Heavy Denim素材が使われている。藍染めのファブリックはデニムパンツをはき込んだ時のような、特有のアタリや色落ちを楽しめるのが特徴だ。

「スタジオでのモデル撮影の小物でとか、インテリアのスタイリングとか、アウトドアアイテムというよりは室内のファニチャーとして活用しているかもしれません」

座面を張り替えるだけで普段使いでも違和感のないファニチャーに変身。張り替えはドライバーさえあれば普通の人でもできるので、こだわりのファブリックを探して張り替えに挑戦してみては。

Kermit Chair

価格:¥26,000+tax

耐荷重:158kg
収納サイズ:約11×16×56cm
座面高:約30cm
重量:約2.4kg
素材:オーク材、アルミ、スチール、1,000デニールナイロン

IRON HEART×AME HOLIDELIC / Original Fabric 21oz Extra Heavy Denim【カーミットチェア用】

価格:¥8,000+tax

カラー:デニム
素材:コットン

※アイアンハートのレギュラーデニムは移染しにくい仕様ですが、あくまでもデニム生地ですので、染料の性質上、使用により他の衣類などに色が付着することがあります。特に湿った状態での使用時や汗や雨などで濡れたウエアなどでの使用時は他の衣料などに色が移ることがありますので、ご注意ください。

ーおわりー

MuuseoSquareイメージ

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縫製も国内で行っている。かなりしっかりとした作り。ネジ部分もオリジナルの座面は切りっぱなしだが、この張り替え用ファブリックではほつれてこないようしっかり処理されている

File

AME HOLIDELIC

国内初のカーミットチェア専門店。オリジナルチェアの販売だけではなく、「長く素敵な思い出をカーミットチェアと過ごして頂けるように」という想いのもと、カーミットチェア破損時のアフターメンテナンスなどもおこなっている。
2003年には長年のカーミットチェア愛好家でもあるTom Sherrill(トム シェリル)へプロダクトは引き継がれ、40年の以上の長きに渡り元来の仕様と高品質を維持したままナッシュビルで変わることなくハンドメイド生産されている。

公開日:2015年12月13日

更新日:2022年4月15日

Contributor Profile

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オダマキミホコ

会社員からフリーのエディターになって3年。雑誌、Webで企画や編集の仕事を行っている。退職をきっかけに社会人1年目からの目標だった“手に職を付ける”ため、編集業と並行して手作り靴の修行中。

終わりに

オダマキミホコ_image

我が家にも座面がヴァーガンディーのものが1脚あります。2脚目を購入しようとした時は円高でチェアの価格が上がってしまい、躊躇してしまいましたが…。座面がオリジナルのままなので、そろそろ座面張り替えカスタムしたいなぁといろいろと調べていたところです。アウトドアっぽくないデニム生地はグッときます。

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