1983年の発売開始以降、堅牢な日本の腕時計として世界的に人気を誇っているG-SHOCK。今回は愛好家である声優の阪口周平さんに、その魅力について語ってもらった。
オトナがつけてカッコイイ。タフ&パワフルな相棒。
阪口さんがG-SHOCK(以下Gショック)に惹かれるようになったのは、2013年頃の事。弟さんが着用しているのを見た事がきっかけだったそうだ。
「ファッション関係の勉強をしていた弟が、ロイヤルエアフォース(※イギリスが保有する世界最古の空軍)とタイアップした「SKY COCKPIT(スカイコックピット。現在はGRAVITIMASTERとモデル名が変化している)」をつけていたんですね。それがすごくカッコよくて。世代的にもブームを経験しており、もともと身近な印象は持っていましたし、そんななかで今、30歳を過ぎたオトナがGショックをつけるのも面白いのでは?と感じたのが購入のきっかけになります」
「それからほとんど衝動買いに近い形で、弟が着用していたものと同シリーズをベースにした「Thirty Stars GW-A1030A-1AJR」を購入。以後、だいたい年に1本のペースで新しいGショックを手に入れ、日頃から身につけています。Gショックの魅力といえば頑丈さが特に有名ですよね。製品に備えられた類いまれな機能には、自分がパワーアップしたかのような気分にさせてくれる高揚感があります」
解説:Gショックとは?
カシオ計算機株式会社から発売されている、堅牢性に特化した腕時計。1983年発売開始以後、兵士や宇宙飛行士、パイロットなど過酷な環境に身を置く人々に広く愛用されている。映画の中で小道具として使われることも多く、DW-5600というモデルは映画「スピード」のキアヌリーブスがつけていて大ヒット。日本では90年代、若者の間で一躍ブームに。機能性、ファッション性を兼ね備えた腕時計として人気が高い。Gショックの「G」はGravity=重力の意。
極限の状態でも安定した駆動を誇る“MASTER OF G”シリーズ。
阪口さんがGショックを身に着けることで感じるという、高揚感。それは何に由来するものなのだろうか。所有モデルに対するこだわりについて伺った。
「私がメインで所有しているのは、極限の状態で使用することを想定して作られた
“MASTER OF G”シリーズ。「GRAVITYMASTER(グラヴィティマスター)」であればパイロット仕様のモデルなので、衝撃、遠心重力、振動に耐える強固な構造になっていますし、「MUDMASTER(マッドマスター)」はジャングルや砂漠などの環境でも安定して動くよう、防塵・防泥機能に優れています。正直、日本で普通に生活していれば極限の状態に身を置くことはないと思うのですが(笑)、こんなにスゴイ機能が備わった腕時計を着けているというだけで、もう楽しいんですよね」
「もともと機械式の時計が好きだという事もあり、“MASTER OF G”シリーズの中でもアナログの時計を選ぶというのが購入のポイント。Gショックは過去のモデルでも人気の高いモノが数多くありますが、私は現行モデルを新品で購入するというスタンスです。コレクションするという感覚よりも、日常の中で必要なツールという意味合いの方が強いです」
阪口さんの所有ラインナップをご紹介
Thirty Stars GW-A1030A-1AJR
2013年、Gショックのブランド30周年を記念してリリースされたスペシャルモデル。パイロット仕様の「SKY COCKPIT」をベースに採用。衝撃・遠心重力・振動の3つの重力加速度に耐える「TRIPLE G RESIST」構造を備えている。30個のスターマークや記念ロゴが刻印されている、特別感満載の一本。
Mastermind JAPAN × G-SHOCK FROGMAN GWF-1000MM-1JR
プロのダイバーにも愛用される200mの潜水用防水を備えた「FROGMAN」の限定モデル。東京にあるロンハーマン千駄ヶ谷店で300本のみが販売されたレアな一本。たまたま近くで仕事があったこともあり、早朝から抽選に並ぶことで運よく購入できたとの事。
MUDMASTER GWG-1000MH-1AJR
防塵・防泥機能に優れている「MUDMASTER」。オレンジカラーの文字盤は高い視認性を持ち、ファッションのワンポイントとしても映える存在。イギリスのファッションブランド「maharishi」とのコラボレーションモデル。
SKY COCKPIT GPW-1000-1AJF
「SKY COCKPIT」シリーズの中でも、「GPSハイブリッド電波ソーラー」を搭載した高性能なモデル。世界のどこにいても正確な時刻を表示することができるスグレモノだ。GPSで位置情報を受信すると、文字盤右側におおよその緯度を表示。海外に行った際には思わず確認したくなるギミックも。
人生を豊かにする、モノへのこだわり。
阪口さんにとって特別なアイテムであるGショック。時にはこんな想いを込めて着用することもあるのだとか。
「性能やコンセプトが突き抜けているGショックは、パワーが宿る存在とでも言いましょうか、体調が悪い時には“ガンバレ自分!”という意味を込めて身に着ける事もありますね。ちょうどスタートレックのアフレコ時、体調が悪かったときもこれを身につけて不思議と乗り切れました。後輩への激励にプレゼントとして渡したことも。スマートな場ではクラシックな時計を身に着けることももちろんありますが、プライベートを中心に、Gショックは欠かせない相棒のような存在になっています」
今年で40歳を迎える阪口さんだが、年齢を重ねる中で、モノに対する関心が高まっているのだそうだ。
「一回り、二回り上の年齢の方と接していると、身に着けているモノの中に、さりげないこだわりが感じられることがよくあります。それを見て単純にカッコイイなと感じますし、趣味が合えば話題も広がる。やはり自分が身に着けるモノの中で、一つぐらいはこだわりがあったほうが、人生が豊かになるのではないでしょうか」
「近年は時計を身につけることが、昔ほどマストではなくなってしまいました。合理的に考えれば、スマートフォンなどで用は足りてしまうのかもしれませんが、私としては少しさみしい想いもあります。時計は身につければ品格も上がるし、時計に対して自分も負けないようにしようと、日々の活力になるアイテム。Gショックでなくてもいいので、若者世代はぜひ何か夢中になれるモノを見つけて、こだわる楽しさを感じてほしいですね」
ツールとして、ファッションの一部として、日々の生活に密着度の高いアイテムである腕時計。
その中にあって、Gショックは機能性を突き詰めるという意味で飛びぬけた存在だ。
だからこそ、製品のディテールや意匠に対して、より強い想いを抱くことができるのではないだろうか。
製品のコンセプトに想いを巡らせながら、愛用品を眺める。その楽しさを再確認した取材だった。
―おわり―
ワーク・ミリタリー・ストリートを一層楽しむために。編集部おすすめの書籍
G-shock30年集大成本!
終わりに
今回、阪口さんより各モデルのもつ細かな機能を伺ううちに、世界に誇る品質の高さを再認識することができました。近年は90年代のブーム当時より売り上げが好調だというのも納得です。