爪先、かかと周り、トップラインなどフィット感を確かめたいポイントや、選び方について、服飾ジャーナリスト・飯野高広氏の監修でお届けする。革靴は快適にはけてこそ価値がある。サイズの数字だけにとらわれず、「試着して確かめる」がベストな一足にめぐり合うための最大のコツだ。
自分に合う?合わない⁉︎ フィッティングで確認すべきポイントは5カ所。
いざ試着!足の感覚を研ぎ澄まし、以下チェック項目を確認していこう! クリアできない箇所がある場合は要注意だ。迷ったときは己の足の感覚を信じること! お店には靴に合わせて履きたい靴下を持参してジャストフィットを探っていこう。
1:爪先
✔️ 「捨て寸」がある。
▶︎▶︎▶︎足指を自然に伸ばした状態で靴の爪先部分(前にも上にも)にぶつからないことを確認し、親指から10mm〜20mmの余裕を「捨て寸」があるかチェック。歩行時に靴の中で指先が前後わずかに動くからだ。
✔️ 親指と小指が爪先側面から圧迫されていない。
▶︎▶︎▶︎小指が薬指の下に潜り込みそうなほど圧迫されているのはまずNG。
✔️ 指先が遊びすぎない。
▶︎▶︎▶︎指が圧迫されるのはまずNGだが、逆に指が上下左右にぶらぶらと動きすぎてしまうほど爪先に空間があるのもNG。歩行時に指の動きが定まらなくなるからだ。
2:甲周り
✔️ 足のボールジョイントに靴の幅がフィットしている。
▶︎▶︎▶︎親指の付け根から小指の付け根まで、足で一番幅のある部分を「ボールジョイント」と呼ぶ。靴とこの位置が一致しているか、またキツ過ぎず適度なフィット感を感じることが重要!靴との一体感をもたらす要とも言える部分なので足に違和感を感じた靴は即NG。
✔️ 羽根が開きすぎず、閉じすぎていない。
▶︎▶︎▶︎紐靴の紐を足にフィットするように結びあげた際、左右の羽根が重なったり、隙間がないものはNG。足に対して靴が大きすぎる証拠だ。逆に10mm以上の間隔に広がりすぎもNG。
3:トップライン(履き口)
✔️ くるぶしがトップラインにかかっていない。
▶︎▶︎▶︎くるぶし(足首の関節で骨が突起した部分)がトップラインに当たってしまいそうな場合、歩くたびに痛い思いをするので注意だ。
4:かかと周り
✔️ 靴のヒール真上に体の重心がのる。
▶︎▶︎▶︎靴のサイズがあっていない場合は、大きすぎても小さすぎてもヒールの真上に重心はのってこない。両足履いた上でまっすぐ立ち、目を閉じる。重心が足裏の前方に行き過ぎていないか、神経を研ぎ澄ましてこの感覚を確かめたい。
✔️ ヒールカーブが足の踵に沿っている。
▶︎▶︎▶︎足のかかとよりも緩くカーブしている=脱げやすくなる。また狭くカーブしている=靴づれやアキレス腱を圧迫する原因となるので避けたほうが良い。
5:土踏まず
✔️ 土踏まず部分のインソールが足のくぼみに軽く触れている。
▶︎▶︎▶︎足の土踏まずの下に空間が空きすぎてスカスカしている場合は注意。体重を支えづらくなってしまうからだ。
国によってもメーカーによっても表記が様々。足囲(ガース)と足長(レングス)
気をつけたいのは、サイズの数字は絶対ではなく、あくまでも参考数字であること。
日本の革靴が足の実寸を基準に数字設定がされているのに対し、海外は靴を作る際の「木型」を基準に設定されているからだ。ブランドごとにサイズが違うのはもちろん、同じ英国メーカーの靴で、同じサイズ数であってもフィット感が全く変わってくるということがある。サイズ数は、試着を始める際の参考として大まかに捉え、必ず前後のサイズを試着、比較をお勧めする。
足囲(ガース)
足囲は親指と小指の付け根あたり、左右の足幅が最も長いボールジョイントと呼ばれるポイントでぐるりと一周した長さのこと。大きさはアルファベットでA・B・C・D・E・EE・EEE〜Gというように表され、アルファベットが大きくなるほどここも大きくなる。なお、日本では「足幅」と捉えて英語で表現した「ウィズ」、若しくはこれが和製英語的に訛った「ワイズ」と表現する方がなじみ深い。
足長(レングス)
足長はかかとを「0」起点とし、最も長い指の先までの縦の長さのこと。
実寸が同じ長さでも各国により表記の仕方が変わる。下記が換算表。
※メーカーによって足長表記も若干違うため、あくまでも大まかな参考として欲しい。
サイズの選び方がわかったら、次は店舗に足を運んでみよう!
ミューゼオスタッフが実際に革靴を選んだ記事もどうぞ!