「これまで裕人礫翔は、月に癒され月に魅せられ20年にわたって月をテーマに作品制作をして参りました。あるとき、それは、私が地球に立っているというのが前提だと気がつきました。 見るとは何か?見る主体が見る視点に立ち、見る対象に眼差しを向けること。そう考えるとこれまでの月の作品から、主体・視点・対象を変えることで月をテーマにしながらも全く別の作品世界を広げることができるのではないか。
アートフェア東京 2022では『月を見る。月から見る』をテーマに、こう考えるきっかけとなった作品『宇宙兄弟』とコラボレーションしたシリーズ作品を発表いたします。作家と作家、作品と作品のコラボレーションであると同時に、表現と表現(漫画と箔)とのコラボレーションです。アートフェアでは、地球から月を見る私から、月に立ち新たな宇宙を見る決意と、そこから広がる世界への期待を表現した作品をさらに多数出品しております。
そして、そこから広がった作品世界のひとつとして、自身初の立体造形と箔に取り組んだ作品『オオカミ』も出展しております」
——裕人礫翔さん