人気スタイリスト・平 健一氏に、IN(屋内)でもOUT(屋外)でも使える素敵なアイテムを紹介してもらう連載。アウトドア好きにはもちろん、インテリアにこだわるあなたにもピピッとくる逸品を順次ピックアップ。今回はツートンカラー&4本脚が美しくクロスする秀逸設計が目をひくアウトドアテーブルをご紹介。
What's this?
自然を家の中に取り入れ、アウトドアへ家のくつろぎを持込むをコンセプトにアウトドアファニチャーを展開しているOUTSIDE IN(アウトサイドイン)。写真のTABI PATAPATA MID TABLE KAME(タビ パタパタ ミッドテーブル カメ)はナチュラル素材で作られたアウトドアテーブル。絶妙にクロスした脚は安定感があり、テーブル幅が広めで使いやすい。天板はその名の通りカメの甲羅のような形をしていて、軽くてパタパタとたためる収納性の良さが特徴。パーツは天板、天板を載せる為の添え木、脚の3つ。脚はつながっているのでバラバラになる煩わしさもない。
脚の構造の美しさと天板の独特なフォルムにひとめぼれ
「新潟のアウトドアショップ『WEST』で見つけてリースをお願いしたのが出会いです。聞いてみると、オーナーが外国の方で新潟の職人さんと製作しているということでさらに興味が沸きました」
TABI PATAPATA MID TABLE KAMEの生みの親、エスポジット・クリストファーさんはアメリカ人。新潟の職人のもの作りに感銘を受けてアウトドアブランドを立ち上げたそう。さらにアウトドアファニチャーだけではなく、別ブランドで釣り用品やサングラスなども手掛けている。
「天板の幅が広く、パタパタとたたむギミック、天板と脚の木の種類が違うところ、そしてなんといっても脚の開閉の美しさ。職人さんが作っている感じがすごくあるのが気に入っています」
職人の細かな技術を堪能できる天板の合わせ部分。凸部分はひとつひとつダボ打ち(釘を使わない木継ぎのこと)されている。角がラウンドしているので抜き差しがスムーズ。
天板の素材は桐なので非常に軽く、一方脚は丈夫なオーク材。4本の脚がクロスしているように見える構造は、独自開発の3DX構造で、脚の真ん中あたりにブロックが組み込まれており、それを支点にして広がる仕組みになっている。複雑そうな見た目とは裏腹に組み立て(開閉)は簡単。また広げた時に脚の角同士が当たらないように切り込みが入っているなど、細かな配慮もされている。
脚をしっかり広げたら添え木を渡し、天板を載せる。天板の板はテープでつながっており、両サイドはテープ&バックル留めでしっかり固定できる。
ナチュラル素材の特徴を活かしてデザインに取り入れる
「最近のキャンプスタイリングで大活躍しています。天板の形ももちろんですが、素材感がいいんですよね」
ブランドでは材料を大切に使うことをことさら大事にしており、強度や使用に影響が無い範囲で、木の節や虫食い、色ムラは意図的に残して製作している。これは長年の苦労の歴史を残し、お世話になった木を大切に使いたいという思いから。また森の管理も行っており、30~50年サイクルで材料を間引きし、継続的に材料を育てている。
色合いはもちろん、手触りも◎。浮造り仕上げなので、木目がしっかり出ているのも特徴。
「あと収納袋の生地にもすごくこだわりがあるところもポイントです。アウトドア用品の収納袋はナイロン製が多いんですが、アウトサイドインの収納袋は帆布で作られています。これがまたテーブルの雰囲気とぴったりで。経年変化で味が出てくるのも楽しみです」
収納袋の素材は日本製の帆布で自社で縫製作業を行っている。生地のカラーは固定せず、その日の思いと気持ちで色合わせをしているため縫製のたびに変わるという点もユニーク。天板の木目と同様、それも製品の個性としてリリースしている。
「イスもとても格好いいので、キャンプ用ファニチャー兼自宅のリビング用に探している人にオススメですよ!」
収納ケースの素材は丈夫で温かみのある帆布生地。中には仕切りが付いているので脚と天板を分けて収納できる。
TABI PATAPATA MID TABLE KAME
本体サイズ:W600×D850×H420mm
収納サイズ:850×280×130mm
重量:5,5kg
材質:桐(天板)、オーク(脚)
価格:¥25,000(税別)※収納ケースは別売¥4,500
問い合わせ:
E&E
OUTSIDE IN
2005年にスタートした新潟発のアウトドアブランド。
木のぬくもりと職人の思いが詰まったプロダクトをラインナップしている。素材となる木材はアメリカで大切に育てられたもので、強度、重さ、加工のしやすさ、安定性、色、味わいと長い目で見て使えるものを厳選。またオーク、ウォルナット、チェリー材など基本的に落葉樹を使用している。効率よく機械作業を取り入れつつ、手作業で始まり手作業で終わりことにこだわっている。
終わりに
最近の平さんスタイリングでよく見かけていたので気になっていたアイテム。組み立てていく過程が工作のようで楽しく、脚の構造は実際に触ってみるとそのクオリティの高さに驚きます。天板の素材感もほかにはない雰囲気で、室内用としても存在感抜群のテーブルです。個人的にはARTIGAキャンバスを使ったチェアも気になります!