機能美が光る、ジョッパーブーツの特徴を解説

文/ミューゼオ・スクエア編集部

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ミューゼオ・スクエア編集部の高橋です。この連載では、革靴のデザインごとに代表モデルやディテールについて解説します。

「お気に入りの革靴を履いている」満足感は、仕事や学業のパフォーマンスをあげてくれるもの。今回は、インド北西部で乗馬ブーツとして作られたジョッパーブーツを深掘りしていきます。

ジョッパーブーツとは?

ジョッパーブーツ(Jodhpur Boots)とは、足首部分に紐ではなくストラップとバックルを採用したショートブーツです。足首に巻き付けたストラップを外くるぶし側に取り付けられたバックルで固定します。

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ジョッパーブーツは19世紀末に乗馬用に作られたブーツだと言われています。ジョッパーブーツについているレザーストラップは、激しい乗馬運動においても切れてしまうことがないよう太めに作られ、足首をガッチリとホールドする役割を担っています。

レザーストラップの太さや素材によって大きく全体の印象が変わります。こうした機能性はもちろん、足首に巻き付けたストラップと固定するためのバックルのインパクトがとてもに印象的なブーツです。

また、ジョッパーブーツについたレザーストラップをバックルできちんと留めることによって、履き口は狭く閉じ、脱げにくく、小石・埃・泥が入らなくなっています。ヒールの部分が高くなっていることも、汚れの侵入を防ぐ理由からです。

都市部であっても道の舗装が十分でなかった20世紀はじめ頃までは、ブーツはファッションアイテムとしてより機能性が重視されたものでした。足首を革が柔らかく包み込みながらきちんと守り、適度な高さがあることで舗装が十分でない道での汚れを防ぐことができたためです。

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さらに、ジョッパーブーツは他のブーツと比べると靴のかたちが細身になっています。靴の印象はつま先の形状、装飾によって大きく変わりますが、ジョッパーブーツは、細身でプレーンなつま先に装飾が施されていないことが一般的です。

ジョッパーブーツは乗馬用のブーツのルーツをもちますが、最近では乗馬用のブーツと言えばサイドゴアブーツを指すのが一般的となっています。ジョッパーブーツがレザーのストラップを金具で足首を固定するデザインを採用している一方で、サイドゴアブーツはゴア素材で足首を固定するデザインを採用している違いがあります。

ジョッパーブーツの歴史

ジョッパーブーツの「ジョッパー」とは、乗馬用のズボンであるジョッパーズ(jodhpurs)に由来します。ジョッパーズは、腰から膝までゆったりと余裕があり、ブーツ(革製の長靴)が履きやすいように、膝下から足首に向かって細くなっていることが特徴です。

伸縮性にとんだ素材がなかった時代、コットンやウールなどの天然素材を使ってパンツを作るしかなかったため、鞍への乗り降りや鞍の上での動きの妨げにならないように太もも辺りはゆったりと余裕を持たせたパンツが作られるようになりました。

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ジョッパーズは、もともとはインド北西部の地名ジョドプル(Jodhpur)に住む民族が履いていた白いコットンのズボンからヒントを得て、そこに駐留していたイギリスの陸軍武官が騎馬部隊用に開発したズボンであると言われています。

なお、ジョドプル(Jodhpur)は、イギリス植民地時代に、地元民が話していた言葉を聞き取って適当にその地名を付けていた名残で、「ジョドパー」「ジョドプァー」「ジョドファー」などと呼ばれることもあります。

ジョッパーズと合わせて履いていたブーツに、ストラップとバックルの特徴的な装飾がついていたことから「ジョッパーブーツ」と呼ばれるようになったとする説が有力です。

足元をしっかりと固定することができるジョッパーブーツは、足元のペダルを踏む操作が必要であった飛行士のペダル操作を邪魔しなかったため、第一次世界大戦時に飛行士にも愛用されていました。その後、ジョッパーブーツが乗馬用からカジュアルなスタイルへと守備範囲を広げたのは1930年代あたりであったと言われています。

まとめ:ジャケパンにあわせたい

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ジョッパーブーツは乗馬用のブーツとして活用されてきた歴史があるブーツです。そのため、乗馬をイメージさせるようなコーディネートでまとめるのがおすすめです。

フォーマルな場面で活用するよりも、比較的カジュアルなジャケパンとジョッパーブーツの相性はとても良好です。たとえば、腰ポケットが斜めに付いている乗馬服が起源の「スラントポケット」が付いたツイード素材のジャケットに、細身のパンツを合わせれば英国調な装いとなります。その他、カウボーイに愛されたデニムにも良くあいます。

ーおわりー

公開日:2019年4月20日

更新日:2019年5月7日

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ミューゼオ・スクエア編集部

モノが大好きなミューゼオ・スクエア編集部。革靴を300足所有する編集長を筆頭に、それぞれがモノへのこだわりを強く持っています。趣味の扉を開ける足がかりとなる初級者向けの記事から、「誰が読むの?」というようなマニアックな記事まで。好奇心をもとに、モノが持つ魅力を余すところなく伝えられるような記事を作成していきます。

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