みんなのコレクションが集まるミュージアム

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映像ソフト 淀川長治総監修『世界クラシック名画100撰集』

 表題のシリーズの中から、現時点で入手できたアイテムを、番号順に展示します。

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    グランド・ホテル

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    戦艦ポチョムキン

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    メトロポリス

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    一日だけの淑女

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    DVD「素晴らしき哉、人生!」

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    フランケンシュタイン

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    魔人ドラキュラ

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    オペラ座の怪人

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    DVD「キング・コング」

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    上海特急

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    DVD「終着駅」

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    DVD「カリガリ博士」

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    肉体と悪魔

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    散り行く花

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    我等の町

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    ロイドの要心無用

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    キートンのセブン・チャンス

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    DVD「アイアン・ホース」

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    三悪人

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    DVD「ならず者」

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    DVD「アンダルシアの犬」

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    カンサス騎兵隊

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    ガリヴァー旅行記

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    ジャズ・シンガー

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    痴人の愛

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    愚なる妻

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    群衆

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    アンナ・クリスティ

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    ヴァリエテ

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    グランド・ホテル

     この作品自体やグレタ・ガルボについては、特にいうことはありませんね。そういう意味で語りたいのが、共演のジョーン・クロフォード。それなりに魅力的な女優なのですが、さすがに本作ではガルボに貫録負けしていました。また、その傾向が壮年期に出演した『何がジェーンに起ったか?』と『大砂塵』でも見られたのは、何の因果でしょうか。前者の作品はクロフォードもさることながら、共演のベティ・デイビスの演技が凄まじかったので、その印象の方が強烈でした。ただ、二人とも女の業、醜さを演じ切っていました。また後者の作品もスターリング・ヘイドン扮するジョニー・ギターを巡る女の戦いをマーセデス・マッケンブリッジと交えたわけですが、やはりマッケンブリッジの方がその異相も含めて印象に残っていますね。
    #DVD #淀川長治 #グランド・ホテル #グレタ・ガルボ #ジョーン・クロフォード 

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    • 登録日:2019/5/8

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    戦艦ポチョムキン

     笑顔の乳児を乗せた乳母車が石段を転がり落ちる有名なシーンをオマージュとして採用したのが、1987年製作のブライアン・デ・パルマ監督の『アンタッチャブル』です。公開当時、私の周囲でも観た者が多く、このシーンの話になった際、「ポチョムキンのアイデアを使っている」旨を私が話すと、ほぼ例外なく「ポチョムキンって何だ?」という反応が返ってきました。増してや、セルゲイ・エイゼンシュタインなんて人名など知る由もなし。その時の私の周囲が押し並べて無知な連中ばかりだった、と言われればそれまでですが、意外とこの作品の知名度が低いのかな、と感じたことを覚えていますね。
    #DVD #淀川長治 #戦艦ポチョムキン #セルゲイ・エイゼンシュテイン 

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      46がいいね!と言っています。

    • 登録日:2019/5/10

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    メトロポリス

     御多分に漏れず、私もこの映画はジョルジオ・モロダー再編集・製作版を最初に、いやそれ以前にミュージック・クリップを観た口ですので、映像は伝統あるクラシックムービーなのに、ポップ・ミュージックの引き立て役にさせられてしまっていた、という印象でした。この辺は、モロダーの音楽プロデューサーとしての非凡さの面目躍如だったのでしょう。まあ、その付加音楽の是非はともかくとして、このモロダーの行動がきっかけとなって、後に本作の新たなフィルムが見つけられるなど、フリッツ・ラング監督が本来観客に伝えたかった形に近づく方向でこの映画が復元されていったのは事実ですので、そういう意味ではそれなりに価値のある仕事だったといえます。
    #DVD #淀川長治 #メトロポリス #フリッツ・ラング #ジョルジオ・モロダー 

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      66がいいね!と言っています。

    • 登録日:2020/6/29

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    一日だけの淑女

     本作を1961年にフランク・キャプラ監督がセルフリメイクしたのが、『ポケット一杯の幸福』であるのは有名な話です。内容は、今日的価値観に照らし合わせると突っ込み処満載であるとも言えますが、観ている間はそんなことを感じるよりもハートウォーミングな出来だ、と両作ともに思わせてしまうキャプラ監督の演出力は、流石としか言いようがないです。
    #DVD #淀川長治 #一日だけの淑女 #フランク・キャプラ 

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      48がいいね!と言っています。

    • 登録日:2021/6/5

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    DVD「素晴らしき哉、人生!」

     今日においては、『或る世の出来事』と並んでフランク・キャプラ監督の代表作と言われることも多く、特にアメリカ本国においては、クリスマスの時期のド定番でもあるわけで、ストーリーなど作品そのものの話をこの場でする必要もないでしょう。ということで、別の切り口の話を。
     スティーブン・スピルバーグ監督は、以前何かのインタビューで、映画の撮影前や製作に行き詰まったときに、もの作りの原点に立ち戻るために必ず観る映画として、『アラビアのロレンス』『七人の侍』『捜索者』、そして本展示アイテム収録作である『素晴らしき哉、人生!』の4作を挙げている旨の記事を読んだことがあります。スピルバーグほどの人ですから、各作品の隅々まで知り尽くしているはずで、それでも観返す、というのは、多分に気分転換の要素が強いのでしょうが、「言われてみればそうなのか」と、妙に納得してしまう側面もあります。というのも、上記4作に止まらず、デヴィッド・リーン、黒澤明、ジョン・フォード、そしてフランク・キャプラ監督の他の作品も含めて、その演出のオマージュではないかと見て取れる映像での表現が、スピルバーグ自身の監督作品のみならず、製作総指揮などで関わった作品にも散見されたからで、そのような表現があるのではないかと探しながら観るのがスピルバーグ絡みの作品の楽しみ方の一つでもあります。
     ただ、基本的にはスピルバーグ絡みの作品の中であっても、この演出は気に入らないという部分はあるわけで、それらがどうもフランク・キャプラ監督の影響を受けた部分ではないかと想像されることがあります。もちろん、一方的な思い込みで、要するに私自身がフランク・キャプラ監督の演出タッチと相性が良くないということに過ぎない、ということなのでしょう。
     もっとも、フランク・キャプラは生涯に40作近くの映画を監督しており、その中で私が観たのは、せいぜい本フロア展示アイテム収録の4作と『オペラハット』『失はれた地平線』『我が家の楽園』『スミス都へ行く』『ポケット一杯の幸福』と10作にも満たないわけですから、その程度の知見でフランク・キャプラ監督の演出タッチを気に入らないと断じてしまうのも総計なのかもしれません。
    https://www.youtube.com/watch?v=y_LselYMgS4
    #DVD #淀川長治 #素晴らしき哉、人生! #フランク・キャプラ #ディミトリ・ティオムキン #ジェームズ・スチュアート #ドナ・リード #ライオネル・バリモア #ヘンリー・トラヴァース #トーマス・ミッチェル #ワード・ボンド #グロリア・グレアム #シェルドン・レナード #チャールズ・レイン 

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      38がいいね!と言っています。

    • 登録日:2020/12/12

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    フランケンシュタイン

     「フランケンシュタイン」なんて言葉、最初に覚えたのはいつだろう。多分、白黒アニメ「怪物くん」で、ですかね。ドラキュラ、オオカミ男、フランケンというお供衆が設定されていましたので、その構成員の一人として、ということになります。藤子不二雄Ⓐによるこれらのキャラクターは愛するべき存在でしたが、各オリジナル・キャラクターはそうとはいかないようです。
     本作は1931年製作ですが、この版に関して忘れてはならないのが『ミツバチのささやき』での使われ方です。『ミツバチ…』を観るまでに『フランケンシュタイン』を観る機会はなかった、つまり本DVDを入手して初めて観たのですが、たとえ『ミツバチ…』を観る前に観ていたとしても、もう一回観返したでしょう。
    #DVD #淀川長治 #フランケンシュタイン #怪物くん #藤子不二雄Ⓐ #ミツバチのささやき 

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      45がいいね!と言っています。

    • 登録日:2019/5/13

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    魔人ドラキュラ

     邦題には「魔人」とありますが、やはり「ドラキュラ」に付く修飾語は「吸血鬼」というのが、想起しやすいのでしょうね。私がこの「吸血鬼」という語に最初に触れたのは、「シャーロック・ホームズの事件簿」の中の一篇The Adventure of the Sussex Vampire(邦題『サセックスの吸血鬼』)の小学生向け翻訳本で、でした。この中でホームズが受け取った仕事の依頼の手紙の中に「母親が我が子の血を吸った」という旨の記述があり、それに応じてホームズが自ら作成した過去の事件ファイルで類似案件を調べるという件があったのですが、その項目がVampire:ヴァンパイア:吸血鬼だったわけです。このとき、vampireの訳語が「吸血鬼」であると知ったわけですが、そのときはすでに手塚治虫の漫画をテレビドラマ化した「バンパイヤ」を何話か観た数年後で、そこに出てきたバンパイヤは何かのきっかけで動物に変身することはあっても、人の血を吸うなんてことはなかったので、子供心に混乱したことを覚えています。
     他方、「ドラキュラ」という語はこのフロアの『フランケンシュタイン』の紹介欄にも記したとおり、藤子不二雄Ⓐ原作のアニメ「怪物くん」に登場するキャラクターで最初に触れました。ただ、この中に登場するドラキュラがトマトジュースしか飲まない、という設定が、オリジナルでの「血を吸う」ことに由来しているのを知ったのは、上記のホームズの短編を読んだ頃くらいですかね。
     以上、映画本編とは全く関係のない話でした。
    #DVD #淀川長治 #魔人ドラキュラ #吸血鬼 #ヴァンパイア 

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    • 登録日:2019/5/24

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    オペラ座の怪人

     原題がThe Phantom of the Opera、直訳すると「オペラの怪人」で、実際に本作が最初に公開されたときの邦題は『オペラの怪人』だったそうですから、わずか一文字を付加しただけだ、としても、本DVDに関しては、その後の『オペラ座の怪人』というタイトルの知名度に乗っかった改題であることは否めないようです。その『オペラ座の怪人』ですが、アンドリュー・ロイド・ウェバーによる舞台ミュージカルがあまりにも有名で、もともとからミュージカルだったと思い込んでいる人も少なくないようで、そのような人に本ディスクを提示して、もともとはホラー映画だった(それも正確ではありませんが)と伝えると、一様に意外な顔をされたものでした。
     もともとはガストン・ルルーというフランス人作家による小説だそうで、幾度となく映画化されたのですが、ミュージカルなのは2004年公開版だけで、日本では劇団四季の舞台の著名性が「オペラ座の怪人=ミュージカル」のイメージを定着させたのでしょう。個人的には、ダリオ・アルジェント監督による『オペラ座の怪人』が記憶に残っています、と言っても、本編を観たわけではなく、もっぱらエンニオ・モリコーネによる音楽の方ですが。これに関しては、いずれ紹介できれば、と思っています。
    #DVD #淀川長治 #オペラ座の怪人 

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    • 登録日:2019/5/22

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    DVD「キング・コング」

     「ウッホ、ウホウホ、ウッホッホ~」こんな出だしの主題歌のアニメ、それがキングコングとの最初の出会いだったような。日米共同制作で1960年代後半に放映された、このアニメーション番組でのキングコングは少年ボビーと友情で結ばれた存在でしたので、子供心としても特に恐怖の対象という感じではありませんでした。その後は、東宝特撮映画の『キングコング対ゴジラ』『キングコングの逆襲』を経て、1976年末に大々的に公開されたジョン・ギラーミン監督の、というよりもディノ・デ・ラウレンティス製作の『キングコング』がありましたが、個人的にはこの作品に登場した実写ものが最も印象的でしたかね。似て非なるものとして、『月光仮面』に「マンモスコング」なるキャラクターがありましたが、ここでは触れません。あと蛇足ですが、ディノ・デ・ラウレンティス製作版には『キングコング2』なる続編も製作され、本邦公開もされましたが、作品的にも興行的にも大失敗でした。
     と、このような経験をしたあとで本展示アイテム収録作を何かの上映会で観ました。もちろん、その頃には本作についての事前知識もありましたから、様々な意味で冷静に観られたのですが、それこそ様々に興味深い内容だった、というのが率直な感想でした。ただ、その興味も世評で語り尽くされている文明批判や1930年代の特撮技術の秀逸さなどについて、というよりも、その後の怪獣が登場する映画やテレビ番組などとの比較、という側面のものが殆どでしたかね。
     あと触れておきたいのがマックス・スタイナーの音楽についてですが、作品を観た直後の感想は、正直言って少し拍子抜けでした。一応、鑑賞前に「本作の音楽が彼の出世作であった」という評価をした記述を目にしていたので、かなりの名演を期待したのですがね。もっとも、後の『風と共に去りぬ』『カサブランカ』などの作曲家である、という先入観があったわけで、1933年当時のハリウッドの映画音楽の状況を考えると、やはりそれなりのレベルのスコアだったのかな、という認識も後になって持てるようにはなりました。
    https://www.youtube.com/watch?v=PbrikL8IjXM
    #DVD #淀川長治 #キング・コング #メリアン・C・クーパー #ウィリス・H・オブライエン #マックス・スタイナー #フェイ・レイ #ロバート・アームストロング 

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      36がいいね!と言っています。

    • 登録日:2020/10/7

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    上海特急

     もちろん、マレーネ・ディートリッヒという大女優がいる、というのは映画を本格的に観始めた10代半ばの頃から知っていましたが、実際にスクリーンで観たのは80年代半ばから後半にかけて繰り広げられた「ヘラルド・クラシックス」で上映されたビリー・ワイルダー監督の『情婦』でした。この映画に関してはいずれ機会があれば触れるとして、撮影当時ディートリッヒはすでに50代半ばで、それまでに伝え聞いたような魅力をそれほど感じませんでした。その後、『嘆きの天使』『モロッコ』を観て、伝え聞いていた彼女の醸し出す色香が誇大な表現ではなかったことを思い知らされるのですが、本作も同様にディートリッヒの妖艶さは際立っていました。監督のジョゼフ・フォン・スタンバーグとディートリッヒのコンビによる映画は全部で7作あるのですが、本作はその中間に位置するもので、それぞれ映画監督、女優として絶頂の頃の作品だったのでしょう。
    #DVD #淀川長治 #上海特急 #マレーネ・ディートリッヒ #ジョゼフ・フォン・スタンバーグ 

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      33がいいね!と言っています。

    • 登録日:2019/5/22

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    DVD「終着駅」

     「『終着駅』(原題:Stazione Termini、英題:Terminal Station)は、1953年に製作されたイタリアとアメリカの合作映画で、ハリウッドの映画プロデューサー、デヴィッド・O・セルズニックが映画『逢びき』に匹敵するメロドラマを作ろうと、イタリア「ネオレアリズモ」の巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督を招いて作りあげた恋愛映画の名作。日本でも大ヒットした。日本で初公開される前は、題名と同じ意味を表す言葉は「終点」くらいしかなかったが、この映画の邦題から「終着駅」という新しい言葉が生まれた。そして、今ではこの映画の題名のみならず、日常でも使われている。このような、外国映画の邦題から日常語になった同じ例として、戦前のフランス映画『巴里祭』がある。イタリア語での原題は物語の舞台となったローマ・テルミニ駅(イタリアのターミナル駅の一つ)。ジェニファー・ジョーンズの衣裳デザインはクリスチャン・ディオールが担当した。」(以上Wikipediaより)。作品については、上記の解説内容に私の触れたかったことが概ね含まれていましたので、引用させて戴きました。あとはまだ子役のリチャード・ベイマーが「ディック・デイマー( Dick Deymer)」というクレジットで出演していたことくらいが追加事項かな。
     さて、前段で映画『終着駅』の英題が「Terminal Station」と紹介しましたが、本展示アイテムのジャケットに記載されている英題は「Indiscretion of An American Wife」、直訳すれば「アメリカ人妻の不義理」、少し意訳すれば「アメリカ人妻の不倫」ということになりますかね。なぜ、こんなことになっているのか、詳しい経緯はわからないのですが、以下のように推測します。本展示アイテムに収録されている本編の尺は64分、それに対し本作の本来の上映時間は89分、つまり何らかの理由で短縮版が編集・製作され、その版のタイトルが「Terminal Station」から「Indiscretion of An American Wife」に改題されたようです。本展示アイテム収録映像も「Terminal Station」ではなく、「Indiscretion of An American Wife」のタイトルが冒頭に出現しますしね。それにしても、何と直接的で無粋な改題なのでしょう。
     そこで問題なのが、本展示アイテムが本来の89分版ではなく短縮版の方を収録して出版してしまったことで、カスタマーの立場からすれば、このような不完全なものに高額な負担をさせられるのはベラボー極まりない、ということになります。幸いにも、本展示アイテムを私は廉価で入手できたので「高額な負担」はせずに済んだのですが、それでも多少の憤りはありました。ただ、現在は本展示アイテムとは違う本編89分の『終着駅』収録のDVDが廉価で入手可能ですし、そういう意味ではこのようなイレギュラーな形の版を手元に持っておくのも、負の産物の歴史を留める意味でも悪くはないのかな、と自分に言い聞かせる理由にもなりえるのかも…。
    https://www.youtube.com/watch?v=NXKuMaoWk04
    #DVD #淀川長治 #終着駅 #デヴィッド・O・セルズニック #ヴィットリオ・デ・シーカ #アレッサンドロ・チコニーニ #ジェニファー・ジョーンズ #モンゴメリー・クリフト #リチャード・ベイマー 

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      36がいいね!と言っています。

    • 登録日:2020/10/10

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    DVD「カリガリ博士」

     最初に観たのは高校生の時、某大学の文化祭での無料上映会で、個人的には『チャップリン小劇場』などをテレビで観たのを除けば、初のサイレント映画体験だったのですが、そんな感慨がどうでもよくなってしまうほどのインパクトが内容的にはありました。御覧になったことのある方なら納得できるはず。ということで、相当語り尽くされている作品なので、内容そのものについては特に触れなくてもいいでしょう。
     さて、「世界最古級のホラー映画」あるいは「ホラー映画の原点」というのが、本展示アイテム収録作に付せられている修飾語句の代表例なのでしょう。ただ、私自身はホラー映画がそれほど好みではなかったこともあり(今でもそうですが)、そのような意義を唱えられても「へぇー、そうかね。」としか思えなかったですね。というのも、上段で述べたようにこの作品自体は高校生の頃に初見だったのですが、その頃は「ホラー映画イコールスプラッター映画」という感じの作品が多く、そんな認識もあってか、本作は、ホラーというよりもサスペンス若しくはスリラー映画という捉え方をしてしまったわけで、その辺りに違和感があったのだと思います。いわゆる「どんでん返し」のストーリー・テリングでしたので。そんな無知で鈍感な高校生でしたから、画面の背景の歪んだセットが主人公の心情の具象化であり、それが映画における、いわゆる「ドイツ表現主義」であった、というのを知ったのはかなり後年のことで、そんな知識を具備した後に本展示アイテムを入手し、収録作を再見してみて、改めて本作の映画史に占める位置を噛みしめたものでした。
    https://www.youtube.com/watch?v=97EcJeozhWo
    #DVD #淀川長治 #カリガリ博士 #ドイツ表現主義 #ロベルト・ヴィーネ #ヴェルナー・クラウス #コンラート・ファイト 

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      49がいいね!と言っています。

    • 登録日:2020/11/16

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    肉体と悪魔

     このフロアにも展示した『グランド・ホテル』が1932年の作品でガルボは27歳、本作は遡ること5年前に公開されたのでガルボは22歳、なのにこんなにも妖艶な人妻を演じ切ることができる。「今どきの22歳の女性(というか女子)なんてほんの小娘だぜ!」と言いたくなるようなこの色香。ディートリッヒにしろ、ガルボにしろ、こんな女優、というか女性を輩出したこの時代とはいったい何だったのだ、と問い掛けたくなったものでした。
    #DVD #淀川長治 #肉体と悪魔 #グレタ・ガルボ 

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      33がいいね!と言っています。

    • 登録日:2019/5/23

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    散り行く花

     よくよく冷静にあらすじをたどれば、身も蓋もないというか、何の救いもない悲劇ですが、それを映像表現という手段による見事なストーリーテリングで秀作を作り上げたD・W・グリフィス監督の手腕には何も言うことはありません。リリアン・ギッシュも撮影当時は20代半ばくらいでしょうが、15歳の少女といわれても違和感のない演技でした。
    #DVD #淀川長治 #散り行く花 # D・W・グリフィス # リリアン・ギッシュ

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      28がいいね!と言っています。

    • 登録日:2019/5/26

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    我等の町

     ウィリアム・ホールデンを最初に見た映画は、私の場合は『タワーリング・インフェルノ』でした。その後、『ネットワーク』『オーメン2/ダミアン』『悲愁』『戦場にかける橋』『慕情』『ピクニック』『麗しのサブリナ』『第十七捕虜収容所』『サンセット大通り』という順、つまり、ほぼ老年→壮年→青年と遡ってみたせいか、この映画での彼は、えらく若く見えました。
     さて、本作の邦題には「我等」という語が含まれていますが、この語を含んだ邦題の映画として有名な作品にルネ・クレール監督の1932年公開のフランス映画『自由を我等に』と、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の1937年公開のフランス映画『我等の仲間』があります。もちろん、普通の人ならばこの2作を混同するなんてありえないのでしょうが、10代の映画を観始めて様々な過去作の知識を吸収している時期から20代半ばまでは、同じフランスの戦前映画ということもあり、何かと混同してしまったことは幾度となくありました。ですので、その時期にもしこの作品の邦題に出会っていたら、もっと混同に拍車がかかっていたことは想像に難くなく、本作を知ったのが後年でよかったとしみじみ思ったものでした。
    #DVD #淀川長治 #我等の町 #ウィリアム・ホールデン 

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      26がいいね!と言っています。

    • 登録日:2019/5/26

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    ロイドの要心無用

     ハロルド・ロイドを最初に見たのは、1970年代後半にNHK総合で放映されていた『ロイド小劇場』でした。同じ括りで『チャップリン小劇場』『キートン小劇場』などもあり、いずれもフランキー堺氏がナレーションを担当していましたが、氏の語り口は本当に絶妙で、後に私が映画好きになる遠因ともなりました。その『ロイド小劇場』は「小」と付いているとおり、長くても20分くらいの短編に編集されていたのですが、その中に本作も含まれていたのは覚えています。番組では確か本作のクライマックスといってもいい大時計の長針にぶら下がるシーンで終わってしまったので、その後のストーリー展開がどうなったのかが気がかりではありましたが、本アイテムに収録の画像にてやっと確認できました。
    #DVD #淀川長治 #ロイドの要心無用 #ハロルド・ロイド 

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      32がいいね!と言っています。

    • 登録日:2019/5/26

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    キートンのセブン・チャンス

     いわゆる3大コメディアン、チャップリン、ロイド、キートンの中でさすがにチャップリンの作品はスクリーンで観ましたが、他の2者の作品をスクリーンで観る機会には恵まれませんでした。もっとも、本フロアでもアイテムを展示した『ロイドの要心無用』は1976年にリバイバル公開されていますので、もしかしたら名画座等で観る機会があったのを逃していたのかもしれません。それに対して、バスター・キートンの作品をスクリーンで観る機会はかすりもしなかったようです。ただ、キートン自身は『サンセット大通り』『八十日間世界一周』そしてチャップリンと共演した『ライムライト』で、見ることができました。
     いずれにしても、劇場で上映するからには興行側にそれなりの成算があってなされるわけであり、製作からかなりの時を経ても観客を集める力を持った作品を生むことができたか否かでも、この3大コメディアン内における各人の間の格差を推し量ることはできそうです。
    #DVD #淀川長治 #キートンのセブン・チャンス #バスター・キートン 

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      34がいいね!と言っています。

    • 登録日:2019/5/26

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    DVD「アイアン・ホース」

     有り体に言えば、ジョン・フォード監督の出世作であり、そういう意味では映画史においてもそれなりに重要な地位を占める作品です。内容的には、アメリカ大陸を横断して東から伸びるユニオン・パシフィック鉄道と西から伸びるセントラル・パシフィック鉄道をひとつのレールで結ぶ横断鉄道建設を巡り、男女の恋、土地売買の陰謀、父の仇討ちなど、さまざまな物語が交錯する、という壮大なスペクタクル、というところですかね。
     もちろん映画ですから、主人公やヒロインが設定され、それらを取り巻く人間模様も描かれていますが、飽くまで主題は、南北戦争後のアメリカ開拓期の一部を切り取り、横断鉄道建設を通じて近代国家へ脱皮する礎を築くのにどのようなドラマがあったのか、ということ。製作されたのが1920年代前半ですから、まだまだ19世紀末の開拓期の原風景が残っており、それを背景にしての撮影、しかもSFXもCGもないわけですから、実物大のセットを製作して撮影した映像の内容はリアリティに溢れ、迫力がありました。
     そして、最も感心させられたのが、撮影時のジョン・フォードの年齢が若干29歳であった、ということで、B級西部劇の撮影のキャリアをそれなりに積み重ねてはいたものの、これほどの大作を任されるには、100年近く経過した現代でも思わざるを得ないわけで、起用したフォックス社の英断はバクチと紙一重のものだったのではないでしょうか。ですが、ジョン・フォードがその英断に応えたのは彼自身の非凡さのなせる業であり、その後の映画人としての成功を予見させる作品の完成度でした。
     ということで、ここからは不満な点ですが、作品の内容についてではなく、本展示アイテム自体のこと。本フロアで掲げる「淀川長治監修『世界クラシック名画』100撰集」シリーズ、というよりも、企画・制作のIVC社自体の問題ですが、不完全な版を臆面もなく世に出しているわけで、本展示アイテムの収録時間は118分、これとは別の会社から発売されている『アイアン・ホース』のDVDは132分で当てつけのように「132分ヴァージョン」をタイトルに付しており、amazonの販売ページには「完全版」の語まで付いています。ただ、これはアメリカ国外向けの版であり、アメリカ国内向けは約150分の版が公開されました。だから、amazonの販売ページの「完全版」の語は正確ではない、とも言えるでしょう。いずれにしても、本作はすでにパブリック・ドメインになっているはずですから、150分版を日本向けに出版する努力はできなかったのか、と思ってしまいます。
    https://www.youtube.com/watch?v=wTmWsrHp2nA
    #DVD #淀川長治 #アイアン・ホース #ジョン・フォード #ジョージ・オブライエン #マッジ・ベラミー #チャールズ・エドワード・ブル #シリル・チャドウィック 


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      42がいいね!と言っています。

    • 登録日:2020/12/27

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    三悪人

     タイトルにある「三」という数字は、新約聖書に登場しイエスの誕生時にやってきてこれを拝んだとされる「東方の三博士」を暗示している、というのが、本アイテムに収録されている淀川長治氏の解説にありました。本作と同じくジョン・フォード監督の『三人の名付親』も、同様とのことです。そういう意味ではキリスト教の要素が濃いコンセプトなのでしょうが、そこまで意味を深く取らず、単に「三」人の物語というのは、よく見られるようです。映画的には男女の三角関係を題材にしたものが散見されますが、3人のヒーローものといえば「三銃士」なんてその典型ですね。もっとも、アラミス、アトス、ポルトス以外にダルタニアンもいますから、少し違うかな。日本では『三匹の侍』という時代劇テレビドラマが有名ですかね。他にもあると思いますが、きりがないのでここまでにしましょう。
    #DVD #淀川長治 #三悪人 #ジョン・フォード 

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    • 登録日:2019/5/29

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    DVD「ならず者」

     本フロアに展示のアイテムは「淀川長治監修『世界クラシック名画』100撰集」シリーズを基本とした一連のDVDであり、そのように設定してしまった以上、そこに属するアイテムを入手していれば展示が余儀なくさせられるように自分自身に縛りをかけてしまったわけですが、では、本展示アイテム収録作がこのシリーズのお題目にある、いわゆる「名画」なのか、と問われると、私なら即座に否定しますね。個人的には、何でこの作品をこのシリーズにブッコんだのか、疑問なのですが…。
     と、いきなり悪口めいたことを捲し立てましたが、では本作が嫌いなのか、というと、そうではありません。確かに、西部開拓史上で著名な面々、ドク・ホリデイ、パット・ギャレット、そしてビリー・ザ・キッドの人間模様を縫う様に、一人の魅惑的な女性が揺れ動くという、少し大袈裟に言えば荒唐無稽な筋立ての作品であり、さらには監督がハワード・ホークスから演出に関しては素人同然のハワード・ヒューズに交替したという様々なマイナスの要素はありますが、そんなものは主役のジェーン・ラッセルの魅力の前にはどうだっていいことだろう! さすがにこれは言い過ぎですが、要するに上記の歴史上の人物をそれぞれ演じたウォルター・ヒューストン、トーマス・ミッチェル、そしてジャック・ビューテル諸氏の扱いは、本作でデビューした新進女優ジェーン・ラッセルの刺身のつま程度であった、ということですかね。
     ジェーン・ラッセルを最初に観たのは御多分に漏れず『紳士は金髪がお好き』で、正直言ってマリリン・モンローよりもよほど魅力的に私には見えたのですが、その原点が本作であったというのを確認できたのが、本展示アイテムを入手した最大の収穫で、作品自体の出来を超越している、と思い込んでいます。
     あと、音楽はヴィクター・ヤングが担当したのですが、本作に関してはどうも彼本来の切れ味がない凡庸な劇伴でした。おそらく、画面上の冗長な演出に合わせて作曲したから、そんな残念な結果になってしまったのだろう、と想像してしまえるのですが、どうなのでしょうか。
    https://www.youtube.com/watch?v=Gnjv3ONSa9o
    #DVD #淀川長治 #ならず者 #ハワード・ヒューズ #ハワード・ホークス #ヴィクター・ヤング #ジェーン・ラッセル #ウォルター・ヒューストン #トーマス・ミッチェル #ジャック・ビューテル 

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    • 登録日:2020/12/12

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    DVD「アンダルシアの犬」

     1928年製作。ルイス・ブニュエルとサルバドール・ダリによるシュルレアリスムの傑作と評される、実験的ショート・フィルム、アナキズムに心酔していたブニュエルによる、「映画の機能を否定した映画」、という映画史において重要な位置づけがなされている作品で、かなり語り尽くされてもいますので、次段以降は思い出話などさせて戴きます。
     高校生の頃、劇場で映画を観る資金が潤沢ではなかったこともあり、学園祭シーズンにはあちこちの大学の上映会に出向いたものでした。もちろん、劇場公開作の無料上映を観るのが目的だったのですが、その余波というか、副産物というか、その大学の映画研究会か何かの製作の、いわゆる自主映画も観る羽目となり、その殆どが退屈で、当時は結構苦痛で迷惑に思ったものでした。そして、その中には映像の脈絡のない羅列としか思えない作品もあり、「これは私のようなおバカな高校生の理解を超えるものなのか」と帰路の電車の中で考え込んだりもしましたが、ひょんなことからちょっと事情が分かったような気になったことがありました。
     それは、おすぎとピーコのラジオ番組に大林宣彦監督がゲスト出演した時のこと、主目的は映画『転校生』の宣伝だったわけですが、それ以外にもトークは展開し、話題は当時の自主映画に及びました。大林監督は日本の自主映画に関しては草創期から活動された方であり、このラジオ放送の頃もおそらくこの類の作品に触れる機会があったようで、御自身が撮影していた頃との作風の違いについて語っておられたのですが、その中に「料理でいうと素材だけあって調理がされていない」という意味の発言があり、このときはまさに「我が意を得たり」と思ったものでした。さらに数年後、ルイス・ブニュエル監督の作品をまとめて観る機会があり、その際に本展示アイテム収録作を初見できたのですが、この25分程度のとても理解しにくい内容の作品が、私が観させられた愚にもつかない自主映画の原点にも思えました。ただ、この私の思い込みは多分浅はかなのでしょう。もしかしたら、大林監督もそれらの自主映画を観て『アンダルシアの犬』を連想したかもしれませんが、所詮は「意欲は買うが、格が違い過ぎる」くらいに感じたのかもしれない、そんな妄想をしてしまいました。
     ということで、ネット検索すれば全編を収録した動画は簡単に見つかりますし、特に日本語字幕を必要とする内容でもありませんので、未見の方は御覧になってみるのも一興と思います。
    https://www.youtube.com/watch?v=vJKNp7v5FOg
    #DVD #淀川長治 #アンダルシアの犬 #ルイス・ブニュエル #サルバドール・ダリ #シュルレアリスム #ピエール・バチェフ #シモーヌ・マルイユ #ハイメ・ミラビエス 

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    • 登録日:2020/12/18

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    カンサス騎兵隊

     歴史上の人物を題材にして映画化するのはよくあることで、それが史実に忠実であるかどうかはよく問われるところです。まあ、実際の出来事が劇的であるなんてことが頻繁に起こることなどありえないわけで、それらの事象をドラマチックに見せる時点で史実ではなく、またそもそも細かな事実を正確に再現するなど不可能なことですから、史実に忠実か否かの議論は、不毛といってもいいかもしれません。ですが、小説にしろ、映画にしろ、漫画にしろ、その内容を理解することで歴史の流れや細かい知識などを吸収できるのは、決して無意味ではありません。教科書や年表などで理解するよりよほど容易かつ楽しいわけですから。そのような効用を映画等に求めるならば、やはり踏み越えてはならない一線というものはあるわけで、例えば、J・E・B・スチュアートとジョージ・アームストロング・カスターという、のちにゲティスバーグの戦いで相対する両者がウェストポイント陸軍士官学校で学んだことは事実であるもの、それが共に1854年のことであり、しかも堅い友人であったという設定には、無理があるようです。この映画は多くの歴史的不正確性のために悪評を被ったそうですが、要するに一線を踏み越えてしまったのでしょうね。
    #DVD #淀川長治 #カンサス騎兵隊 #マイケル・カーティス #エロール・フリン #オリヴィア・デ・ハヴィラント #ロナルド・レーガン #レイモンド・マッセイ #ヴァン・ヘフリン 

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    • 登録日:2019/5/29

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    ガリヴァー旅行記

     日常にいきなり巨大な生物が登場する。こんなシチュエーションで映画作品を作るとしたらどんなものが出来上がるのか。アメリカ映画で思いつくのがキングコング、そして本作のようなガリヴァーですかね。それに対し、日本映画だとゴジラということになるのでしょう。ただ、キングコングはよそから連れてきたわけですから少し違う。最終的にガリヴァーはリリパットに受け入れられるのに対し、ゴジラは人間に殺されるわけです。もっとも、逆に日本にガリヴァーが現れて、アメリカにゴジラだったとしても同じ結果かもしれません。結末はともかくとして、「巨大な生物」というお題があった時にどのようなものを想像するか、そこに日米の差があったような気がしてなりません。
    #DVD #淀川長治 #ガリヴァー旅行記 #デイヴ・フライシャー #ジョナサン・フライシャー #フライシャー兄弟 

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    • 登録日:2019/5/29

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    ジャズ・シンガー

     世界初のトーキー、黒塗りのエンターテイナー、アル・ジョルスンが自らの声でスクリーンから語りかけた!「待ってくれ、お楽しみはこれからだ!」 あまりにも有名な本作ですから、これ以上はいいでしょう。ちなみに、アル・ジョルスンの姿を初めて見たのは映画『アメリカ交響楽』で「スワニー」を提供されて歌うシーン、そもそもアル・ジョルスンの存在自体を知ったのは映画『ジョルスン物語』を観たときでした。
     さて、この映画にはリメイク作品といわれるものが2作あります。ダニー・トーマス主演の1952年製作、ニール・ダイアモンド主演の1980年製作のいずれも同タイトルの映画で、さすがに前者は観ていません。他方、後者の作品ですが、サントラ盤も所有していますし、なんとDVDも手元にあるので、いずれは紹介する予定ですが、映画自体は本当にひどい作品で、では何でそんな作品のDVDを持っているのか、と問われれば、この映画で披露されているニール・ダイアモンドの楽曲が気に入っているから、というだけのことです。詳細は、当該作品のCD、DVDを紹介するときに述べます。
    #DVD #淀川長治 #ジャズ・シンガー #アル・ジョルスン 

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    • 登録日:2019/5/29

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    痴人の愛

     ベティ・デイヴィスやレスリー・ハワードのことはいずれ触れる機会もあるでしょうから今回はパスさせて頂くとして、邦題の話を少し。「痴人の愛」というと言うまでもなく谷崎潤一郎の小説であり、さらにはそれを原作とした同名の邦画も何本か製作されています。ですが、本作は谷崎の小説とは無関係で、原作はサマセット・モームの「人間の絆」、本作以外にも1946年と1964年の2回映画化されており、その際の邦題はいずれも『人間の絆』だということ、と、以上は単なる蘊蓄話で、ここまでで止まってくれるならば、あるいは『痴人の愛』という邦題が紛らわしい、というだけのことなのですが、実際の日本のDVD市場ではややこしいことが起きています。すなわち、日本初公開時が『痴人の愛』であった本作が、DVDタイトル名「人間の絆」で出版・発売されているのです。『人間の絆』のタイトルで出版されている映画のDVDの内容が、上記の1946年または1964年製作の2作品のいずれかであるならば別に文句はないのですが、前文で述べたようなことがなされているのは、いらぬ混乱が生じることになり、流石に不適切ではないのでしょうか。
    #DVD #淀川長治 #痴人の愛 #人間の絆 #ベティ・デイヴィス #レスリー・ハワード 

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    • 登録日:2019/6/26

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    愚なる妻

     今でこそ、エリッヒ・フォン・シュトロハイムがサイレント映画時代のいい意味でも悪い意味でも「巨人」であった、というのは認識していますが、映画を観始めの頃は、スクリーン越しに『サンセット大通り』、次いで『大いなる幻影』でその姿を俳優として見ただけでしたので、本作や『グリード』で長尺の完成品を、劇場公開レベルまでカットすることを余儀なくされたなどのエピソードがあった監督であった、と聞かされてもピンときませんでした。そのせいか、今日に至るまでこの監督の作品は本作と『グリード』しか観ていないことも相まってこの監督のスゴさが実感できず、そのことはおのれの鑑賞眼のレベルの低さの証なのでしょうが、そうなると自分のレベルでもそのスゴさを理解するべく、本作の、もともとそうだったと言われる8時間の長尺版を観てみたい気になってきます。もちろん、不可能だとはわかっているのですが…。
    #DVD #淀川長治 #愚なる妻 #エリッヒ・フォン・シュトロハイム 

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    • 登録日:2019/6/26

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    群衆

     このフロアには少なくとも3作、可能ならば4作のフランク・キャプラ監督作品のDVDを展示する予定ですが、他の展示アイテムでは別に語りたいこともあるので、ここではこの監督について触れます。もちろん名匠であると思いますし、演出力も際立っているとは思いますが、どうも個人的にはこの監督の作風には馴染めません。「古き良きアメリカの体現」「いかにも映画らしいストーリー仕立て」「ハートウォーミング」など、その美点を挙げろ、と言われれば、前述のような文句を継げますが、どうも観終わった後に爽快感が残らない。別の言葉にすると、この種の作品は心に残る何らかのものがあるはずなのに、それが見つからない。とても抽象的で何を言っているかも理解されないでしょうが、要するに自分の好みとは合わない、ということに尽きるのでしょう。
     あえて理屈を捏ねれば、「アメリカン・スピリットの巨匠」というのがフランク・キャプラ監督の、本ディスクにおける修飾語なのですが、私の思うところのアメリカン・スピリッツ、「フェアネスの精神」というものが、この監督の作品からは共通して感じられない、そこに違和感を持たざるを得ない、そんなところですかね。飽くまで個人的な独断と偏見です。
    #DVD #淀川長治 #群衆 #フランク・キャプラ #ゲーリー・クーパー #バーバラ・スタンウィック 

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    • 登録日:2019/6/26

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     ジョーン・クロフォードが、その女優としてのキャリアは映画史に残るものであるということには異論はないものの、共演した他の女優の前ではその存在感に貫録負けすることがあった、という旨は、同フロアの『グランド・ホテル』の紹介文で述べました。ちなみにガルボの方がクロフォードより一つ年下なのですけれどもね。ということは、強力な共演女優の存在さえなければ、彼女の魅力が損なわれる可能性が低くなる、というのはそのとおりだと思われ、その証左の一つが『グランド・ホテル』と同年(1932年)製作の本作であり、もう一つ挙げればアカデミー賞主演女優賞を受賞した『ミルドレッド・ピアース』ということになります。
     サマセット・モームの原作は1921年に執筆されましたが、その内容は皮肉に満ちたものであり、戯曲や映画(本作)の演出にも反映された、ということになっています。戯曲に関しては知る由もありませんが、少なくとも映画の方は、人間の持つ心の脆弱さ、哀れさ、そしてしたたかさも描かれており、その背景には多雨の南国の島という場面設定と、どうしようもない宗教観の押し付け的思想の二つが配されています。これらのことを踏まえて映像化したルイス・マイルストンの演出はまさに圧巻としか言いようがなく、画像のクロフォードを観てもわかるとおり、その目力は強烈で、それだけでもこの作品は観る価値があります。
    #DVD #淀川長治 #雨 #ルイス・マイルストン #ジョーン・クロフォード #ウォルター・ヒューストン 

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    • 登録日:2019/6/30

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    アンナ・クリスティ

     この作品自体は、「グレタ・ガルボ、初のトーキー作品」「Garbo talks!(ガルボが話す)」「ガルボが初めて口にした非常に有名な台詞が『ウイスキーをちょうだい、ジンジャエールを添えてね』『ケチらないでね』 (Gimme a whiskey, ginger ale on the side, and don't be stingy, baby)」などのことがよく知られていますが、それはいいでしょう。娼婦としての過去を背負う女性がどのような行く末をたどるのか、というのがこの作品のテーマの一つですが、結末はヴィヴィアン・リー主演の『哀愁』とは異なるわけで、映画によって決着の付け方は様々です。
     と、こじ付けのようにヴィヴィアン・リーの名前を引っ張り出したのには、少し理由があります。というのも、この「アンナ・クリスティ」、よく「アンナ・カレニナ」と混同しました。ガルボは、この『アンナ・カレニナ』に二度、1927年製作のサイレント、1935年製作のトーキーで主演しており、その混同の度合いが深まりましたが、さらには前出のヴィヴィアン・リー主演の同名の映画が1948年に製作されているので、さらに複雑です。ちなみに、トルストイ原作の「アンナ・カレーニナ」はこれまでに8度映画化されているそうです。
    #DVD #淀川長治 #アンナ・クリスティ #グレタ・ガルボ 

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    • 登録日:2019/7/1

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    ヴァリエテ

     元空中ブランコ乗りの男ハラー(エミール・ヤニングス)は、妻ベルタ(リア・ド・プティ)の愛人アルティネッリ(ソルウィック・ワルト)を殺した罪で10年の刑に服した後仮釈放されることとなった。10年間、自分の犯罪の詳細を誰にも明かさなかったが、出獄を前にして刑務所長に事件のことを語り始める…。本ディスクに収録されている作品は1時間にも満たない版ですが、現在ビデオ、DVD化されているこの作品はアメリカで公開されたヴァージョンで、ドイツで公開されたヴァージョンにあるハラーが元の妻子を捨てて若い女ベルタと駆け落ちした場面がカットされており、そのため、ハラーとベルタは夫婦として最初から登場しています。
     特にハラーの心理を空中ブランコの映像をとおして表現する手法は、今日となってはありがち、とも言えないこともないですが、100年近く前であっても、その迫力ある映像表現は一見の価値はあると思います。
    #DVD #淀川長治 #ヴァリエテ #エミール・ヤニングス 

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      29がいいね!と言っています。

    • 登録日:2019/7/1

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