みんなのコレクションが集まるミュージアム

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映像ソフト 英語圏60~80年代製作映画

 1960年代から80年代前半頃までの英語圏の作品ということになりますかね。実際に、映画館で観ることができた、もしくはその機会があった作品を、と思っていますが、これも恣意的に決めさせて頂きます。

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    DVD「おかしなおかしな大追跡 特別編」

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    DVD「メーン・イベント 特別編」

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    DVD「ある日どこかで」

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    DVD「サブウェイ・パニック」

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    DVD「ジャズ・シンガー」(1980年の映画)

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    DVD「フェーム 特別版」

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    DVD「ブラザー・サン シスター・ムーン」

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    DVD「ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦」

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    DVD「スクープ 悪意の不在」

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    DVD「ヤング・ゼネレーション」

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    DVD「おかしなおかしな大追跡 特別編」

     内容やその周辺に関することは、おそらくこの作品について別に語る機会もあるでしょうから、ここではこぼれ話的話題をいくつか。
     まず、「おかしなおかしな」という語句が付せられた邦題の作品ですが、
    ・1972年『おかしなおかしな大追跡』(What's up Doc?)
    ・1973年『おかしなおかしな大泥棒』(The Thief Who Came to Dinner)
    ・1974年『おかしなおかしな大冒険』(Le Magnifique)
    ・1974年『おかしなおかしな高校教師』(La Moutarde me monte au nez!)
    ・1981年『おかしなおかしな石器人』(Caveman)
    ・1987年『おかしなおかしな成金大作戦』(Million Dollar Mystery)
    ・1988年『ロブ・ロウのおかしなおかしな探偵物語』(Illegally Yours)
    ・1992年『おかしなおかしな訪問者』(Les Visiteurs)
    などの作品があります。あと、これ以外に本展示アイテム収録作と同様、バーブラ・ストライサンド主演の『またまたおかしな大追跡』(1974年 For Pete's Sake)という作品もありますが、続編ではありません。この「おかしなおかしな」というのをおそらく最初に付したのは、1963年の『おかしな、おかしな、おかしな世界』なのですが、原題は「It's a mad,mad,mad,mad world」、つまりほぼ直訳の邦題だったわけです。それに対し、他の「おかしなおかしな」の邦題作品の原題には「おかしな」に結びつく要素はありません。基本的にはコメディ映画ではありますが、『おかしなおかしな大泥棒』などはちょっとコメディとは言い難く、「おかしなおかしな」と付けるのが適切なのか、と思わざるを得ないものもあります。まあ、上記の8作品のうち4作品は1972~4年に集中していることをみても、この時期にちょっとトリッキーなこのフレーズが流行り、だんだん廃れ、1992年を最後に使用されなくなった、ということなのでしょうね。
     さて、本展示アイテムには「バーブラ・ストライサンドによるシーン解説」や「メイキング」などの映像特典が収録されています。特に後者には、ピーター・ボグダノヴィッチ監督の演出風景が映されているのですが、ライアン・オニールを相手に、自身がバーブラ・ストライサンドの役の動作を演じていて、その気になっているボグダノヴィッチに対し、オニールの表情がやや引きつっているように見えたのが愉快でした。因みに、この模様の一部は添付動画のトレーラーにも収録されています。
    https://www.youtube.com/watch?v=HejpRrOWIRc
    #DVD #おかしなおかしな大追跡 #ピーター・ボグダノヴィッチ #バック・ヘンリー #デイヴィッド・ニューマン #ロバート・ベントン #アーティ・バトラー #バーブラ・ストライサンド #ライアン・オニール #ケネス・マース #オースティン・ペンドルトン #マデリーン・カーン #マイケル・マーフィー 

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    • 登録日:2020/4/23

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    DVD「メーン・イベント 特別編」

     1979年製作。この年の御盆興業は、洋画部門は本命『スーパーマン』、対抗『エイリアン』というのが大方の予想であり、実際その通りにはなったのですが、そこに割って入ったのが、日本中の女子供の涙腺を大いに刺激した『チャンプ』でした。これは1931年に公開された同名映画のリメイク作品なのですが、その製作準備段階で主役のビリー・フリン役としてアピールしたのがライアン・オニールでした。最初は製作陣もオニールならば適任だろう、と考えていたそうですが、オニールは自分を起用する条件として、自分の息子(おそらく、パトリック・オニール)もビリー・フリンの息子役で起用するように要求したことから話がこじれ、結局親子共々この作品への出演は果たせませんでした。この仕打ちに対して腹の虫の収まらないオニールは、かつて『おかしなおかしな大追跡』で共演したことのあるバーブラ・ストライサンドに何とかしてくれと頼み込みました。姉御肌のストライサンドはこの要求を聞き入れ、当時交際していたジョン・ピーターズとともに製作し、オニールと再び共演したのは、本展示アイテム収録作である『メーン・イベント』でした。
     では、オニールの『チャンプ』製作陣への意趣返しは成功したのでしょうか。米本国の興行収入は、最終的には『メーン・イベント』が『チャンプ』を上回り、その点はオニールも留飲を下げる結果になったとは言えます。ただ、こと日本国内の事情はどうか、興行的には『スーパーマン』にはさすがに及ばなかったものの『エイリアン』に伍する成績を上げたのは配給会社にとっても望外の結果だったそうです。それに対し、『メーン・イベント』は1979年暮れの公開、つまり1980年の正月興行の作品だったのですが、正直言って惨敗といっていい成績でした。実際、私も丸の内ピカデリーで観たときの周囲の客席はガラガラだった記憶があります。また、作品自体の出来も、比較するのは難しいとはいえ、私自身はやはり『チャンプ』の方に軍配を挙げますね。そして何よりも、この本展示アイテム収録作が製作されるきっかけとなったオニール本人が、この作品への出演を境にして、私生活も俳優としてのキャリアも下降線をたどることとなってしまったわけで、スクリーンの外の出来事の方が、作品自体よりドラマティックな結果となったのは皮肉でした。
     そういえば、作品自体のことには殆ど触れていませんでした。それはまた、別の機会に。
    https://www.youtube.com/watch?v=44jGI_TR-sg
    #DVD #メーン・イベント #ハワード・ジーフ #ジョン・ピーターズ #バーブラ・ストライサンド #ライアン・オニール #ポール・サンド 

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      45がいいね!と言っています。

    • 登録日:2020/4/25

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    DVD「ある日どこかで」

     本展示アイテム収録作については、劇場公開(1981年1月31日)前に予告編を何回も劇場で観ることはできたのですが、上記の日付からもわかるとおり、正月と春休みとの間の公開で、私自身、正月映画に金を使い過ぎて、この2月はとてもロードショー・封切り映画に行ける余裕がなく、その後名画座でも観ることもありませんでした。それから数年経って80年代後半、私は映画レポーター「襟川クロ」氏のファンクラブに入会しており、たまに交流があったのですが、彼女はことあるごとに自身の生涯ベストスリーの作品は『ローマの休日』、『ベンジー』、そして本展示アイテム収録作であると述べられており、そんなこともあってか再び意識し出しました。結局、この作品を最初に観たのはテレビで、それも吹替ではなく字幕スーパーでの放映でした。その後、『午前十時の映画祭』でも上映されたので劇場で観る機会はあったのですが、すでに本展示アイテムを入手していましたし、何よりも『明日に向って撃て!』ほどの思い入れもなかったので、スルーしました。
     かといって、この作品が気に入らないのかというと、そんなことはありません。前出のクロさんのようにこの作品のコアなファンは意外と多く、カルト的な人気があるそうですが、それは十分に納得できます。クリストファー・リーヴの、公開時期でいうと『スーパーマン』と『スーパーマンII 冒険篇』の間の出演映画であり、『スーパーマン』の成功で舞い込んだいくつかの出演オファーの中から「自分にはSFのイメージがついている段階なので、その線上にある作品を」との意向で選んだ作品だったのですが、タイムスリップという要素をうまく活用しながらも本質的にはラブ・ストーリーであり、リーヴの二枚目振りは誠に堂々としたものでした。またヒロインのジェーン・セイモアのこの時期の美貌は眩いばかりで、この作品の魅力を効果的に増幅させる一因ともなりました(余談ですが、個人的には、この1980年前後の頃に女優でその美しさに魅了されたのが、ジャクリーン・ビセット、ジェーン・セイモア、そして松坂慶子でした)。
     それで、本展示アイテムについて。まず、吹替が収録されています。おそらくこの版はこの作品をDVD化するにあたり新たに制作されたもので、部分的には聴いてみたのですが、可もなく不可もなく、という感じですかね。てらそままさき(寺杣昌紀)、田中敦子、有本欽隆(きんりゅう)各氏は手練れで上手く吹き替えているのはわかりますが…。そして、特典映像で興味深かったのが、脊髄を損傷して車椅子生活を送っているクリストファー・リーヴへのインタビューですね。本展示アイテムの出版が2003年、そしてリーヴの逝去は翌2004年でしたので、貴重な記録となりました。
     最後に、この作品でもう一つ素晴らしかったのがジョン・バリーによる音楽でしたが、パガニーニの狂詩曲ともども、それらに関する話は、この作品のサントラ盤を展示したときに語ることとします。
    https://www.youtube.com/watch?v=DhcUnpaVyzo
    #DVD #ある日どこかで #ヤノット・シュワルツ #ジョン・バリー #クリストファー・リーヴ #ジェーン・セイモア #クリストファー・プラマー #てらそままさき #田中敦子 #有本欽隆 #吹替 

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      54がいいね!と言っています。

    • 登録日:2020/6/30

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    DVD「サブウェイ・パニック」

     多少なりとも映画に詳しい方々ならば、本展示アイテム収録作がサスペンス・スリラー映画の傑作であることは御承知でしょうが、翻って一般的知名度はどうかというと、その作品の評価も含めて高いとは言い難いですね。2009年にトニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン、ジョン・トラヴォルタ出演によるリメイク『サブウェイ123 激突』が製作・公開された際には、多少なりとも復権がなされるのかと淡い期待も抱いたのですが、それほど注目もされなかったようです。
     さて、作品の内容などについては別の機会に述べるとして本展示アイテムについてですが、添付物は本作公開当時(1975年2月8日)に制作されたパンフレットの縮小レプリカ版、サントラ盤のライナーノーツなど、また1980年テレビ放映の際に制作された吹替が収録されています。まあ、パンフレットのレプリカやライナーの是非については個々人で評価が分かれるでしょうから深くは触れませんが、私個人はなくてもいいと思ったかな。もっとも、パンフレットのレプリカに関しては本物を持っている、という理由からなのですが。
     ということで吹替ですが、端的に言って元の作品に負けず劣らず、素晴らしい出来だと個人的には思っています。それも、煎じ詰めれば、ロバート・ショウの吹替を担当した中村正氏の名演に尽きます。中村正氏というと、『奥さまは魔女』の冒頭のナレーションと言えばイメージしやすいですかね。吹替でも温和な中年以上の紳士ということになれば殆ど氏の独壇場ですが、本作では一転、沈着かつ冷酷な犯人役を緊張感のある語り口で演じていました。そして、その他の吹替キャストですが、主演のウォルター・マッソーを富田耕生氏、マーティン・バルサムを緑川稔氏が担当していますが、実は富田氏は他作品(『オリエント急行殺人事件』『紳士泥棒/大ゴールデン作戦』)でマーティン・バルサムを担当したことがあり、また中村氏も他作品(『サボテンの花』)でウォルター・マッソーを担当したことがあります。そんな過去作の吹替のキャリアを踏まえつつ、本作の吹替版はまさに適材適所という配役でした。
    https://www.youtube.com/watch?v=ep518FVHKIU
    #DVD #サブウェイ・パニック #ジョセフ・サージェント #デヴィッド・シャイア #ウォルター・マッソー #ロバート・ショウ #マーティン・バルサム #ヘクター・エリゾンド #アール・ハインドマン #リー・ウォレス #トニー・ロバーツ #富田耕生 #中村正 #緑川稔 #若本紀昭 #幹本雄之 #阪脩 #小川真司 #吹替 

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      32がいいね!と言っています。

    • 登録日:2020/4/28

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    DVD「ジャズ・シンガー」(1980年の映画)

     本展示アイテム収録作と同名の作品が映画史上に重要な位置を占める作品であることは、すでに当ミュージアムの他フロアに、その1927年のアル・ジョルスン主演の作品を収録したアイテムを展示の紹介文で触れましたが、その際に本展示アイテム収録作がどのような立ち位置か、について僅かに触れましたので、ここはその延長線上の話をしていきます。
     ストーリー自体は本家本元の『ジャズ・シンガー』と基本的には同じ筋立てになっており、それならばもう少しドラマティックな展開もできたはずなのですが、それが果たされなかったのは情けない限りで、結論から言ってしまうと、ニール・ダイアモンドを主役に起用した時点で破綻していました。公開当時、本作を観る前でもニール・ダイアモンドはポップスの歌手であって、いわゆるジャズ歌手ではないことはさすがに認識していましたから、そんなダイアモンドがこの作品の中ではジャズ歌手に扮しているのか、と思いつつ劇場に行って観たら、相変わらずポップス歌手の役だったわけで、『ジャズ・シンガー』というタイトルと矛盾を感じずにはいられませんでした。要するに、この作品のセールスポイントの一つに、あの映画史上にその名を刻む『ジャズ・シンガー』のリメイクであることを掲げたかったがために、ニール・ダイアモンド主演作という企画の映画に無理やり同名のタイトルになるような筋書きのものをブッ込んだように思えてしまったわけです。
     その他、個々のスタッフ・キャストについても言いたいことはありますが、幸か不幸か本展示アイテム収録作について語れる機会はまだまだありそうなので、そちらに譲るとして、本展示アイテムそのものについてですが、この紹介文を作成している時点では、Amazonでは元の販売価格の約2倍の値付けが出品者によりなされています。要するにメーカーに在庫がなく、中古市場にも商品が少ないことを見越してつけられた、いわゆる「俺様価格」なのですが、そこまでの金額に見合う価値のあるアイテムなのか、私は懐疑的です。
    https://www.youtube.com/watch?v=bXiJAlFYfXs
    #DVD #ジャズ・シンガー #リチャード・フライシャー #レナード・ローゼンマン #ニール・ダイアモンド #ローレンス・オリビエ #ルーシー・アーナズ 

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      34がいいね!と言っています。

    • 登録日:2020/5/1

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    DVD「フェーム 特別版」

     音楽に関しては、サントラ盤CDを展示する際に、またストーリーその他についてはパンフレットなどを展示する際に述べさせて頂き、ここでは私の思う本作の魅力について述べていきます。
     以前、「モノ日記」で少し触れたことはありますが、1981年の正月興行の中では最も印象深く、その後、いわゆる青春群像劇が好きになったきっかけとなったのが本展示アイテム収録作『フェーム』でした。もちろん、80年代の青春群像映画というと『アウトサイダー』『ランブルフィッシュ』『セント・エルモス・ファイアー』『ブレックファスト・クラブ』などが思い出されますし、それぞれ濃淡こそあれ思い入れもありますが、やはり『フェーム』を超えるインパクトの作品はありませんでした。まあ、強いて挙げれば1991年製作の『ザ・コミットメンツ』がありますが、この作品の監督はアラン・パーカー、つまり『フェーム』と同じ人物です。
     その『フェーム』『ザ・コミットメンツ』に共通するのは、主要登場人物たちがその当時無名の存在であり、さらに言えばその後もほぼ無名の存在のままだった、ということでしょう。ですので、もちろん実際には演出が加えられているのですが、あたかも実録物のような感覚で両作とも観てしまっていました。ただ、いわゆる「ドキュメンタリー・タッチ」という感じではないかな。ドキュメンタリーというと、それなりに客観的な視点をもって撮影する側面があるわけですが、上記の2作品では撮影側からの登場人物への、少し大袈裟に言えば愛情が伝わってくるようで、そのあたりが「ドキュメンタリー・タッチ」とは一線を画する、アラン・パーカー特有の撮影・演出技術だったと思い込んでいます。それは、あるいくつかのシーンが特にドラマティックで感動的である、という作りではなく、それだけ見るとありきたりと思われるシーンが幾重にも繰り広げられ、最後にそれらの積み重ねがとても愛おしくなる、という映像表現の効果がひしひしと伝わるものでした。
    https://www.youtube.com/watch?v=gUepLHaY760
    #DVD #フェーム #アラン・パーカー #マイケル・ゴア #アイリーン・キャラ 

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      47がいいね!と言っています。

    • 登録日:2020/5/7

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    DVD「ブラザー・サン シスター・ムーン」

     2011年7月に休刊した雑誌「ぴあ」の名物企画に「ぴあテン&もあテン」というものがありました。「ぴあテン」は映画、音楽、演劇など各ジャンルにおいてその年に発表された作品を、そして「もあテン」は過去全ての作品を対象にした読者投票による人気ランキングで、同企画は70~80年代当時としてはとても珍しく、「ぴあテン&もあテン フェア」と題したイベント等も開催されるなど大きな話題を集めました。
     因みに、以前、モノ日記「41回目の日記」で、映画『明日に向って撃て!』をそもそも観たいと思うきっかけとなったのが70年代後半の「もあテン」の常連だったからということを記しましたが、本展示アイテム収録作も同様であり、かつ作品名を初めて認識したのもこの「もあテン」で、でした。ただ、『明日に向って撃て!』は当時絶大な人気だったポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの主演作ということもあり、映画雑誌等で半ば恒常的に作品情報が伝わっていたのに対し、本展示アイテム収録作『ブラザー・サン シスター・ムーン』についての情報は殆ど入手できずにいました。また、なかなかリバイバル上映や名画座での上映もなかったのですが、1980年の夏頃、八重洲スター座で『ロミオとジュリエット』との併映、すなわちフランコ・ゼフィレッリ監督作品2本立てで上映されることを雑誌「ぴあ」の掲載情報で知り、作品に関する知識ほぼゼロで観に行ったのですが、当時はまだ思考回路が単純だったこともあってか、その作品の内容に素直に感動してしまいました。
     その作品内容とどのように感動したか、またこの作品の人気を支えたドノヴァンの主題歌にまつわる話は別の機会に譲るとして、収録されている吹替についてですが、どうもこの作品のDVD化に合わせて新たに制作された版のようです。Wikipediaによると最初のテレビ放映は1977年12月28日『水曜ロードショー』(日本テレビ系)だったそうですが、今回の版の吹替キャストを見ると、とてもその時代のものではないのが明らかで、その点は残念でした。そして、肝心の吹替の出来ですが、主役の二人(グラハム・フォークナー、ジュディ・ボウカー)についてはそもそも新人みたいな存在でしたから特段の不満はないものの、佐々木敏氏のアレック・ギネスの吹替には少し不満だったかな。なぜ不満かは、映画の内容の核心に触れるので、これも別の機会に触れます。
    https://www.youtube.com/watch?v=gFgXxoEepnQ
    #DVD #ブラザー・サン、シスター・ムーン #フランコ・ゼフィレッリ #ドノヴァン #グラハム・フォークナー #ジュディ・ボウカー #アレック・ギネス #竹若拓磨 #山田里奈 #佐々木敏 #吹替 

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      32がいいね!と言っています。

    • 登録日:2020/5/3

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    DVD「ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦」

     1972年製作。いきなり個人的な話ですが、私が映画を本格的に観出した70年代後半、スティーブ・マックイーンの人気の高さは『ロードショー』『スクリーン』といった映画雑誌の紙面から十分感じ取られるものでした。というのも、この当時は『タワーリング・インフェルノ』以後の俳優としての活動が作品となって出現していない期間で、その渇望感からか新作に関する憶測記事が散見されるほどだったからです。そうなると、「新作がだめなら旧作を」というのが人情ですが、これが東京やその近郊の名画座ではなかなかマックイーンの出演作の上映情報が見つからず、結局映画館で観ることができたのは『華麗なる賭け』、『ブリット』、そして本展示アイテム収録作くらいで、あとは悉くテレビ放映で、でしたね。一応、観に行く前には本作がサム・ペキンパー監督であり、マックイーンは同監督の次作の『ゲッタウェイ』にも出演した、という程度の予備知識はあり、さらにはその時点では『ゲッタウェイ』はすでにテレビ放映されたものを観ていたので、「あんな感じのアクション映画なのか」という先入観で上映館に赴いたのですが、まったくと言っていいほどの異質な作品で正直拍子抜けしました。
     あらすじは、「元ロデオ・チャンピオン、ジュニア・ボナー(スティーブ・マックィーン)は、自分を振り落とした荒牛サンシャインを追って、故郷アリゾナ州プレスコットに帰ってきた。「オーストラリアで一山当てる」と未だ見果てぬ夢を追って牧場を売ってしまったロデオ・スターの父エース(ロバート・プレストン)や、父と別居中の母(アイダ・ルピノ)、そして、実業家の兄(ジョー・ドン・ベイカー)と再会を果たし、ギクシャクしながらも、家族の絆を確認しあう。そして、地元のロデオ大会でジュニア・ボナーは再び荒牛サンシャインと対峙した…。」というもので、ストーリー自体は理解しやすかったものの、10代の世間知らずの男子であった当時の私には凡作に思えました。
     ですが、この作品の良さは、ある程度人生経験を積んでから観ると、沁みて理解できる類のものであることを、今回この紹介文を作成するにあたって再び観返してみて実感しました。この作品の製作当時、マックイーン自体もすでに40歳代であり、実際には『タワーリング・インフェルノ』以後、映画人としての新たな道を模索することになったのですが、この作品の中の主人公ジュニア・ボナーはそれができず、時代の変化に応じた周囲の状況の移り変わりにも背を向き続ける、この何とも言えない哀感は、やはり若者には理解し難いものでしょうね。
     また、ペキンパーの作品というと、最初に本作を観た当時、『コンボイ』『わらの犬』は観ていたものの、他の作品、例えば『ワイルドバンチ』や『ガルシアの首』などといったペキンパーの代名詞といった作品を観るのは後年になってから、だったのですが、本作を予め観ておいたことで、これらの作品の見方にも変な先入観を持たずに臨めた、そんな効果もありました。
    https://www.youtube.com/watch?v=xmq-bBCr-q0
    #DVD #ジュニア・ボナー/華麗なる挑戦 #サム・ペキンパー #ジェリー・フィールディング #スティーブ・マックイーン #ロバート・プレストン #アイダ・ルピノ #ベン・ジョンソン #ジョー・ドン・ベイカー #バーバラ・リー 

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    • 登録日:2020/7/7

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    DVD「スクープ 悪意の不在」

     本邦公開が1982年で私はまだ10代でしたから、「悪意」といわれても「相手に対して害を加えようという意思」という一般的な意味だと思い、その数年後、そんな頭の中身のままで本展示アイテム収録作を名画座で観たのですが、それでも特に違和感はありませんでした。と、何でこんな話をするのかというと、後年、必要に迫られて法律の勉強をする羽目になり、法律用語の「悪意」が上記のような意味ではなく、「ある事実について知っていること」ということを知ったのですが、ではそれがこの映画のタイトルに当てはまるのか、ということについて気になり始め、そんなこともあって、いろいろ確認すべく本展示アイテムを入手してしまいました。もっとも、それは中古の廉価品を偶然見つけたから、ということもあったわけですが。
     結論から先に言うと、この作品のタイトルにもある「悪意」は、やはり法律用語の意味と捉えるのは適当ではなかったようです。まあ、冷静に考えると、たかが娯楽映画のタイトルにおよそ一般的ではない意味を示すべくその語を滑り込ませるなど、するはずもないわけで、私の考え過ぎでしたね。
     それで数十年ぶりに観返したわけですが、鑑賞後の印象は、以前に名画座で観たときとは多少異なるものでした。まず、最初に観たときですが、公開当時の宣伝文句は、無実の男が虚実不明なスキャンダル記事によりダメージを受け、失地回復のための逆襲に出る、という感じのもので、まるで本作がある種のサスペンスものであるかのような先入観を持って臨んだものの、実際は地味な展開に終始する演出で、期待していたようなカタルシスも得られず、多少ガッカリして劇場を後にしました。それに対し、数十年を経て本展示アイテムで観たときは、余計な思い込みが排除された分、冷静に臨むことができました。すなわち、情報操作による報道被害という本作の本来のテーマを噛みしめることができたということで、その大きな要因はシドニー・ポラック監督の演出力であることも確認できました。結果として、マイアミ港湾内酒類卸商マイケル・ギャラガー(ポール・ニューマン)、彼の旧友でカソリック系の学校教師テレサ(メリンダ・ディロン)、「マイアミ・スタンダード」紙の女性記者ミーガン・カーター(サリー・フィールド)、FBIマイアミ支部捜査官ローゼン(ボブ・バラバン)、地方検事クィン(ドン・フッド)のどれもが何らかの不利益を被ることになる、特にテレサは…。ということで、これが、だれもが自分なりの正義を行使した果てのことだったというのが、もしかしたら現代社会の矛盾の一つの側面であり、さらには本作製作から約40年を経過した今においてもこの問題は克服されていないどころか、ネットの普及により、さらに深刻化しているのではないか、そんなことを思わせてくれる示唆に富んだ作品でした。
    https://www.youtube.com/watch?v=wlv5cB74KEg
    #DVD #スクープ/悪意の不在 #シドニー・ポラック #デイブ・グルーシン #ポール・ニューマン #サリー・フィールド #ボブ・バラバン #ルーサー・アドラー #メリンダ・ディロン #ドン・フッド #ウィルフォード・ブリムリー #バリー・プリマス #ジョセフ・ソマー 

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    • 登録日:2020/8/5

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    DVD「ヤング・ゼネレーション」

     『午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本』という上映会が、2010年から2013年にかけて計3回行われました。「デジタル上映ではなく、全作品がニュープリントで作られたフィルムでの上映」というのがコンセプトで、御存じの方、さらには実際に足を運んだこともおられると思います。私も、その際に上映された『明日に向って撃て!』を観に行ったのですが、その件は「モノ日記(41回目の日記)」の欄で紹介しました。ちなみに、その後、2013年4月から開催の『新・午前十時の映画祭 デジタルで甦る永遠の名作』という、名画のデジタル上映会も、この紹介文を作成している段階では、断続的に継続されています。
     話を『午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本』に戻します。この上映会が催されるとの報を受けて作品のラインナップを見ました。それなりに知名度の高い名作のオン・パレードの中に「意外ではあるが、でもよくぞ選んでくれた」と思わざるを得ない映画も数作含まれており、その中の一作が本展示アイテム収録作でした。本邦公開が1980年のGWだったのですがヒットしたとはいえず、程なく名画座落ちして、そのとき私は何かとの2本立てで観ることができたのですが、期待してなかったこともあったせいか、観終わった後は思わぬ拾い物をした感のある佳作でした。まあよく考えれば、監督がピーター・イェーツですから、それも納得だったわけですが。
     ということで、作品の内容などについては別の機会に譲るとして収録の吹替ですが、少し物申したい。物語の中心となる4人はハイスクールを卒業直後という境遇ですから、まだ20歳前という設定ですが、吹替の声が揃いも揃って若くない! 池田秀一、玄田哲章 、鈴置洋孝、そして中尾隆聖という面々ですが、テレビ放映用に収録された1984年当時、この4氏は30歳代半ばで、もちろんそれなりに巧く演じていたとは思いますが、どうも違和感があったのは残念でした。他方、主人公の父親の声を担当した大塚周夫氏の吹替は、出番はそれほど多くなかったものの、それなりに爪痕を残した名演でした。
    https://www.youtube.com/watch?v=J1jzs6dk4bs
    #DVD #ヤング・ゼネレーション #ピーター・イェーツ #パトリック・ウィリアムズ #デニス・クリストファー #ダニエル・スターン #デニス・クエイド #ジャッキー・アール・ヘイリー #ポール・ドゥーリイ #バーバラ・バリー #ロビン・ダグラス #ハート・ボックナー #エイミー・ライト #ジョン・アシュトン #池田秀一 #玄田哲章 #鈴置洋孝 #中尾隆聖 #大塚周夫 #中西妙子 #高島雅羅 #田中秀幸 #潘恵子 #池田勝 #吹替 

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    • 登録日:2021/1/4

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    2020/6/18

    Maruyama

    小さな恋のメロディ マークレスター トレイシーハイド
    胸キュンだったな!👍

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      2020/6/19

      woodstein

       Maruyamaさん、コメント有難うございます。そうですね、胸キュンでしたね。そんな感情に誘われた日本人観客は数多かったのですが、その辺の事情については、この作品に関するDVDやサントラ盤CDなど何点かのアイテムを展示する際に、私なりに繙いていこうと目論んでいます。

      返信する
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      2020/6/29

      Maruyama

      楽しみにしてます!

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