DVD「おかしなおかしな大追跡 特別編」

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 内容やその周辺に関することは、おそらくこの作品について別に語る機会もあるでしょうから、ここではこぼれ話的話題をいくつか。
 まず、「おかしなおかしな」という語句が付せられた邦題の作品ですが、
・1972年『おかしなおかしな大追跡』(What's up Doc?)
・1973年『おかしなおかしな大泥棒』(The Thief Who Came to Dinner)
・1974年『おかしなおかしな大冒険』(Le Magnifique)
・1974年『おかしなおかしな高校教師』(La Moutarde me monte au nez!)
・1981年『おかしなおかしな石器人』(Caveman)
・1987年『おかしなおかしな成金大作戦』(Million Dollar Mystery)
・1988年『ロブ・ロウのおかしなおかしな探偵物語』(Illegally Yours)
・1992年『おかしなおかしな訪問者』(Les Visiteurs)
などの作品があります。あと、これ以外に本展示アイテム収録作と同様、バーブラ・ストライサンド主演の『またまたおかしな大追跡』(1974年 For Pete's Sake)という作品もありますが、続編ではありません。この「おかしなおかしな」というのをおそらく最初に付したのは、1963年の『おかしな、おかしな、おかしな世界』なのですが、原題は「It's a mad,mad,mad,mad world」、つまりほぼ直訳の邦題だったわけです。それに対し、他の「おかしなおかしな」の邦題作品の原題には「おかしな」に結びつく要素はありません。基本的にはコメディ映画ではありますが、『おかしなおかしな大泥棒』などはちょっとコメディとは言い難く、「おかしなおかしな」と付けるのが適切なのか、と思わざるを得ないものもあります。まあ、上記の8作品のうち4作品は1972~4年に集中していることをみても、この時期にちょっとトリッキーなこのフレーズが流行り、だんだん廃れ、1992年を最後に使用されなくなった、ということなのでしょうね。
 さて、本展示アイテムには「バーブラ・ストライサンドによるシーン解説」や「メイキング」などの映像特典が収録されています。特に後者には、ピーター・ボグダノヴィッチ監督の演出風景が映されているのですが、ライアン・オニールを相手に、自身がバーブラ・ストライサンドの役の動作を演じていて、その気になっているボグダノヴィッチに対し、オニールの表情がやや引きつっているように見えたのが愉快でした。因みに、この模様の一部は添付動画のトレーラーにも収録されています。
https://www.youtube.com/watch?v=HejpRrOWIRc
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    CRASH AND BURN 場外劇場

    2022/09/01 - 編集済み

    「おかしなおかしなおかしな」の考察が面白かったです。
    思ったより「おかしな」映画があったのですね。
    ちなみに日本公開されてませんがデンマークに直訳すると
    「おかしなおかしなおかしな人」というコメディアンの伝記映画もありました。

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      woodstein

      2022/09/01

       CRASH AND BURN 場外劇場さん、コメント有難うございます。「おかしなおかしな」という邦題に関しては、それこそ私が映画を観始めた若かりし頃から多少なりとも気になり続けていたもので、このアイテムの展示の機会にネットを利用して調べたものだったのですが、反響はありませんでした。ですので、今回CRASH AND BURN 場外劇場さんが気にかけてくれたのは、正直溜飲の下がる思いでした。デンマークの伝記映画に関しては初耳です。観る機会に出会えればいいのですが…。

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    オマハルゲ

    2022/09/01 - 編集済み

    個人的に「おかしな」と付く映画は大抵イマイチおかしくなくて苦手です。
    「~世界」だけ見た事がありますが時代錯誤のボケが多くて苦笑いしましたw

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      woodstein

      2022/09/01

       オマハルゲさん、コメント有難うございます。「おかしな」というフレーズが含まれる邦題の作品にはイマイチおかしくないものが多いというのは、共感できるところもあります。ちなみに「おかしな」のついた作品で好きなのは、本作のほかに大林宜彦監督の『日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群』がありますね。

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