脱走山脈

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本作は一風変わった戦争映画であり脱走映画です。ドイツ軍の捕虜となり動物園のゾウの世話を命じられたイギリス兵ブルックス。彼は空襲を避けるためゾウを疎開させる事になるんですが、いざこざから同行していたドイツ兵を殺してしまいゾウを連れてスイスまで逃げるという、一見荒唐無稽なファンタジーっぽいお話です。ところがこれは実際にあった話を脚色したそうで、ホント「事実は小説より奇なり」ですね。原題の「ハンニバル・ブルックス」というのは主人公の名前と古代ローマでゾウを連れてアルプス越えをしたといわれる猛将ハンニバルを掛けています。

吹き替えは2時間枠で放送されたTBS版とそれ以前に90分枠で放送されたNET(テレ朝)版の二種類が収められてます。主人公を演じたオリバー・リードは本館で展示済みの「吸血狼男」の主役でもあり、コワモテの役者さんです。そのイカつい主人公ブルックスとメスのゾウ「ルーシー」のミスマッチなコンビがいい味を出してるんですね。TBS版では石田太郎氏が吹き替えてますが子供の頃に見て印象に残っているのがNET版の福田豊土氏の方です。福田氏はケンちゃんシリーズで父親役を担当した事もある役者さんなんですが、声優としてはテレ朝版「ターミネーター」の黒人刑事役で聞き覚えがあるかもしれません。

もう一人、空襲のどさくさで脱走してレジスタンスのリーダーになって再会する捕虜仲間役のマイケル・J・ポラード。ジャケ写に描かれてる様に悪ガキがそのまま成長したような雰囲気の俳優ですが、TBS版は納谷六朗氏が担当。そしてこちらもNET版の朝倉宏二氏の方が印象深いです。同時期に放送された「俺たちに明日はない」でもポラードを吹き替えていて「悪ガキ」っぽくてピッタリだと思います。

最期に付け加えると、フランシス・レイ作曲の主題曲もレコードを買ったほど好きな曲なのです。

 #吹き替え #洋画

https://youtu.be/o9pPWHIjU44

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    オマハルゲ

    2021/05/19

    解説書によると撮影はゾウのルーシーのご機嫌を取りながらだったらしく、また街並も戦後に作られたアンテナなどを一旦撤去したり列車の転覆シーンでは失敗するのを見越して10台以上のカメラを用意したとか、スタッフの苦労が絶えなかったそうです。CGのない時代ならではですね。

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