上海特急

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 もちろん、マレーネ・ディートリッヒという大女優がいる、というのは映画を本格的に観始めた10代半ばの頃から知っていましたが、実際にスクリーンで観たのは80年代半ばから後半にかけて繰り広げられた「ヘラルド・クラシックス」で上映されたビリー・ワイルダー監督の『情婦』でした。この映画に関してはいずれ機会があれば触れるとして、撮影当時ディートリッヒはすでに50代半ばで、それまでに伝え聞いたような魅力をそれほど感じませんでした。その後、『嘆きの天使』『モロッコ』を観て、伝え聞いていた彼女の醸し出す色香が誇大な表現ではなかったことを思い知らされるのですが、本作も同様にディートリッヒの妖艶さは際立っていました。監督のジョゼフ・フォン・スタンバーグとディートリッヒのコンビによる映画は全部で7作あるのですが、本作はその中間に位置するもので、それぞれ映画監督、女優として絶頂の頃の作品だったのでしょう。
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