クローバーフィールド HAKAISHA (2008/アメリカ)

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原題:CLOVERFIELD
監督:マット・リーヴス
出演:リジー・キャプラン ジェシカ・ルーカス T・J・ミラー
ジャンル:SF・パニック・怪獣・POV
時間:85分

【STORY】
5月22日、その出来事は起こった。想像を絶する生物にマンハッタンが襲撃されたのだ。若者たちがビデオカメラで事の一部始終を収めた映像が、唯一の完全な記録として今ここに明らかにされる。

【COMMENT】
J・J・エイブラムスが日本の『ゴジラ』を観て発想したのが本作品とのこと。そして、この作品の凄いなと思うところは、これまでのような怪獣・パニック映画にありがちな怪獣VS軍隊orヒーローのような図式ではなく、また怪獣や怪獣と対決する側の視点ではなくて一般人の視点で描かれているところです。さらに、POV方式を取り入れることによって、怪獣の全貌や現状把握が不明確となり観るものも恐怖や不安をあおるだけでなく、より臨場感が増した手に汗を握る作品に仕上がっています。ただ、POV方式の欠点でもある映像酔いがあるため気を付けた方がいいかな。また、暗転したり焦点が定まらなかったりと状況がわかりにくくなるのでけっこう頭も疲れます。

この作品は良くも悪くも不親切な映画だと思います。ポスターや表題・あらすじだけをみると決して怪獣映画とは思えない内容で騙された方も多くいるのじゃないかな。そして、作品自体も謎がすべて解明することなく終えるバッドエンド。あの怪獣の正体は何なのか。無事、怪獣を倒すことができたのか。その後の世界はどうなったのか。とにかくわからないことばかりで、その点がこの作品を評価する上で賛否が分かれる部分だと思います。個人的には鑑賞後にいろいろと考察したり議論ができるので好きかな。

他の考察ブログで初めて気づいたのだけど、ラストの遊園地の観覧車の中から映した映像に宇宙から卵らしきものが落ちてくるシーン、あんなの初見では絶対に気づかない。大枠ではなかなかわからない全体像なんだけど、とにかく細部の随所に情報が散りばめられており、2回3回と観直さないとその世界観がわからない、そういうのが好きな人にはオススメの映画です。

【私的評価】 70/100

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