Actinopeltis sp.

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初めて見た方は『何だこのお茶の水博士のような鼻の三葉虫は?』と思われるかもしれません。
この頭部のでっぱりは、正確には、鼻ではなく頭鞍といいます。この頭鞍が大きく膨らんだ、奇怪な風貌の本種は、アクチノペルティスの一種 (Actinopeltis sp.) と呼ばれます。モロッコのオルドビス紀産の三葉虫です。

このような頭鞍を持つ種は、アメリカ、ロシア、英国など、世界に複数種が居て、その見た目からコレクターの間では、頭ボール/ボール頭などと称されます。奇妙ながらも、どこかコミカルで愛らしい風貌から、非常に人気の高い種でもあります。

モロッコ産の本種は、他の産地の類似種に比べると、比較的入手し易くも、入手機会はそこまで多くはありません。本標本は、風化したかのような茶色の発色ですが、産地によっては真っ黒な標本もあり、さらにサイズや特に尾部の形状もまちまちで、モロッコだけでも複数種類がいるようです。ただ、現時点では、いずれも正式な学名はついておりません。

この不思議なボールの機能については、大食説 (ボールの部分が胃)、抱卵説など様々ですが、いずれも仮説に留まります。特にカンブリア紀の何種かの三葉虫では頭鞍は、一種の消化器官 (Crop:素嚢) であることが確認されており、個人的には後者 (抱卵説) よりは、前者 (大食説) がもっともらしいかなとは感じます。

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    Trilobites

    2020/06/19

    産地によって幾つかの種類や大きさはありますし、完全な状態の標本は少ないですよね、それにコレクターに人気の種類だけあって昔から入手が難しい種類でした。私も長年かけて世界の頭ボールを集めてきましたが、ロシアで止まってしまっております。もう少し部分でもいいので、多産してくれれば、この頭を割ってみて中身に何かの痕跡が無いか調査できるのですが、意外と誰も調べてないのか情報が無いですね。空洞なのか、そうでないかで使用目的は絞られてくるはずなんですが、自分の標本を割るわけにいきませんしね。

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    • この種、そりゃ皆が欲しくなるだろうなという見た目をしておりますよね。Trilobitesさんはこの種以外にも、S. robustaやS. thompsoniなど主だった種をお持ちですね。robustaも超希少種ですが、thompsoniは同等以上に希少ですごいです。ロシアのS. craniumは私の目標の一つでもありますが、★5レベルの希少度である上に、非常にお高いので、相当厳しいものがありますね。私は野心は置きつつ、ひとまず、モロッコ種のバリエーションを集める事を目標にしようかと思っています。

      本当に誰か研究者の方がこのボールを切って内部を調べてくれれば良いのにと思っているのですが、案外誰もされてませんね。切ってみたものの、特に情報を得られなかっただけなのかもしれませんが。

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