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Orygmaspis contracta
カナダのマッケイ産 (McKay fm) のオリグマスピス・コントラクタ (Orygmaspis contracta) です。 マッケイのオリグマスピスは、複数種が存在しますが、その中でも、おとなしめで標準的な体型をしているように思います。。という様な文言を、昔、各所に書いた記憶があります。 しかしいざ手に入れてみると、本産地の種にしてはサイズが大きく、長い頬棘や胸節の後方の1対の長い棘などが良いアクセントになっていて、むしろ派手な印象 (本産地基準で) を受けます。整っていて美的であり、案外好きなタイプの種なのだなと気がつきました。 ちなみに、この標本は裏側 (Ventral) です。このような平坦種は、裏側の方が細部構造がよく分かり、写真に撮る分には見栄えが良く思います。安価でもあり、コスパが良いなと感じます。
Upper Cambrian (Furongian, Jiangshanian) McKay Cranbrook, British Columbia, Canada Orygmaspis contractatrilobite.person (orm)
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Dubhglasina yunnanensis
中国のBaoshan/Pupiao累層産のオルドビス紀の三葉虫、ドゥブグラシナ・ユンナネンシス (Dubhglasina yunnanensis) とされる種です。 Eye ridgeなどが目立つことから、頭部はハルピデス属 (Harpides) を彷彿とさせますが、体尾部はハルピデス程に蛇腹様ではなく、モロッコのハルペス属 (Harpes) に似ているという見た目の種であります。 (Xiu_trilobiteさんのmuseumにて、この目立つeye ridgeは、古い時代のハルペスの特徴なのではないかとの推察をされておられます、なるほどです。) 細かい話ですが、分類上はハルペス属はハルペス科 (Harpetidae) に、ハルピデスはハルピデス科 (Harpididae) に分類されます。 前者のハルペス科には、ドリコパルペス属 (Dolichoharpes) 、ボヘモハルペス属 (Bohemoharpes)、エオハルペス属 (Eoharpes) 、リオハルペス属 (Lioharpes) 、ヒベルティナ (Hibbertia) などに並び、このドゥブグラシナ属 (Dubhglasina) も入っております。 従って本種は、分類上はハルピデス属よりは、ハルペス属に近い種であります。 ドゥブグラシナ属は、『L1が小さい、genal rollが狭く一方でbrimが比較的広い、alaが目立たない』などの特徴で、他のハルペスの仲間と分類されます。各部位の名称・位置関係については、最後の写真 (Trilobites infoより) をご参照ください。 本産地の三葉虫はどれもそうですが、表面が荒れているか、保存が良好でも欠けているかの二択であります。 そこで、 1. 比較的全体が残存しているが表面の保存がイマイチの標本:写真1番目など 2. 頭部のみも、細部はよく残っている標本:写真2番目など の二通りをupしてみました。 何と無くですが、上記のドゥブグラシナの特徴を満たしている気もします。
Upper Ordovician Baoshan Baoshan Village, Yunnan, China Dubhglasina yunnanensistrilobite.person (orm)
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Ceraurus pleurexanthemus, Isotelus gigas (pygidium) and Byozoan
アメリカのRust累層のセラウルス・プレウレクサンセムス (Ceraurus pleurexanthemus) のプレートです。 アメリカのセラウルスの仲間の中では、最も一般的な種であると言えると思います。セラウルスと聞いた際に、思い浮かぶイメージの、標準となる種であるようにも思います。 サイズは標準的個体よりもやや小さめの18mm程度です。このプレートの特徴は、見ての通り、イソテルス・ギガス (Isotelus gigas) の尾部や、その他コケムシ、ウミユリの茎などの他の生物が共産していることです。特にコケムシがその表面にくっついた、イソテルスの尾部の存在感は中々のものです。 当時の豊かな海底環境を思い起こさせてくれる、楽しい一品です。 追記: 昔頂いたコメントを読み返していたら(2019年頃のもの)、それなりに出回る、多産する、リーズナブルといった話を交わしておりましたが、本種も今はほぼ見かけなくなりました。 昔の光いまいずこ。隔世の感を覚えます。
Upper Ordovician Rust New York, USA Ceraurus pleurexanthemustrilobite.person (orm)
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Bathyuriscus fimbriatus
ユタのマージャム (Marjum) 累層より、バチウリスクス・フィンブリアトゥス (Bathyuriscus fimbriatus) です。 ぺらぺらの三葉虫で、母岩と同化しかかっています。薄いカンブリア紀の三葉虫の中でも、とりわけ厚みのない種であるように思います。最も保存状態の良い標本を参照すると、一応はもう少し体高はあったようです。最も、それにしてもオレネルスなみの薄さではあります。 薄さが幸いしてか、体の構造物が模様のようによくわかります。特に、頭部のGenal caecaと思われる波打ち構造がはっきりと見えて興味深いです (写真5枚目など) 。 先に挙げたO. gilberti同様、「昔はありふれていたが今は市場からほぼ消えた種シリーズ」でもあります。特にこの標本は自由頬が残っており、当時からこのような標本は少なめでありました。
Middle Cambrian Marjum House range, Utah, USA Bathyuriscus fimbriatustrilobite.person (orm)
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Gerastos ainrasifus
モロッコの三葉虫、ゲラストス・アインラシフス (Gerastos ainrasifus) の群集標本です。 モロッコのゲラストスの鑑別は、ファコプス系の鑑別以上に至難ですが、注意深く見れば、これまた様々な種に分かれていることがわかります。モロッコのゲラストスとしては、ゲラストス・ツバキュラトゥス・マロチェンシス (Gerastos tuberculatus marocensis) が最も一般的かと思います。マロチェンシスと比べると本種は全体的に細身であること、頬部に顆粒があること(マロチェンシスは顆粒なし)、頭鞍の顆粒が比較的細やかであることなどが特徴的です。 本標本はプレップの質は今ひとつでありますが、群集標本が個人的に好みですので手放さず、差し当たり手元においております。群れることも本種の特徴であると思います。 ブログに本種の鑑別法など載せています。 http://676bbs.blog.jp/archives/23355151.html http://676bbs.blog.jp/archives/23255469.html よろしければご参照ください。
Middle Devonian, Emisian - Djebel El Mrakib, Morocco Gerastos ainrasifustrilobite.person (orm)
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Redlichia mansuyi
中国の関山生物群 (Guanshan biota) のレドリキア・マンスィ (Redlichia mansuyi) の標本です。 関山生物群は時代的には、最古の澄江より新しく、バージェスよりは古い層が中心となっており、おおよそCambrian series2のstage4に当たります。澄江や他の中国のカンブリア系の産地と並び、軟体保存にも優れた、代表的なラガシュテッテであります。 いかにも、標準的レドリキアといった形態をしております。サイズは60mmと中々の大型。尾部を欠いていますが、本来は軸葉から後方に一本の長い棘が伸びる種です。同産地の似た種に、レドリキア・マイ (Redlichia mai) などと言う種もいるようですが、どこがどう違うのか私は理解していません。 数年前までは、比較的容易に入手可能だったように記憶しておりますが、現在はこのサイズのものはかなり少なくなっています。わずか数年でこの有様かと、隔世の感があります。当時の感覚でレア度は星2としていますが、今や星3あたりが妥当なのかもしれません。
Lower Cambrian Lower Cambrian (Series2, Stage4) Near Kunming, Yunnan, China Redlichia mansuyitrilobite.person (orm)
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Ductina ductifrons
ドイツの三葉虫、ダクティナ・ダクティフロンス (Ductina ductifrons) です。 市場では、このドイツ産しか見かけたことがありませんが、イギリス、ロシアのウラル地方やポーランドのHoly cross Mts. などでも産出するようです。また有名な類似種として、中国産のダクティナ・ヴェトナミカ (Ductina vietnamica) がおりますが、こちらは二回り程サイズが大きいです。 ファコプスの仲間ですが、眼は二次性に退化して無くなっており、深海環境等に適応していた種なのではないかと考えられています。地味な趣の、コレクターには人気のない三葉虫ですが、三葉虫の進化や生態を考える上では、面白い種であります。
Devonian - Oberbergisches Land, Wuppertal, Eskesberg, Germany Ductina ductifronstrilobite.person (orm)
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Calymene niagarensis with Trimerus delphinocephalus (cephalon) and Caryocrinites ornatus
有名産地ロチェスター頁岩 (Rochester Shale) から、カリメネ・ニアガレンシス(Calymene niagarensis) の標本です。 ニアガレンシスはかつては、アメリカン三葉虫の中でも、トップ5入りするほど市場に出回っていた種だそうです。しかし、私がコレクションを始めた10年近く前には既にその数はけして多くなく、今でも入手は可能ではありますが、明らかに一層著減しております。 特に、某高級化石ストアの最上級の標本ともなると、 (この種にしては) 驚くべき価格が付いています。標本に貴賎なしと言いたくも、かつてのありふれた種がこうなるとは、否が応でも時の流れを感じずにはいれません。 なんのかんのと書きましたが、黒く艶やかなボディが美しい標準的カリメネで、好きな種であります。 三葉虫は見ての通り、巨大なトリメルス・デルフィノケファルス (Trimerus delphinocephalus)の頭部と、サッカーボール然としたウミリンゴ (Caryocrinites ornatus) に挟まれており、いかにも肩身が狭そうです。特にウミリンゴの保存は素晴らしく、表面の幾何学模様がよく残っています。 あとは実は、母岩の裏にはスピリファーが何匹が付いています (写真なし) 。 主役のわからない、面白い共産プレートです。
Middle silurian Rochester Middleport, NewYork, USA Calymene niagarensistrilobite.person (orm)
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Hydrocephalus carens (?) (juvenile specimen)
チェコのJince累層産のパラドキシデスの仲間です。 27mmと小さく、第3胸節の棘が長く伸びることから、幼体〜若い個体であると思われます。自由頬が失われがちなチェコのパラドキシデスですが、若年個体の場合はそう珍しいことではないものの、両頬ともしっかりと残存しております。標本周りは削ってあり、採取が比較的古い本産地標本に特徴的なプレップである気がします。 問題の種名ですが、ヒドロケファルス・カレンス (Hydrocephalus carens) として、裏面にラベルされております。カレンスは近縁種のP. gracilis (パラドキシデス・グラキリス) やH. minor (ヒドロケファルス・ミノル) などと比較しても、産出量が非常に少ない種であります。稀に、オレンジがかった個体が市場に登場しますが、両頬なしかつdisarticulated状態の標本が大半で、全貌が把握しづらい種であります。 ただ、ラベルがなければP. gracilisの若い個体と判断してしまいそうな見た目です。カレンスの幼体を見る機会はそうなく、種同定については疑問符がつき 、差し当たり (?) としておきます。
Middle Cambrian (Wuliuan? ) Jince Jince, N Pribam, Czech republik Hydrocephalus carens (?)trilobite.person (orm)
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Stenopareia oviformis
スウェーデンのオルドビス紀三葉虫の、ステノパレイア・オヴィフォルミス (Stenopareia oviformis) です。ボダ石灰岩累層 (Boda limestone fm) 産です。 同地域では90種ほどの三葉虫が見つかるようですが、特にEobronteus、Holotrachelus、Bumastus、Isocolusなどが、まれに市場で確認出来ます。これらが局所的な場所に、大量かつ佃煮状に産出すると言う、特徴的な産状があります。上に挙げた中ならば、Isocolus以外は完全体は皆無なのですが、サイズが割合大きく (※ Isocolusは極小) 、質感や色合いも素晴らしい為、部分化石ながらとても見栄えがします。 本標本も頭部と尾板のみで、しかも分離しておりますが、特に頭部が質感良く残っています。ぷっくりと膨れた頭部とちょこんと飛び出た小さな眼は中々の見もので、イラエヌス系特有のとぼけた表情が実にコミカルでもあります。
Upper Ordovician Boda Limestone North Ingels, Dalarna, Sweden Stenopareia oviformistrilobite.person (orm)
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Barrandia homfrayi
イギリスの三葉虫、バランディア・ホムフライ (Barrandia homfrayi) です。 属名は、かの有名な大家ヨアヒム・バランデ (Joachim Barrande) 先生からとったものと思われます。一方homfrayiは、ソルターなどとも交友のあった、19世紀初頭の化石蒐集家のデービット・ホムフレイ (David homfray) 氏由来と思われます (その確証は見つかりませんでしたが、おそらく) 。 人名 (属名)・人名(種小名)という、ネーミングからして面白い種です。余談ですが、Paradoxides davidisの種小名は、後者のfirst name由来であるようです。 ご覧の通りfree cheekが欠損しています。本当は楕円形のフォルムを持つ種なので、頬の有る無しで見た目がガラッと変わります。ただし本種のみならず、このような頭鞍が大きな三葉虫では、頬部が欠損してこそ異形感が醸し出される気がします。頬があるにこした事はありませんが、これはこれで私には面白く思えます。 イギリスらしい、風化した色合いの母岩・標本もいい感じです。
Lower Ordovician Hope shales Llanerch dingle, shropshire, UK Barrandia homfrayitrilobite.person (orm)
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Austerops salamander (?)
こちらは、確定的ではないですがモロッコのアウステロプス・サラマンデル (Austerops salamander) の可能性が高いのではないかと思われる標本です。 一時期、モロッコのファコプス類 (モロコプス、ボエコプス、ファコプス、アドリシオプス属など) の鑑別に凝っており、その一部の種の分類を、記載論文を参考にしつつ、私のブログなどで特集しておりました。その際、特に、アウステロプスを取り上げきれていないのが心残りでした。 この標本は実は2年ほど前に入手したのですが、何の種かよくわからずそのうち調べようと思い、どこにも公開せず死蔵しておりました。今回ふと思い立ちもう一度真面目に調べたところ、最初に抱いた印象通り、やはりアウステロプスの一種かなと思いましたので、過去の宿題の部分的な解消がてら、公開することに決めました。 一応はハミープレップとのことで、20mm足らずと小さいながらも、細部の構造がよく確認できます。写真ではよくわからないと思いますので、以下、簡単に特徴を描写しておきます。 頭鞍には細かい顆粒が無数にある一方で、頬部や胸尾部表面はツルッとしております。頭鞍の膨らみは弱め。頬部は狭く後方に角はなく丸みを帯びています。複眼の縦列の数は最大7個前後で、vertical rowで見れば、17-18列あるように見えます。全体的には際立った特徴はないのですが、ファコプス類としては全体的に平坦でかさが低い印象です。 これらの特徴を過不足なく満たすものとしては、アウステロプス・サラマンデルが第一の候補にあがります。各種モロコプス (Morocops) の類や、アドリシオプス・ウェウギ (Adrisiops weugi) 、ファコプス・アラウ (Phacops araw) などはいずれも、特徴が違い過ぎてハナから論外として、他に、パッと見でありうる種としては、 ・Boeckops stelcki (ボエコプス・ステルキ) ・Reedops pembertoni (リードプス・ペムベルトニ) ・Austerops speculator punctatus (アウステロプス・スペクラトル・プンクタトゥス) などが挙げられます。 ただボエコプス・ステルキとしては、側葉と中軸間の結節状構造がない事、頬部の細顆粒がないことから除外的で、リードプス・ペムベルトニとしては、頬部が狭い事、頬部の後部の角張りがない事から可能性は低いのでないかと思います。 アウステロプス・スペクラトル・プンクタトゥスは、流石に同属だけあり見分けづらいのです。ただ、プンクタトゥスの場合、頭鞍の顆粒が疎で、その間に無数のpitsがあるという特徴があります。本種ではそういった要素がなく、むしろ細かな顆粒が頭鞍の全体を覆っています。また複眼の構造も、プンクタゥスとは合わないように見えます。 少々長文になりましたが、そんなわけでこちらは暫定、アウステロプス・サラマンデルと考えております。最も小さいので、若年個体の可能性があり、成熟体と特徴が異なる場合、そこがやや怪しい点ではあります。
Middle devonian - Oudressa area, Morocco Austerops salamander (?)trilobite.person (orm)
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Ectillaenus perovalis
英国のシュロップシャーで産出のエクティラエヌス・ペロヴァリス (Ectillaenus perovalis) です。 エクティラエヌスはモロッコ含め各国で産出しますが、おとなしい見た目の為、あまりクローズアップされることがないように思います。この標本も、地味な英国産の中でも、輪をかけて地味な部類ではあります。 この標本では、泥質の頁岩系の母岩に、うまく黒系の鉱物が集積したのか、更に黒々とした本体が存在感を放っています。表面には艶もあり、地味ながらも、なかなかに美しい標本だなと思っています。 蒐集のだいぶ初期に入手した標本ですが、割とお気に入りでして、今後も放出の予定はなさそうな標本でもあります。
Middle Ordovician (Llanvirn (Darriwilian) series) Hope shales Minsterley, Shropshire, England Ectillaenus perovalistrilobite.person (orm)
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Damesella paronai
中国産三葉虫の独特さを体現するかのような種、ダメセラ・パロナイ (Damesella paronai) です。 大きく見れば、一応リカスの仲間 (Lichida) ではあるものの、ダメセラ上科 (Dameselloidea) に分類され、その見た目は、俗に言うリカスとは程遠い存在です。むしろ、同じ累層 (Kushan fm) で産出する蝙蝠石 (Neodrepanura premesnili, Blackwelderia sp. ) のうち、特に後者が、本種に似通っているように思えます (後者は、完全体が未だ見つかっていないので、あくまで尾部のみの比較ですが)。実際、分類上も、蝙蝠石は、同じダメセラ上科/科に属す近縁種であります。 ダメセラはフォルムが魅力的で、サイズも大きく見栄えが良く、蒐集初期からかなり気になる存在でした。しかし、当時は滅多に出回らなかった上、僅かに見かける標本は、非常にクリーニングの質が悪くその割にやたら高価という事で、敬遠しておりました。近年欧米の工房でクリーニングが為され、全体像がようやくはっきりすると同時に、それがきっかけになってか、多数の標本が市場に出回る様になりました。ただ、中国三葉虫の常として、遅かれ早かれ市場から姿を消すのではないかと予想しています。
Middle Cambrian (Wuliuan? ) Kushan Near Linyi, Shandong, China Damesella paronaitrilobite.person (orm)
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Nileus platys
ニレウスといえばロシア産の人気種、ニレウス・アルマジロ (Nileus armadillo) が有名ですが、近隣のスウェーデンやノルウェーでも似た種を産出します。 特にスウェーデンの南部に点在する産地には、オルドビス紀中期 (ダーリィニアン) の地層が広がっており、ロシア産の相当する三葉虫の類似種が少量ながら出ます。本種はそのうちの一つ、ニレウス・プラティス (Nileus platys) であります。この地域の三葉虫は、ロシア産ほどには保存が良くなく、この個体のように外殻が剥がれた標本が大多数です。 このプラティスのフォルムはアルジマジロそのままで、茶〜褐色に色付けしたような見た目をしています。ダンゴムシのように、コロコロと丸まっていて可愛らしい標本です。手持ちだった同スウェーデン産のイラエヌス・サルシはなんとなく手放してしまいましたが、本種は愛着があり、手元に残しました。
Middle Ordovician (Darriwilian (Llanvirn) ) - Ljungsbro, Oestergoetland, Sweden Nileus platystrilobite.person (orm)