Olenellus nevadensis

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ネバダ産のオレネルス・ネヴァデンシス (Olenellus nevadensis) です。
O.gilbertiやclarki、chiefensisなどと比較すると、市場で見かける機会が少なく、比較的希産と言える種です。

風化が進みやや表面が荒れていますが、尾棘含み67mm、含まずで45mm程度となかなか大型のサイズの標本です。

鑑別しづらいオレネルスの仲間でありますが、頭鞍先端〜頭部先端の間隔が他の同属に比較しても広い事、頭鞍が縦に長い六角形であること、胸部下部に長い棘が集中する事などから、ぱっと見で鑑別可能かと思います。

もっとも本標本では、特徴の一つの胸部下部の長い棘の付近が不明瞭ではっきりしません。

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  • 1. 魅惑の三葉虫 2019年11月23日 20:57
    やや風化していますが、基本全てのパーツが揃っていて大型の個体ですね。一流の標本を見てみると尾部のフリルが優雅に伸びていて、バランスとして美しいですね。イタリアのは、Latham ShaleでカルフォルニアMarble Mountain。ORMさんのはPioche F.M.でネバダとエリアが違うんですね。特徴的な尾部周辺のフリルが余り分からないので、o. nevadensisとして良いのか疑問はあります。
    2. trilo orm 2019年11月23日 23:47
    >>魅惑の三葉虫さん
    最大の特徴である尾部に向かう程長いフリルが失われているので、確かにこの標本は見分けが難しいですね。LathamとPiocheは採れるolenellusの種類がかなり被っていて、諸文献・図鑑を参照にすると、本種や、例えばfremontiやclarkiなどは、両産地で産出するようです。chiefensis、fremontiやfowleriとは、頭部だけでも、ぱっと見の見た目が本種と非常に異なっていて、迷う要素はないのと思うのですが、頭部だけでの判断で難しいのはclarkiとの鑑別かなと思います。
    個人的には、nevadensisは頭鞍と眼の頭部に占める割合が、clarkiよりも小さい事が特徴かなと思ってます。fowleriとclarkiの中間がnevadensisという感覚です。
    また、nevadensisはclarkiより、特に頭鞍先端から頭部先端までの長さが、明らかに長い事も特徴でしょうか。[頭鞍先端〜頭部先端までの長さ]を[頭鞍の前後の長さ]で割った値が、1/2以下ならclarki、1/2を明らかに越えており2/3程度ならnevadensisと判断する、1つの根拠としています(私が勝手に考えた方法ですので、根拠は乏しいですが…)。
    購入元の同定情報と、それら条件に合致する事から、この標本はおそらくnevadensisと判断しました。
    3. hdo 2019年12月09日 21:09
    ご無沙汰しております。立派なオレノイデスを入手されていたりMckay Groupの標本が揃ってきたりで北米三葉虫の充実ぶりが素晴らしいですね。

    オレネルスもメジャーどころは一通り揃った感じでしょうか。真ん中の棘がピンと伸びた標本は良いですね。いつ見てもアラクノモルファ感があるというか、ウミサソリやカブトガニなど鋏角類との関係性を想起させる魅力的なフォルムです。
    4. trilo orm 2019年12月09日 23:41
    >>hdoさん
    御無沙汰しております。
    まだまだ数は少ないですが、北米三葉虫で気に入った種がいると、どうしても優先してしまいます。他の地域と比べても一期一会の種が多いからでしょうか。

    オレネルスは、余り見かけない種から手に入れていったので、実はクラーキィのような、普遍種をまだ手に入れられてないんですよね。
    あまり考えた事はありませんでしたが、確かにオレネルス系は、ウミサソリのあの母岩の中を、泳ぐような形状に近いものを感じますね。

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