Olenoides superbus

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北米マージャム (Marjum) 産の三葉虫、オレノイデス・スペルブス (Olenoides superbus) です。

オレノイデスは、三葉虫コレクターにとって憧れの種の一つであります。中でもこのスペルブスという種は、巨大な体躯、盛り上がった頭鞍、太くしっかりした軸葉や胸尾部の棘などの要素が揃っており、さらに表面には艶があってとても格好の良い見栄えがする種です。
種小名のスペルブス ("素晴らしい"の意) の名に恥じぬ種かと思います。

この標本は、頭鞍や頬棘のしわ模様などの微細な構造が明瞭に確認できるほか、左胸部上方には治癒痕があります。治癒痕の辺縁は微妙に盛り上がっており、損傷後の治癒過程は、三葉虫でも現生生物と同じなんだなという、ある意味、当たり前のことが確認出来てそれも興味深いです。

提供者からの標本ラベルには、"Long spined" superbusとありましたが、通常のスペルブスと比較して長い棘とは何なのか、今ひとつ私には理解できておりません。

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  • 1. 魅惑の三葉虫 2020年03月20日 21:58
    何時か手に入れたい種類ですが、生涯のうちに私には手が届かないでしょうね。この標本、治癒痕が欠点かなと思っていましたが、この様に複数の写真を見てみると決してそんなことが無いことが分かってきます。大きさも質感も素晴らしく、クリーニングも一級である事がよくわかります。アノマロカリスの弱顎説は、その通りな仮説だと感じます、他に強力な捕食者はいないとなれば大きな傷跡は必ずしも捕食された訳ではなく、病気や脱皮失敗、共食いなど様々な要因はあると思います。

    ORMさんの勤め先がニュースになっていたので、気を揉んでいました。こちらのエリアは感染者が発見されていませんが、私も仕事柄毎日病院に行かなければならず、もはや運の気がしますが最低限の積み重ねを続けるしかないですね。
    2. smjpr672 orm 2020年03月20日 23:28
    >>魅惑の三葉虫さん
    こういった種では、対称性が一つの評価ポイントだと思っております。なので、それが捕食痕であれ何であれ、購入前はおっしゃるように、この欠けはどうしたものかなと私も考えていました。これは、2016年頃から断続的に出品が続いていて、徐々に安くはなっているのを知ってましたが、それでもこの標本にあの金額を出すのは如何なものかと。
    写真は所詮写真なので、魅惑の三葉虫さんなら良く御存知の通り、オンライン標本の良し悪しは、届くまでは一か八かであるかと思います。延々と迷った末、最後はもう、えいやっ、で買ったのですが、今回は賭けに勝ったかなと思ってます。その迫力と質感が、全ての些細なキズを吹き飛ばしてくれました。

    多くをアノマロカリスのせいにする風潮?には、以前から疑問に感じておりました。アノマロが脱皮直後を狙ったケースはあり得ると思いますが、仰るように病気、共喰いなど諸要因があったと考える方が妥当かなと感じます。にしても、スペルブスの傷痕率は異常に高いなと不思議ではあります。

    心配して下さって有難う御座います。
    幸い、私の勤務先は何とかコントロール管理下にあると思いますし私も元気です。それにしても、驚きましたが、魅惑三葉虫さんは少なからず私と近い業種だったんですね。

    人事を尽くせば、後は天命を待つのみですが、魅惑の三葉虫さんとその御家族と、こちらに来て頂いている全ての方々が、今回最後まで何もなく、健康に過ごせるようにお祈りしております。

    長文失礼しました。
    3. トリロビアン 2020年03月21日 18:02
    ほほぉ!! 立派なオレノイデスですね☆
    ガッシリとした体形に黒艶光りした色が良いですね。すごく心惹かれます。個人的にはBite mark(捕食痕)があるほうが "どうやって治癒したのだろうか" とか "だれにヤられたのだろうか" とか色々と想像でき、それ以前に見ごたえもあって好きですね。
    私もいずれは入手したい種ではありますが現状の私財だけでは無理っぽいです(笑) ormさんの三葉虫に掛ける情熱が凄すぎます!

    今コロナが世界中で蔓延してますね。そのお陰で海外から日本へ届くはずの三葉虫に遅延が生じてしまい我ながら苦労してます。お互い感染しないように気をつけましょうね。
    4. smjpr672 orm 2020年03月21日 19:23
    >>トリロビアンさん
    派手な見た目といい、知名度といい、三葉虫界におけるティラノサウルス的存在ですよね。ずっと眺めていても飽きない程、本当に格好良いです!

    美的には、バイトマークなどがない方が良いのかもしれませんが、一方で、整いすぎていると眺めて満足して、あまりそこから先がないでしょうかね。なので、病理部位などがある事で、仰るように、あれこれ検討の余地ができるので、これは良い点だなと思います。

    私が三葉虫に本気で嵌ったのが、所詮ここ5〜6年なので、魅惑の三葉虫さん、巣穴氏や立松先生に比べるとまだまだだと思うのですが、最近は自分でも呆れる程熱中してますね。本職もこれくらいのめり込めればなあ(多分人並みには真剣にやってますが‥)と思います 笑

    直近では、海外から標本を入手しておらず知りませんでしたが、やはりその辺りの物流にも影響が出ているんですね。それにしても、今回のコロナ騒ぎでは、人生は本当に何があるか分からない事を、実感させられました。

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    ktr

    2023/03/04 - 編集済み

    BPMの図鑑の PL60-b に短いトゲの O.superbus が出ているので、これと比べて長い、という意味ではないかと思いますが、どうでしょうか。

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    • やっぱりそう言う事なんでしょうかね。スペルブスは、棘の長さがも個体差がありますし、大きくなるに従い、尾部に向かって尻窄み型の体型から、楕円形の体型に変わるような気がして、バリエーションが割と豊富に思えますね。

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      ktr

      2023/03/05

      私はいまひとつこのオレノイデスという種類に明確なイメージが持てずにいますが、ヴァリエーションが豊富というのもひとつの理由のような気がしてきました。
      オレノイデスは無理でも、ドリピゲの1インチくらいのがあれば欲しいですね。

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      trilobite.person (orm)

      2023/03/05 - 編集済み

      オレノイデスって目立つので種類がはっきりしているようで、意外に類似種が多かったり、種内でのヴァリエーションが多かったり、sp.もまだ多かったりしますね。例えば、書籍TrilobitiやAMNHの掲載標本で、O.superbusの類似種にO.marjumensisという種がいますが、明確な違いはmarjumensisで尾板の棘が一対多いだけだったりしますね。
      O.valiなども、一見はっきりした種に思えますが、棘の長さがまちまちでO. rooksi(現時点では裸名のようです)との違いに悩み、過去に私のブログで皆にご意見を伺った事があります。ドリピゲも殆どオレノイデスのようなものだと考えていますが、あれも格好いいです。

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    三葉虫の巣穴

    2023/03/05 - 編集済み

    がっつりと喰われた身もだえが感じられる逸品です。

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    • 有難う御座います!
      喰われ標本マニアの巣穴さんにお墨付きが頂けると、なんだかより自信が持てます。

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