Paedeumias yorkense

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ペンシルバニア州のキンザーズ累層 (Kinzers fm) より産出の、ピードミアス・ヨーケンス (Paedeumias yorkense) です。

オレネルス類にしては、割としっかりした胸尾部を持ち、前後に長細い体躯を持つ種であります。希産ではありますが、厚みがある種なのか、他のオレネルスに比べると全体像がしっかり残っている標本が多い印象です。

産地のキンザーズでは、オレネルス超科 (Olenelloidea) が多く出る事が有名です。代表的な種には、本種以外に、Wanneria walcottana, Olenellus thompsoni, O. getziなどが確認できます。ただ、これらがランカスター群産であるのに対し、本種はヨーク群産と少し離れた場所から産出する事が知られています。

また少しややこしい話ですが、ヨーケンスは"オレネルス"ではなく、"ピードミアス"の属名を冠しております。
このオレネルスとピードミアスの違いは極めて微妙で、分類学上、それぞれが独立したクレード (単系統群) を成しておらず、入れ子構造になっているのが現状で、その分類は未だ議論が続いているようです。
実質ほぼ同属扱いであり、Olenellus (Paedeumias) terminatus、Olenellus (Paedeumias) transitansのように、両属併記となっている種も多く見かけます。

この標本はコレクションの初期の、最も蒐集に脂が乗っていた2016年頃に入手した標本です。久しぶりにコレクションケースから出しじっくり観察して、当時を思い出して懐かしい気持ちになりました。

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    ktr

    2023/11/12 - 編集済み

    2016年ですか。
    最近はほんとにこの手のものを見ませんね。
    いいときにいい買い物をされたんじゃないでしょうか。
    Paedeumias という名称は私も信山社の「世界の三葉虫」以来、悩みの種(?)です。
    なんとなく、Paedeumias というのは Olenellus の亜属名で、アメリカの東の方で産出するものにつけられているような気がします。

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    • 当時、オレネルスなら普通種だったO. chiefensis、gilbertiとかNephrolenellusなどすら、最近はまともな標本を見かけなくなりました。あのいい時期に、嵌まり込んで集められたのは、幸せな事だったんだなと今更ながら思います。
      東寄りに産出するものに多いというのは気づきませんでした。亜科などとは違ってあまり馴染みのない分類階級ですが、wikiなどにも、Paedeumiasは従来、Olenellusの亜属として見做されていたというような事が書いてありますね。

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    tatsutoy

    2023/11/12 - 編集済み

    1980年代のアメリカのアマチュア向フィールドガイドブックで恐縮ですが、当時Paedeumiasは、「体の中心線の隆起がくっきりしており、胸部がOrenellusよりも狭く、先細っている」の様な記述がありました。学術的な書き方ではありませんが、採取する方々向けのおおよその区別の目安といった感じでしょうか。

    https://www.amazon.com/National-Audubon-Society-American-Fossils/dp/0394524128

    can be distinguished by the median ridge that runs from the glabella to the anterior margin. Paedeumias also has a narrower, more tapering thorax than Olenellus.

    ご注意:三葉虫に関する資料は少ない本です。しかし当時はアメリカの三葉虫を知りたいときはもっとも役に立った本で、私は引っ越しの度に購入し、手元にあるのは1988年第5刷版です。

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    • 資料をありがとうございます、この本の存在は知りませんでした。

      確かに、個人的な感覚でも、本種や、Paedeumias terminatus、それからP (or O). chiefensisなどは他のオレネルスに比べると、胸部中心に細長い印象を受けるんですよね。
      中心線の隆起の明瞭さは気づかなかったのですが、言われてみるとそうかもなと思わないでもないですね。

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    Trilobites

    2023/11/15 - 編集済み

    この産地は、EXTINCTIONSが得意としていたなとebay見たら、今も一体出てました。華奢な体形をしていて、似ている様で他のオレネルスとは違う印象がありますね。

    属名に関して、あまり気に留めてなかったのですが、正直明確な違いで区別するほどでは無さそうですね。

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    • おっしゃる通りこの産地の種は、長年、extinctions以外からの出品をほぼ見かけないですね。間欠的にとはいえ、なんのかんのこの産地の種はずっと出品が続くので、相当数ストックしているんだろうなと思っています。

      何だかよく分からないO. thompsoni(と称されるもの)などと比べると、本種は細長いフォルムで、見分け易い気がします。属名に関しては、専門家も整理しきれないレベルの話のようですので、我々が気にかけるような事柄ではないかもしれません。

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