Paedeumias yorkense
ペンシルバニア州のキンザーズ累層 (Kinzers fm) より産出の、ピードミアス・ヨーケンス (Paedeumias yorkense) です。
オレネルス類にしては、割としっかりした胸尾部を持ち、前後に長細い体躯を持つ種であります。希産ではありますが、厚みがある種なのか、他のオレネルスに比べると全体像がしっかり残っている標本が多い印象です。
産地のキンザーズでは、オレネルス超科 (Olenelloidea) が多く出る事が有名です。代表的な種には、本種以外に、Wanneria walcottana, Olenellus thompsoni, O. getziなどが確認できます。ただ、これらがランカスター群産であるのに対し、本種はヨーク群産と少し離れた場所から産出する事が知られています。
また少しややこしい話ですが、ヨーケンスは"オレネルス"ではなく、"ピードミアス"の属名を冠しております。
このオレネルスとピードミアスの違いは極めて微妙で、分類学上、それぞれが独立したクレード (単系統群) を成しておらず、入れ子構造になっているのが現状で、その分類は未だ議論が続いているようです。
実質ほぼ同属扱いであり、Olenellus (Paedeumias) terminatus、Olenellus (Paedeumias) transitansのように、両属併記となっている種も多く見かけます。
この標本はコレクションの初期の、最も蒐集に脂が乗っていた2016年頃に入手した標本です。久しぶりにコレクションケースから出しじっくり観察して、当時を思い出して懐かしい気持ちになりました。
Lower Cambrian (Series2, Stage4)
Kinzers
York county, Pensylvania
Paedeumias yorkense
trilobite.person (orm)