Menomonia semele

0

ウィークス産の三葉虫、メノモニア・セメレ (menomonia semele) です。
数の少ないウィークス産にしては、セダリア・ミノル (Cedaria minor) に次いで産出が多い種と思います。ただ、比較的地層による影響が少なめのウィークスにしては、捻れた標本、横向きの標本、ボケたような個体が大半で、満足のいく標本がひどく少ない種でもあるように感じます。

この個体は、眼や顔線 (facial suture) 、頭部先端のヘラの細部がよくわかり、頭鞍の2列 x 3の顆粒、中軸の2列の顆粒なども明瞭に観察でき、保存状態がとてもいいです。それだけに、尾部がぐちゃっと、disarticulatedな状態になっている事が少々惜しい点です。

本体に比べれば大きな母岩の真ん中に、ポツンと寂しげに佇むこの構図も、どこかシュールで気に入っています。

一般にはあまり注目される種ではない気がしますが、前方よりの飛び出した寄り目、胸部の節の多さなど、ユニークな形質のセットを持っており、好みのタイプの三葉虫であります。

Default
  • File

    Trilobites

    2023/09/03 - 編集済み

    本種もWeeksが閉鎖されて年数が経ちますし、もう状態の良い個体が見れなくなってきましたね。小さい種なので地味に思えますが、拡大すると寄り目と長い胸節をいう非常に特徴的な姿をしていて、棘がなくても個性がみられる種類ですね。

    返信する
    • 流石に、セダリアなどであればまだ良い標本も入手可能ですが、一般種のこの種ですら良いものは難しくなりましたね。尾部が良い状態のものが手に入れば更新したいものです。
      あとは希少種版メノモニアとも言える、M. sahratianiも運が向けば、いつか良い標本を入手したみたいものです。Trilobitesさんお持ちのsahratianiは本当に良い個体ですね。

      返信する