西ドイツ/青少年福祉 1988.4.14【World Topics Stamp Collection】

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『世界を席捲したロックスター』

 日本では、毎年4月に「切手趣味週間」、10月に「国際文通週間」の切手が恒例発行されているが、西ドイツでは、4月に「青少年福祉」、10月には「社会福祉」の寄付金つき切手が発行されている。

 今回の「青少年福祉」は、ロックミュージシャンを描く人物図案。バディ・ホリー、エルビス・プレスリー、ジム・モリスン、ジョン・レノンが選ばれた。1962年に始まった「青少年福祉」は、毎年4種セットで、図案にはトピカルのテーマがひとつ選ばれる。これまで多かったのは乗り物(過去8回)と動物(過去5回)。現代人物が登場するのは初めてのことだ。

 50+25ペニヒに描かれたのはバディー・ホリー。彼は、チャック・ベリー、エバリーブラザーズと並んで、ビートルズ以前のイギリス・ロック界に大きな影響を与えたロックン・ローラーだ。

 60+30ペニヒは、ロックン・ローラーの元祖、エルビス・プレスリー。「ハートブレイク・ホテル」、「ハウンド・ドッグ」、「ラブ・ミー・テンダー」など次々と大ヒットを放ち、押しも押されもしないナンバー・ワン・シンガーとして、後世に名を残した。エルビスは、1950年代のティーン・エイジャーの代弁者であり、憧れそのものであった。なお、エルビス・プレスリーの切手は、カリブ海やアフリカの小国では発行されたことがあるが、西欧では今回が初めてのこと。

 70+35ペニヒの切手に描かれたのは、"ドアーズ"のボーカリストとして活躍したジム・モリスン。"ドアーズ"は1967年にレコードデビュー。セカンド・シングル「ハートに火をつけて」の大ヒットで、決定的人気を得た。なかでも、この切手のジム・モリスンは、「ステージが挑発すぎる」と社会的論議が集中した。1969年には、マイアミ公開中にワイセツ行為で逮捕されたり、また近親相姦をはじめ、既成の道徳観をくつがえす歌詞を歌うこともあったり、センセーションな話題に欠くことはかかった。

 80+40ペニヒの方は、ロックン・ロールで世界を席捲した"ビートルズ"のジョン・レノン。イギリスからアメリカに上陸し、やがて世界中を熱狂させたビートルズのなかでも、リーダーとして活躍したジョン・レノンは、解散後も、愛と平和をテーマに作曲活動を続けた。最後としては、あまりに壮絶なものであったが、彼のカリスマ性を考えると、スーパースターらしい死であったかも知れない。

※1988年当初の説明です。

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