くらしの昭和史 昭和のくらし博物館から (朝日選書)
朝日新聞出版 2017年
昭和30年代は史上、もっともくらしが充実した時代だった。
昭和以後普及したちゃぶ台を囲んで、一家団欒が満面開花する。
戦争中のもんぺ着用、戦後の衣服払底を画期に、キモノから洋服への衣服革命が進行したのも昭和20~30年代半ばであった。
また明治以来の西洋医学が一般家庭に普及し、吸入器や注射器を常備するなど、家庭看護がハイレベルで浸透したのも、結核はじめ伝染病の根治が可能となる直前の、この時代のことであった。
著者が館長をつとめる「昭和の暮らし博物館」では、17年に及ぶ企画展示でくらしの変化とその要因を詳細に検証してきた。
その成果をまとめ、戦争、敗戦から経済成長による奇跡の発展を遂げた昭和史の変化と画期を、鮮やかに描き出す。