「いま、ウッディな香りが面白い」渡辺佳子×小泉祐貴子 LIVE対談レポート 〜ウッディ系フレグランスの変遷と、いま注目の香りアイテム〜

「いま、ウッディな香りが面白い」渡辺佳子×小泉祐貴子 LIVE対談レポート  〜ウッディ系フレグランスの変遷と、いま注目の香りアイテム〜_image

写真/新澤遥
イラスト/shie

香り風景デザイナー・小泉祐貴子さんによるフレグランス連載【本物の香りを見極めるために】の特別企画として開催したオンライン対談をレポート。「日本フレグランス大賞2020」で審査員を務め、美容業界の第一線で活躍されている美容ジャーナリストの渡辺佳子さんをお迎えし、ウッディ(=樹木)系の香りをテーマに対談を行いました。

この直近、改めてウッディ系フレグランスの動きに目が離せないという渡辺さん。長く男性向けだと思われていたウッディの香りが、女性からも支持を集めていきそうだというのです。いったいどんな進化をし、どうしていま惹かれるのでしょう?

今回は、そんなウッディ系フレグランスをとりまく背景をはじめ、ウッディノートの解説、メンズフレグランスにおけるウッディの歴史から現在の使われ方などを実例をお見せしながらお話しいただきました。トーク後半では、渡辺さんがいま気になるオススメの最新ウッディアイテムもご紹介しています。

LIVE登壇者を紹介

MuuseoSquareイメージ

美容ジャーナリスト・渡辺佳子

1986年以来、美容に関わる記事の企画構成や取材執筆、化粧品売場のプロデュースなどを続け、今年でキャリア35年目となる美容ジャーナリスト。2020年には10月1日の香水の日に発表となった「日本フレグランス大賞2020」の審査員も務める。
インスタグラム「@twi_tkmk」で最新の美容・フレグランス情報をいち早く配信し、幅広い世代から注目されている。

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香り風景デザイナー・小泉祐貴子

資生堂を経て、名立たるハイブランドの香水の制作で知られる香料会社フィルメニッヒで、十数年に渡り香りの開発やマーケティングの現場に携わる。独立後は香水のプロデュースや香りのコンサルティング、香りの空間づくりなど幅広く手掛けている。2020年にパリを拠点とする本格的な香りのスクールの日本校「サンキエムソンス ジャポン」を創立。香りの仕事に携わる人や、香水・香りファンの育成にも力を入れる。 京都芸術大学非常勤講師。

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いま気になるのは、木の気配を感じさせる香り

小泉:対談が決まった時、渡辺さんから「最近ウッディが気になる」というお話がありました。香水市場では、近年ウッディの香りは進化を遂げており、新しい香りもどんどん出てきています。香りのトレンドをお話しするという意味でも面白いテーマですので、今回はウッディをテーマにしましょうとすぐに決まりましたね。
渡辺さん、まずウッディの香りが気になったのはどういう背景でしょうか?

渡辺:2020年に入って間もなくライフスタイルが突然変化し、家にいなさい(ステイホーム)となった時、その少し前に手に入れていたビープルバイコスメキッチンで販売されている「ストーンバンドル クォーツ」に入っている香木〝パロサント〟がすごく助けになりました。
パロが「スティック」、サントが「聖なる」という意味のようで、主に中南米で〝聖なる木〟と呼ばれ火をつけて焚いて空間を浄化するために使われているものです。

<a href="https://store.biople.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=4573489311760&vid=&bid=BP01&cat=&swrd=%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%83%90%e3%83%b3%e3%83%89%e3%83%ab+%e3%82%af%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%83%84" target="_blank">ストーンバンドル クォーツ</a>  ¥2,090(税込)/ビープルバイコスメキッチン

ストーンバンドル クォーツ ¥2,090(税込)/ビープルバイコスメキッチン

渡辺:私自身は焚くよりも直接香りを嗅ぐほうが好きなんですよね。仕事中に考えがまとまらなかったり、煮詰まってきたりした時に嗅ぐとすごく気分転換になるので、パソコン周りに置いておいたり、寝室の窓辺に吊るしたりして香らせています。
何年も前からパロサントは知っていましたが、なぜ急に胸に響くようになったのか不思議で考えると、家の中での生活が中心になり、外に行けないことに対してのストレスが知らぬうちに溜まって、それを解放してくれる役割があるのかなと気付きました。そこから2020年に気になったものを振り返ってみると、花やフルーツではなく、木や森を連想させる香りがすごく心に残っていました。

ところで、直近で大ヒットした大河ドラマ『麒麟がくる』で、織田信長が自分の威信を示すために蘭奢待(らんじゃたい)という香木を授けてもらう場面が出てきましたよね。ここにもウッディ話が!と盛り上がったのですが。

小泉:はい、蘭奢待は有名な香木で、香り、特にお香に興味がある方はご存知かと思います。
蘭奢待は沈香(じんこう)という東南アジア原産の香木の一種で、傷がついたり、虫に食われたりした時に、木が自身の傷を癒すために出す樹脂が固まったものです。樹脂が沈着することで比重が重くなり、水に沈むようになります。そういった木のことを沈香(水に沈む香木)と呼びますが、その中でも蘭奢待は最高級の伽羅(きゃら)と呼ばれる香りです。奈良・東大寺の宝物展が開催される時に一般公開されることもあります。

渡辺:中南米という遠い土地で使われているものなので自分たちとは別の世界の話かと思うかもしれませんが、日本にも古来より香木を尊ぶ文化はあったのですよね。
こうして気にしてみると、木にまつわるいろいろな話を収集できて楽しいわけなのですが、実はフレグランス界でのウッディノート(ウッディ調)の定義を詳しく知らないので、今回は小泉さんに伺えればと思います。

ウッディノートってなに?

小泉:「ウッディノート」という言葉は耳にすることも多いと思います。ウッディノートというのは、「香調」と呼ばれる香りのタイプの分類で、森の中に入った時に感じるしっとりとした木や土の感じ、森に包まれるような安心感のある香りを全般的にウッディノートと呼びます。サンダルウッド(白檀)やシダーウッドなど、実際に木を原料としている香料が多いですね。

渡辺:木から香りを抽出したものをウッディノートだと思っていたのですが、木ではない素材も見受けられますよね?

小泉:そうなんです。木以外の素材では、乾燥したシソ科の植物の葉っぱから香料を抽出するパチョリや、イネ科の植物の根から抽出したベチバーなどがあります。

渡辺:ベチバーはイネ科なんですね。根というのは習いましたが、特殊な木の根だと思っていました。

小泉:ほかにも木に付着する苔から抽出するオークモスという香料もあります。木だけではなく、色々な素材から抽出した香りでウッディノートは作られているのですよ。

渡辺:ウッディノートはメンズフレグランスを代表する香調と学びましたけれど。

小泉:ウッディノートはメンズの香水に多く使われてきたという歴史があります。が、最初の女性用のウッディの香水は、1926年にシャネルが世に送り出した「ボア デ ジル」という香水だと言われています。

渡辺:ボア デ ジルはパリのカンボン通りにあるシャネル本店でしか買えないと90年代に記事にしたことがあって知っていましたが、そんなに古い時代に作られていたんですね。

小泉:今でも「レ ゼクスクルジフ ドゥ シャネル」というコレクションラインに残されており、購入することもできます。サンダルウッドを中心に、イランイランも使われており、品がある洗練された香りは今でも色褪せない素敵な香りです。

渡辺:マドモアゼル シャネルは女性をコルセットから解放したり、メンズの素材だったツイードを女性のファッションに取り入れたり、とても先進的で女性の選択の幅を広げてくれた人ですね。香水においても、ウッディを誰よりも先に広めていたというのは感慨深いですね。

小泉:時代にすごく敏感なデザイナーだと思います。シャネルは「N°5」でも当時まだあまり使われていなかったアルデヒドという合成香料をうまく使い、新しい時代の香り作りをして香水界に革命を起こしたんですよ。

渡辺:今こうして注目してほしいと思ってフォーカスしているウッディ系を、100年近く前に作っていることに驚きました。

小泉:新しい時代のエッセンスを表現する香りは、その後も何十年と残っていく香りになります。いま、新しく出てきているウッディの香りには次の時代のスタンダードになるものがあるかもしれないですね。

知っておきたいウッディノートの名作〈歴史的な名香3作〉

小泉:次は、知っておきたいウッディノートの名作として、歴史的な名香3作をご紹介していきます。

GUERLAIN(ゲラン) ベチバー

<a href="https://www.guerlain.com/jp/ja-jp/p/vetiver-eau-de-toilette-P030318.html" target="_blank">ベチバー</a> オーデトワレ[100mL]¥13,200(税込)/ゲラン
※提供写真

ベチバー オーデトワレ[100mL]¥13,200(税込)/ゲラン
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渡辺:私が先ほど触れたウッディ=メンズ(「ウッディノートはメンズフレグランスを代表する香調と学びました」の部分)というのは、ゲランの「ベチバー」を念頭に置いていたわけなのですが。

小泉:ウッディ=男性ものの香り、という認識は、香水の歴史からみると間違ってはいないですよ。

渡辺:やはりゲランからこの香りが出たことは大きかったのですか?

小泉:大きかったですね。ウッディノートがメンズの香水の中でトレンドを作り始めるのが1950年代なのですが、1950、60年代はベチバーを使ったウッディの香りがトレンドでした。その時の代表が1959年にゲランから出たベチバーです。

渡辺:ゲラン家の4代目調香師であるジャン・ポール・ゲランの調香で、就任して間もなく作ったと聞いています。

小泉:ウッディの中でもベチバーを使ったフレッシュなタイプの香りです。香水の構造を話す時に、香りの揮発性(飛びやすさ)からトップ・ミドル・ベースとピラミッドの形になぞらえて分類することが多いのですが、この香りはトップノートにシトラス、ミドルノートにナツメグ、ペッパーなどスパイスが香り、ベースノートにベチバー、タバコ、トンカビーンが香ります。香水全体としての骨格を作っているのはベチバーで、ドライかつスパイシー、格好よく透明感のある香りです。

CHANEL(シャネル) エゴイスト

<a href="https://www.chanel.com/ja_JP/fragrance-beauty/fragrance/p/men/egoiste/egoiste-eau-de-toilette-spray-p114450.html#skuid-0114460" target="_blank">エゴイスト</a> オードゥ トワレット[100mL]¥14,630(税込)/シャネル
※提供写真

エゴイスト オードゥ トワレット[100mL]¥14,630(税込)/シャネル
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小泉:歴史的な名香3作の2つ目は、1990年に発売されたシャネルの「エゴイスト」です。シャネルの3代目専属調香師ジャック ポルジュが作った名作ですね。スパイシーさを感じるウッディの香りです。

渡辺:発売時のことを今でもよく覚えています。私の中でエゴイストという名前と、この香りが持っている甘さのギャップは魅力の1つで、香りを嗅いだ時にとても驚きました。コマーシャルもすごく印象的でしたね。窓がたくさんある豪邸で、窓が1つ1つ開くと美女たちが「エゴイスト!」と口々に叫ぶものでした。

小泉:エゴイストな男性が女性を振り回すようなイメージでしょうか?

渡辺:最後に映った窓から男性の手だけが出てきて、香水を置いてまた窓を閉めるんです。

小泉:香りが残っていて、そこに男性の存在が重なるということですね。

渡辺:そんなに女性を泣かせるようなクールなイメージなのかと思ったら、女性が使っても良いくらいの甘さがあって。

小泉:それまでのメンズのウッディの香水はダークなところがありました。木の香りの安心感はあるけれど、濁った重さのあるウッディが多かったのですが、エゴイストは違った。

渡辺:これのウッディな要素はサンダルウッドですか?

小泉:サンダルウッドが効いていますね。ミドルにローズを使っていることで女性らしい柔らかさが出て、ベースに使っているバニラの甘さによって女性がつけてもおかしくないメンズの香水になっています。

渡辺:ウッディは何と組み合わせるかですごく変わりますね。

小泉:はい、印象が変わりますよね。ウッディをどのくらい前面に出すかということでも変わってきます。ウッディの香調自体は、ほとんど全てと言って良いくらい多くの香水に要素として入っています。それが前面に出てくることで、その香水はウッディの香水と分類されるのです。

渡辺:このコマーシャルは歴史に残る名作なので、皆さんもぜひ一度は見てみていただきたいです。

小泉:最近ではディオールの香水のCMをテレビで目にすることがありますが、日本では海外に比べて香水のCMが流れることは圧倒的に少ないです。香水の世界観はパッケージや広告などビジュアルを通しても伝わるよう、特にCMは多額の費用をかけて、まるで映画のワンシーンのように作り込まれているので、ご覧になれる方はぜひチェックしてみてください!

BVLGARI(ブルガリ) ブルガリ プールオム

<a href="https://www.bulgari.com/ja-jp/83150.html" target="_blank">ブルガリ プールオム</a> オードトワレ[100mL]¥13,310(税込)/ブルガリ パルファン
※提供写真

ブルガリ プールオム オードトワレ[100mL]¥13,310(税込)/ブルガリ パルファン
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小泉:歴史的な名香3作の3つ目の香水は、1995年に発売されたブルガリの「ブルガリ プールオム」です。ジャック・キャヴァリエという調香師が作った香水で、彼は以前は私と同じフィルメニッヒに所属していましたが、今はLVMHグループの香水の統括をしています。天才的な調香師ですね。

渡辺:これは発売当時は、ウッディの香りという感覚が私の中にはありませんでした。ダージリンティーの香りというように紹介されていまして。ブルガリの香りはまず「オ・パフメ」というグリーンティーの香りが大ヒットしましたよね。

小泉:はい、きれいな薄緑色のボトルが印象的ですね。

渡辺:次にレディースでジャスミンティーの香り、そしてダージリンティーの香りはメンズということで。今回ウッディの要素は何なのか調べましたら、グァイアックウッドが入っていることに初めて気付きました。グァイアックウッドというのは、冒頭で紹介したパロサントの素材の一種と思ってよいですか?

小泉:厳密に言うと品種は違いますが、植物学的には同じ科に属しており似たような香り立ちがあるようです。グァイアックウッドの香りは、少しスモーキーさがあってバラを思い出すようなロージー感があります。ブルガリ プールオムにはローズウッドも使われていますね。

渡辺:いま嗅いでピンとくるパロサント的な香りが、1995年に既に入っていることが凄いなと思いました。バブルが崩壊して、リラックス感や癒しが欲しい時代だったので、ブルガリ プールオムを「誰につけてもらいたいか」と当時よく話していたのですが、同時に「自分たちが使っても良いよね」と言う結論にもなったりして。

小泉:ちょうどバブルが崩壊した頃で、その後女性の社会進出が進むなかで、男前を目指す女性たちに支持されましたね。メンズの香りとして発売されていますが、女性も普通につけることができるので、今もなお女性ユーザーと男性ユーザーが半々くらいいる香りです。

渡辺:上手な使い方のウッディだからかなと思いますね。

小泉:トップのダージリンティー、シトラスの軽さと明るさ、ボトムのムスクも綺麗に効いているので清潔感があるつけやすい香りになったのだと思います。

以上3つがウッディノートの名作として紹介した3作ですが、それぞれウッディという枠組みを外しても名香ですので、ぜひ一度どこかで嗅いでいただけると良いなと思います。

知っておきたいウッディノートの名作〈個性が際立つ3作〉

小泉:2000年以降に時代が変わってきて、男性らしさ、女性らしさというもの自体が少しずつ変わり始めました。昨今のLGBTの動きに繋がるようなその変化が社会全体に起こっていく中で、社会のトレンドを反映する香りにも変化が起き、香水の中でウッディを取り上げても、ウッディのあり方や表現の仕方の変化が起きていきました。

香水専門のブランドのことを「スペシャリティ」と呼びますが、そうしたニッチなブランドは新しい時代の香りを積極的に取り込み、斬新な香水を発売します。また、発売される香水は、香りの幅も広く偏りが少ないという特徴もあります。2010年頃からそうしたブランドから発売される香水に、非常にウッディの香りが目立ち始めます。そのうちから、知っておきたいウッディノートの名作・個性が際立つ3作として3つの香りをご紹介していきたいと思います。

HERMÈS(エルメス) ヴォヤージュ ドゥ エルメス

 <a href="https://www.hermes.com/jp/ja/product/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%AC-%E3%80%8A%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%A4%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A5-%E3%83%89%E3%82%A5-%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%82%B9%E3%80%8B-V26213/" target="_blank">ヴォヤージュ ドゥ エルメス</a> オードトワレ ナチュラルスプレー[35ml]¥12,760(税込)/エルメス
※提供写真

ヴォヤージュ ドゥ エルメス オードトワレ ナチュラルスプレー[35ml]¥12,760(税込)/エルメス
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小泉:1つ目は2010年にエルメスから発売された「ヴォヤージュ ドゥ エルメス」です。私も大好きな香りで、エルメスの有名な専属調香師のジャン=クロード・エレナによる名作です。

渡辺:調香師の中でもレジェンドオブレジェンドですね。ウッディの中でも軽くてさわやかな香りですが、何がウッディ要素になっていますか?

小泉:ウッディの素材としては、爽やかな明るさのあるシダーウッドが特徴的ですね。シダーウッドの香りは針葉樹林に入った時をイメージしていただけると分かりやすいと思いますが、とても爽やかでさっぱりしたウッディノートです。ヴォヤージュ ドゥ エルメスには、オードトワレの他にパルファムもあります。パルファムの方では、サンダルウッド(白檀)が用いられており、クリーミーな柔らかさがあり、甘さや温かさも感じる香りです。

オードトワレはシダーウッドのほうがより強く出ていて、加えてトップのシトラス感やミドルのジュニパーベリーによるハーブの爽やかさも感じます。「ウッディがこんなにかっこよくなるんだ!」と発売当時に衝撃を受けたことを今でも覚えています。

LE LABO(ル ラボ) サンタル 33

<a href="https://www.lelabofragrances.jp/shop/detail?item_code=310101a&color_code=100" target="_blank">サンタル 33</a> オード パルファム[100mL]¥34,100(税込)/ル ラボ

サンタル 33 オード パルファム[100mL]¥34,100(税込)/ル ラボ

小泉:個性が際立つ3作の2つ目は、2011年にル ラボから発売された「サンタル 33」です。

渡辺:ザ・サンダルウッドですね。サンタルという名前がすでにフランス語でサンダルウッドの意味ですし。

小泉:ル ラボの香水は「サンタル」などの名前の後に必ず数字が来るのですが、この数字はその香水を作る時に香料をいくつ混ぜているか、処方の中に何種類の香料を使っているかを表しています。

渡辺:本当に個性的ですが、これしかつけないという人も私の周りにいます。

小泉:サンダルウッドの香りが好きな方はものすごくファンになる香水ですが、サンダルウッドの香りが苦手な方もいらっしゃるんです。

渡辺:実を言うと、私はサンダルウッド入りのものは長いこと苦手なジャンルでした。ところがある時に、私にとっては乾いた気候の土地で嗅ぐとすーっと入ってくる、気持ちがいい、嗅いでいたいということに気付き、サンダルウッドは湿度の状況ですごく変わるのだなと実感しました。

小泉:おっしゃる通り香り立ちは環境によって変わります。湿度が高い時の方が強く香るので、夏場など湿度が高い時には、特にサンダルウッドのように甘さや温かさがある香りをつけると、パワーやボリュームに負けてしまい、苦手に思うことがあるかもしれないですね。そういう時は少しドライな季節に使ったり、ヨーロッパなど空気が乾燥している旅先で使ったりすると印象が違ってつけやすくなることもあると思います。

渡辺:年齢的なこともあるのか、木を欲しているからなのか分からないですけど、最近はサンダルウッドが大丈夫などころか、どんどん好きになってきて、サンタル 33も好きな香りの1つになっています。自分の気持ちも変わっているかもしれないので、香りの素材で一度苦手だと思ったものがあっても、そのまま避け続けないほうがいいですね。

小泉:昔読んだ本を読み返してみると、今まで気付かなかったことに気づいたり、新たな発見があったりしますよね。
香水も一緒で、若い頃に気に入って使っていた香水をもう一度つけてみようと思って嗅いでみると、今の自分には物足りないと思うこともあれば、若い頃に手が出せなかった香りも今嗅いでみると心地よくしっくりくるなんてこともあります。香りが感じさせる年輪のようなものに自分が追い付いてきたのかもしれません。同じ素材が使われている香水でも、何と組み合わせるかで全体のニュアンスが変わってくるので、苦手な素材だと遠ざけてしまわずに、ぜひ嗅いでみてください。

TOM FORD BEAUTY(トム フォード ビューティ) ウード・ウッド オード パルファム スプレィ

 <a href="https://meeco.mistore.jp/meeco/product/7780900000000000000001007322.html" target="_blank">ウード・ウッド オード パルファム スプレィ</a>[50ml]¥30,800(税込)/トム フォード ビューティ

ウード・ウッド オード パルファム スプレィ[50ml]¥30,800(税込)/トム フォード ビューティ

小泉:個性が際立つ3作の3つ目は、ウッディの中でも一番最近のトレンドであるウードの香り。トム フォード ビューティの「ウード・ウッド」という香水です。

渡辺:ウードというのが、(冒頭の)織田信長のところでもお話した沈香なわけですよね。

小泉:沈香から抽出した香料ですから、お香のような香りですね。

渡辺:2000年後半にウード系が急に流行ってきて、当時何かの香りを試して「この珍しい香りは何を使っているんですか?」と尋ねたところ、「ウードです」と言われたので「ウードはウッドですか?」と聞いたところ、「ウッドではなく、ウードです」と言われ、しばらく釈然としなかった思い出があります。

小泉:ウードとウッド、似ていますよね。ウードはウッドのひとつですが、当時は耳慣れない言葉でしたし、そういう認識もなかったのかもしれません。

渡辺:紐解いていったら沈香のことで、なるほど〜と。

小泉:ウードが世界的ブームになった火付け役は中東です。中東の方たちはものすごく濃厚で、重たいウッドが大好きで、2005年あたりに中東でウードが爆発的に人気が出始めました。その後、トム フォードのような先進的なデザイナーたちを虜にして、彼らのブランドでウードの香水がたくさん出てきました。まもなく多くの香水ブランドに広がっていくという流れがありました。

渡辺:中東の方たちは焚きしめるように香りを使いますね。

小泉:ウードはそういう方たちの嗜好を捉えた香りです。例えば私がウードの香りをつけていたら、この部屋中が香るくらいのパワーはありますね。当初は中東の方が好むもの、サフロンなどと組み合わせた少し脂っこく重たい感じのウードが世の中に出てきていました。日本人には少し難しいものが多かったのですが、最近は軽めに爽やかに仕上げたウードの香水も出てきています。

2000年を越えたあたりから男性がつけるだけではなく、女性も自分の香りとして使えるウッディの香水がどんどん登場し始めました。昨今のステイホームによるストレスフルな状況の中で、ウッディノートは自然を感じる香りとしての意義もあるのかもしれないですね。特に感度の高い方たちに、とても注目されつつある香りです。

2020年代の癒し系、ウッディタッチの新作

小泉:次は最新作、「2020年代の癒し系、ウッディタッチの新作」として、渡辺さんおすすめのウッディ系の香水も5点ご紹介していただきます。

渡辺:(冒頭で)パロサントから自分の森や木に対する欲求のお話をしたのですが、その中でこれはすごく気持ちがいいなというもの。例えば、自分がセレクトショップで何を置くかを決める担当だったら、これを置きたいという目線で選びました。

ELLA K(エラ ケイ) カラハリの叫び

 <a href="https://www.forte-tyo.co.jp/shopping/ellak/5145/" target="_blank">カラハリの叫び</a> オードパルファン[70mL]¥28,600(税込)/エラ ケイ(フォルテ)

カラハリの叫び オードパルファン[70mL]¥28,600(税込)/エラ ケイ(フォルテ)

渡辺:まずは、エラ ケイの「カラハリの叫び」。この香りはアフリカがテーマです。ブランドの創始者であり調香師のソニア・コンスタンがアフリカ南部に位置するカラハリ砂漠へ旅をした時、現地にあるバオバブの木の香りを特別な装置を使って採取し、それを分析して活かしたと聞きました。それはどういう方法ですか?

小泉:セントトレックという方法を使ったそうです。一般的にはヘッドスペース法と呼ばれる方法で、セントトレックはジボダン社のヘッドスペース法の名前です。ヘッドスペース法というのは、花が咲いていたとしたら、その花の香りをそのまま集めてきて、その空気を分析することでどのような香り成分が含まれているかを解析し、その香りを再構築していく方法です。咲いている花全体を閉じ込めるような装置をつけ、その中の空気を何十時間もかけて集めてきて分析します。
バオバブのセントトレックでは、樹幹や枝などに覆いをつけて空気を採取したのではないかと思います。

渡辺:だから、バオバブってこういう香りなんだと思うと同時に、アフリカの乾いた空気のようなものも感じるのですね。
お話を聞いて、とても納得がいきました。使い方としては、この香りはもう本当に「木」そのものなので、仕事などで煮詰まった時に嗅いでみてください。アフリカの広大な土地を吹いてくる風すら感じられるので、心を解放してくれるパワーがある気がします。小泉さんはどのような印象をお持ちですか?

小泉:本当にザ・木の香りですよね。サンダルウッドとシダーウッド、両方を感じるようなバランスが取れていて、パチョリも効いています。バオバブの木を直接嗅いだことはないので嗅いでみたくなります。乾いた空気や熱風も一緒に感じられるようなドライな印象ですね。

FIVEISM × THREE(ファイブイズム バイ スリー) タッチング フロム ア ディスタンス

 <a href="https://www.fiveism-x-three.com/futurememory/" target="_blank">タッチング フロム ア ディスタンス フューチャー メモリー</a> オードパルファン[50mL]¥13,200(税込)/ファイブイズム バイ スリー

タッチング フロム ア ディスタンス フューチャー メモリー オードパルファン[50mL]¥13,200(税込)/ファイブイズム バイ スリー

渡辺:2つ目が、ファイブイズム バイ スリーの「タッチング フロム ア ディスタンス フューチャー メモリー」です。ファイブイズムはTHREE(スリー)というブランドから派生し、ジェンダーフリーや年齢を気にしないで、個性を尊重することを提案してくれるブランドです。男性がよりかっこよく綺麗に見えるメイクの提案などもしています。

小泉:メンズコスメのラインも出ていますよね。

渡辺:パロサントの木を燻した時に、煙がたなびいて上にのぼっていく情景をイメージした香りとのことです。実際パロサントの素材は使っていないのですが、イメージで色々なものを組み合わせて作っています。樹脂のひとつであるオリバナム(フランキンセンス/乳香)が入っていますね。

小泉:ピラミッドの構成を見ていくと、ウッディノートがたくさん使われています。シダーウッド、サンダルウッド、ラブダナム、ベチバー、苔(モス)が入っていて、フランキンセンス、イランイラン、タバコ、レザー、ジンジャー、ローズマリー、ローズにグリーンティーと色々なものが詰め込まれていますね。

渡辺:ラブダナムは、最近流行りかけているような気がします。とても古い香料の1つですよね。

小泉:ラブダナムも植物から採取します。落ち着きがある香りで、私の大好きな香りです。

渡辺:心がざわざわする時、瞑想をすると良いと言いますよね。このタッチング フロム ア ディスタンスは、瞑想の世界のイメージにぴったりきます。例えば、神社やお寺に出向いて手を合わせて清められたいと思うような時、外出せずともこれをつけると、そういう気分になれてスッキリできると思います。

小泉:浄化されるような気持ちですね。

渡辺:すごく落ち着ける香りだと思います。

小泉:ウッディの香りは世界的にトレンドになったのですが、ウッディの香水が元々受け入れられるマーケットはアメリカやヨーロッパが中心で、日本ではありませんでした。ファイブイズム バイ スリーは、コンサバな日本ではなかなか取り上げられなかったウッディの香りをきちんと取り上げて、グローバルなトレンドを全面に表現した香りです。日本の会社が頑張っているのは頼もしく嬉しいですね。

渡辺:プロデューサーがNY在住の方なので、グローバルな視点を持っているのだと思います。

小泉:今は日本でも精力的に香水を作っているブランドはありますね。shiro(シロ)の「ボン ウッド」なども人気があるようですが、果敢に世界のスタンダードに挑戦していく姿勢は応援したいと思っています。

BON PARFUMEUR(ボン パフューマー) 901

 <a href="https://latelierdesparfums.jp/products/bon-parfumeur-901-edp-spray?variant=37542815727811" target="_blank">901</a> オードパルファム[30ml]¥5,940(税込)/ボン パフューマー(ブルーベル・ジャパン)
※提供写真

901 オードパルファム[30ml]¥5,940(税込)/ボン パフューマー(ブルーベル・ジャパン)
※提供写真

渡辺:3つ目はフランスのボン パフューマーから出ている「901」です。香りの名前が番号なのですが、創設者の方は元々美容業界の方ではないようで、多分とても分かりやすくしたかったのではないかと思います。100番台がフローラル、200番台がフルーティというように、すごくわかりやすい分類法にしていて、どこにも属さないものが900番台になっています。
901は「中毒性のあるウッディ」とキャッチコピーが付いている香りで、パチョリが要素としてのウッディタッチですか?

小泉:そうですね。

渡辺:この辺になるとウッディ系というより、ウッディタッチと呼べば良いかなと思いつつセレクトに入れています。

小泉:軽めに出したい場合はウッディの要素は少し抑え気味にして、他の要素を立たせると良いです。この香水ではナツメグのスパイス感も出ていますね。

渡辺:軽快で明るい感じが好きですね。

小泉:先程の2つ(カラハリの叫び、タッチング フロム ア ディスタンス フューチャー メモリー)と比べるとだいぶ明るさが出てきて、軽やかな感じになっていますね。

渡辺:既にウッディを知っていたり、ハマっていたりする人には先程の2つを使っていただくと賛同を得られるかと思うのですが、これからウッディを使ってみようと思う人はこのあたりから使っていただくと違和感なく入れるかなと思って。

発売前に美容関係者に向けての発表会があった後で、ブランド側の方が「どの香りが好きでしたか?」と後で尋ねたところ、901にかなり票が集まったそうです。30ml以外のサイズも展開していて、お試しの際には15ml、気に入ったら100mlと選べます。とても親切な設計になっているブランドだと思います。

ACQUA DI PARMA(アクア ディ パルマ) コロニア フトゥーラ

<a href="https://acquadiparma.jp/product/product-775/" target="_blank">コロニア フトゥーラ</a> オーデコロン[100mL]¥21,450(税込)/アクア ディ パルマ(インターモード川辺 フレグランス本部)

コロニア フトゥーラ オーデコロン[100mL]¥21,450(税込)/アクア ディ パルマ(インターモード川辺 フレグランス本部)

渡辺:4つ目はイタリアのアクア ディ パルマというブランドの「コロニア フトゥーラ」です。イタリアに詳しい方なら絶対に知っているブランドで、コロニアというイエローの外箱に入ったイタリアジェントルマンの身だしなみ的な、柑橘系の定番で1916年からある香水です。
ご紹介するのは、同シリーズのフトゥーラ(Futura)という新作で、フトゥーラは「未来」という意味ですね。サステナビリティにシフトして自然由来原料が99%になりました。こちらもいい感じのウッディタッチに仕上がっています。

小泉:そうですね、「ウッディタッチ」という方が伝わるかなと思います。香りのタイプとしてはクラシックなコロンタイプです。トップノートはシトラスのレモン、グレープフルーツ、ベルガモットに、ピンクペッパーが使われているすごくフレッシュな香り立ちですね。

渡辺:ウッディタッチはベチバーが出しているという理解で良いですか?

小泉:トップに続いて、ラベンダー、クラリセージといった爽やかでアロマティックなハーブの香りに変わっていき、ラストにベチバーが出てきます。

渡辺:ミドルのラベンダーやセージの心地よさの中にウッディタッチが潜んでいるので、一番ウッディ過ぎず、初めてウッディに挑戦してみたいと思った方におすすめできるかなと思います。

小泉:ウッディ感があまり表に出てこない香りですが、安心して爽やかに使える香りだと思います。

渡辺:サステナビリティな部分としては、ラベルやキャップの素材などが持続可能な形にシフトしています。老舗も新しい時代のことを考えた香り作りをしてきているなと思いました。

小泉:香料自体をサステナブルに作るというのは、香料業界でもひとつのトピックになってきています。

100BON(ソンボン) マインドパフューム スプレー L01【深呼吸する】

<a href="https://www.forte-tyo.co.jp/shopping/100bon/5429/" target="_blank">マインドパフューム スプレー L01</a>【深呼吸する】[30mL]¥3,300(税込)/ソンボン(フォルテ)

マインドパフューム スプレー L01【深呼吸する】[30mL]¥3,300(税込)/ソンボン(フォルテ)

渡辺:最後はフレグランスというよりヘルスケアの領域になるかもしれないのですが、面白いので入れてみました。ソンボンの「マインドパフューム スプレー L01【深呼吸する】」です。

「自分がどういう気持ちになりたいか」を考えながら選んでみてくださいというアプローチのスプレーです。こちらは100%天然素材の香料で、香りを作る時のアルコールもオーガニックの小麦由来のものを使用しています。エッセンシャルオイルがもたらす気持ちへの作用を利用して作られています。

L01【深呼吸する】はヒノキとシベリアモミの木です。この1年くらい呼吸することに対して皆さん敏感、臆病になっていると思います。1人で家にいて仕事に集中している時は、呼吸が浅くなっていることがあります。横隔膜が動かないことは、健康に関して非常に良くないことなんですね。
自分の上空にミストのように撒いた霧をかぶって横隔膜が動くくらい深い呼吸を意識して、深呼吸をするというように使っていただきたいです。とても不思議なのですが、深く吸い込んでもむせることなく、自然に気道が開いてすっと入っていく気がします。

小泉:モミは少し酸味のある香りですが、ナチュラルなブレンドということでそれがきちんと出ていますね。たくさん吸い込んでも安心な香り立ちをしています。

渡辺:こんなに色々な表情があるんだと改めてウッディの奥深さや広がりを感じました。

これからは外向けではなく、「自分のために」という香りの使い方

渡辺:さて、小泉さんからご紹介いただいた歴史的な香りから、私がここ最近ピンときている香りまで幅広く紹介してきました。

小泉:香りのタイプも歴史もだいぶ幅広くお話ししましたね。重たくてダークな印象の男性的なウッディが、最近はもっと爽やかで癒しを感じるウッディノートに向かってきています。素材もベチバーなど木(ウッド)以外の素材によるウッディノートにも光が当たるようになり、更にシトラスノートとブレンドされることで明るさも加わっています。

渡辺:今は何でもシェア文化じゃないですか。男女関係なく服をシェアするように、一緒に使う香りとしてもすごくウッディが推せるなと思います。

小泉:女性も手を出しやすい、爽やかなウッディの香りがたくさん出てきていますね。

渡辺:2020年のコロナ渦で、香りへの考え方が変わった気がするのですよね。「香りって気分転換に役立つんですね」という声も身近でよく耳にします。

小泉:在宅で仕事をしながら色々な香りを試す方が増えていますよね。嬉しいことです。

渡辺:前はどちらかというと、特に日本では香りはブランドから選んでいました。ファッションセンスを見せたり、流行りに追いついている感を出したり、そういった使われ方をしてきた部分も少なくないと思うんです。
そういう外向きの使い方ではなく、気持ちのリセットやコントロールなど、自分のためにという使い方になってきたのかなと思います。それがこれからフレグランスのニューノーマルになっていくのかなと。

小泉:そうなってほしいですね。自分のための香り、それを選べるようになってもらいたい。例えば、ウッディが気になるのだったら実はウッディノートだけでもこんなに幅があるんだと気付いて、今の自分にぴったりなのはどんなウッディノートかなと選べるようになると、香りの楽しみ方がまた一段、広がっていくと思います。

渡辺:それを踏まえてウッディ系ができる役目があるとすると、性別や年齢関係なく使えるといった、いろいろなものをフリーに解放していける可能性を感じます。
また、多かれ少なかれクローズドな縛られた生活の中で、誰もが鬱々とした気持ちや不安感など落ち着きのなさを感じていると思います。その中で、ウッディの香りは、簡単に言うと森林浴気分を運んでくれるので、気持ちが整ったり、頭がクリアになったりという森に行った後の作用をもたらしてくれるのではないかと。ですので、うまく使えばアルファ波が出るところまで自分で自分を持って行くためのツールになるのではないかと期待しているわけなのです。

小泉:ウッディの香りは自然と木をイメージします。大自然の中にいる、森の中を散歩しているような気持ちになります。外に行きたい、広い所に行きたいという欲求にもある意味応えてくれる香りですし、森林浴気分も味わえそうです。森の香りには除菌作用を持つ成分が多く含まれるので、そういう意味でも今の時代にぴったりな香りではないかなと思います。

渡辺:これだけ幅が広くて、それぞれ好みに合うものがあると思うので、まずは今ピンとくるウッディ系を1つ見つけて持っていただくと良いと思いますね。おすすめしたいです。

小泉:ウッディノートは個性的な香りではありますが、今の時代の気分を表す香りですし、男女問わずお使い頂けますから、ぜひお気に入りのウッディ系香水を見つけていただきたいですね。

さて連載本編【本物の香りを識るために】の次回の記事では、ウッディのほか、シトラス、アロマティックなど対談でも出てきた「香調」と呼ばれる香りの分類についてお話しします。お楽しみに!

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ーおわりー

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今回登壇された小泉祐貴子さんが講師を務める、パリ発 香りのスクール「サンキエムソンス ジャポン」。香水や香りを学んでみたいと思った方は、ぜひチェックしてみてください!

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公開日:2021年5月10日

更新日:2021年10月14日

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