Platypeltoides sp.

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三葉虫の生態を知るうえで、他の生物との共存していた事が分かる標本は貴重です。母岩の網目状の模様は、Araneograptus murrayi(HALL1865)で古生代の海では普通に棲息していたGraptolite(フデイシ)です。フデイシは古生代の示準化石でカンブリア紀から石炭紀前期に生存していた半索動物です。フデイシの網目状の美しい模様は、美術的に美しく三葉虫を引き立てていて、当時の三葉虫も柔らかく隠れやすいフデイシに身を潜めていた事が想像できます。この種類は、市場では2つの属名が混在しますが、今のところ、Symphysurus=Platypeltoidesとういう認識です。

<修正2020.6.18>
文中のAraneograptus murrayi(HALL,1865)について自己調査していたのですが、当初Bryozoa(外肛動物/コケムシ)としていたのが、フデイシ/筆石/Graptolite(半索動物門フデイシ綱)が正しいとの結論に達しました。誤記載であったことをお詫び申し上げます。

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  • 三葉虫+他の生物という標本は、見ていて楽しくなりますね。

    このPlatypeltoidesは確かに、このタイプのコケムシと一緒に産出しているのをよく見かけます。
    コケムシというと現生のものは、どうしても池とかに浮いている気持ち悪いオオマリコケムシを思い出してしまいます。
    一方化石はというと、アルキメデスなどの、美しいものが思い浮かびます。
    おっしゃるように生きている時と化石化した時の見た目のギャップが凄い生き物ですよね。

    さておき、当時のこの種が集団で固まってコケムシの中に潜んでいたであろう事を、想像させてくれる素晴らしい標本ですね。

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      Trilobites

      2020/06/07

      Platypeltoidesとコケムシとの共産化石は、多分小ロットだったと思われ、今後は同様の化石を見つけたくても意外と手にしにくいと思います。既に絶滅してしまった三葉虫のような生物と、現生でも残るコケムシの様な生物が一緒に暮らしていた事実から、三葉虫の生態に関するヒントが見つかりますので、共産化石の意味合いは大きいですね。この様な化石は、デザイン的に優れているので、もし化石を飾る意向がある場合、この様な化石は見た目にも目を引くと思います。

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