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Nobiliasaphus nobilis
ポルトガルの他、スペインやフランスなど西ヨーロッパに広く産出する種類です。長く太い頬棘が特徴で、アサフス(目)の特徴を良く表しています。ポルトガル産は、褶曲の影響を受けやすく、実際の体形より伸ばされていたり、体高が低い潰された産状ですので、他の産出エリア産と比較して別種の様な姿の場合もあります。
Middle Ordovician Asaphidae,Asaphoidea,Asaphida TRI-85 ValongoTrilobites
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Illaenus sarsi
ロシア産のキャラメル色や、スウェーデンの緑灰色とも違う漆黒の化石となるノルウェー産です。産出種としてはバルト海沿岸の主要産地と同じか近似ですが、色が違うだけで印象が全く異なるのは不思議なものです。2010年代に研究者から提供された標本が、マスターフォッシルを通じて幾つか流通しましたが、簡単に手を出せない位に高価にコントロールされていた数点の標本の一つです。少し待ては、もう少し安価に供給されるかと思いきや当時流通した標本以外は未だに流通してきません。「Fossils and Strata, Number 56,Trilobites of the Middle Ordovician Elnes Formation of the Oslo Region, Norway」を見るとオスロ近郊の広い範囲に産地があるようですが、この黒い三葉虫が産出するのは、多分狭い範囲だけで場所は公開されていないようです。
Middle Ordovician Styginidae,Illaenoidea,Illaenina,Corynexochida TRI-626 ElnesTrilobites
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Platypeltoides sp.
三葉虫の生態を知るうえで、他の生物との共存していた事が分かる標本は貴重です。母岩の網目状の模様は、Araneograptus murrayi(HALL1865)で古生代の海では普通に棲息していたGraptolite(フデイシ)です。フデイシは古生代の示準化石でカンブリア紀から石炭紀前期に生存していた半索動物です。フデイシの網目状の美しい模様は、美術的に美しく三葉虫を引き立てていて、当時の三葉虫も柔らかく隠れやすいフデイシに身を潜めていた事が想像できます。この種類は、市場では2つの属名が混在しますが、今のところ、Symphysurus=Platypeltoidesとういう認識です。 <修正2020.6.18> 文中のAraneograptus murrayi(HALL,1865)について自己調査していたのですが、当初Bryozoa(外肛動物/コケムシ)としていたのが、フデイシ/筆石/Graptolite(半索動物門フデイシ綱)が正しいとの結論に達しました。誤記載であったことをお詫び申し上げます。
Ordovician Nileidae,Cyclopygoidea,Asaphida TRI-283 FezouataTrilobites