第4集 鎌倉彫(1) (伝統的工芸品シリーズ切手 初日カバー)

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 鎌倉彫は、神奈川県の鎌倉市を主に、県下12市1町で生産されている木彫漆器である。鎌倉時代(1190~1334)に、宗から禅文化とともに渡来してきた。新様式の仏具や彫漆品(ちょうしっぴん)の技法、意匠等の影響を受けて、鎌倉の地で創生された。

 彫刻の漆塗りの二つの技法は相まって、素朴ななかにも独特な味わいが表現されている。鎌倉彫の製品は、盆類を主とし、皿類、鉢、手鏡のほか、数は少ないが文庫、硯箱、鏡台等高級指物もある。上塗の塗り方で彩漆塗(いろうるし)、乾口塗(ひくち)、蒔塗(まき)、堆紅塗(ついこう)、堆鳥塗(ついう)、堆金塗(ついきん)、ろいろ塗、はけ目塗などがあるが、現在は乾口塗のものが多い。また朱塗のものが多いが、黒塗や、緑を加えた三色以上の色漆を塗ったものもある。布着せをせず、漆下地によるもので、丈夫で実用的である。「彫り根来(ねごろ)」ともいわれ、彫りの深さによる重圧さ、立体感、力量間にあふれた豪壮な躍動美が特徴である。

 伝統的な鎌倉彫は、木地は、カツラ、ホオノキ、イチョウ、ヒノキ、サワラ、トチノキ、ケヤキで、薄肉彫から刀痕彫で彫刻する。下地造りは、生漆(きうるし)または生漆に米のりを混ぜあわせたものを塗付して木地固めをし、蒔下地、さび下地、地塗下地のいずれかで下地付けをする。中塗には、黒中漆塗を用いる。

 伝統工芸士は現在、木地2名、塗り6名の合計8名が認定されている。

※1985年当初の説明です。

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