Scabriscutellum sp.

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通称Scabriscutellum furciferum(HAWLE and CARDA,1847)で知られるモロッコで一番スタンダードなScutellumです。近年、モロッコ産の研究が盛んですが、Scutellumについては何故か先送りのため、昔からの一般種でも正確な学名が付いていない状況です。扇子状の独特の畝を持つ美しい尾板は、一時的な遊泳に大きな推進力を発揮した筈です。尾板の縁は良く見ると細かいギザギザが確認でき、Scabriscutellumは実はThysanopeltis (ティサノペルティス)と同じ様に尾部には棘がある事が分かります。これは状態の良い保存状態だけでなく、剖出技術にも左右されます。胸部には棘がありませんが、この個体には痕跡も確認できないので無いタイプと推定しますが、実際は細かい毛のような棘があった可能性はあります。

(2023.9.3標本を入替ました)

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    tatsutoy

    2021/08/30 - 編集済み

    綺麗な標本ですね。色も良い感じで飾って映える化石です。ラベルを見るとHorst Burkardの名前があり納得です。最近はこのクラスの標本は手に入りにくい状況でしょうか?

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      Trilobites

      2021/08/30

      色合いは私も気に入ってます。Scabriscutellumは、昔から集めていると一般種に思えますが、実は結構な希少種だと思っています。状態の良い個体は、迷わず抑えておかないと探しても中々良い個体に巡り合えないんですよね。この個体は結構前に新宿ショーで買ったのですが、このオーソドックスなタイプは近年は特に手に入れにくくなっていますね。

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    trilobite.person (orm)

    2023/09/03 - 編集済み

    特にモロッコデボン紀ものの標本を、全て入れ替える勢いで更新しておりますね。流石に今のプレップ以上にモロッコ標本の品質が上がることはない気がするので、もうこれが更新のラストでしょうか。
    昔は、Scutellumには棘がなくThyasanopeltisには棘があるという、簡単な区別で良かったのでしょうけど、技術の向上で、一部のスクテラム系には多かれ少なかれ棘を認める事がわかったので、今後正式に記載される際には、こういう種はTysanopeltis属側に分類される事になるのかも知れないなと思ったりします。

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      Trilobites

      2023/09/03

      私の場合、モロッコ産は古い標本も多いので、それらは現在の標本と比べると見劣りはありますので、積極的に更新はしているのですが、特にモロッコ産を優先している訳でなく、他の地域の標本でも更新できるタイミングがあれば、それらは置き換えております。特にモロッコ産は、Hammi氏をトップに近年の他工房の技術向上も上昇していますからね。

      ThyasanopeltisとされるグループにScabriscutellumも入れて問題ないでしょうが、意外と冷遇されていて研究(記載)が遅れている現状もありますが、いざ記載がされれば近年の流れから見て馴染みの属名から変更されてしまうでしょうね。

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