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Scabriscutellum sp.
通称Scabriscutellum furciferum(HAWLE and CARDA,1847)で知られるモロッコで一番スタンダードなScutellumです。近年、モロッコ産の研究が盛んですが、Scutellumについては何故か先送りのため、昔からの一般種でも正確な学名が付いていない状況です。扇子状の独特の畝を持つ美しい尾板は、一時的な遊泳に大きな推進力を発揮した筈です。尾板の縁は良く見ると細かいギザギザが確認でき、Scabriscutellumは実はThysanopeltis (ティサノペルティス)と同じ様に尾部には棘がある事が分かります。これは状態の良い保存状態だけでなく、剖出技術にも左右されます。胸部には棘がありませんが、この個体には痕跡も確認できないので無いタイプと推定しますが、実際は細かい毛のような棘があった可能性はあります。 (2023.9.3標本を入替ました)
Lower Devonian(Emsian) Styginidae,Illaenoidea,Illaenina,Corynexochida TRI-518 -Trilobites
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Ptychoparia striata
Jince累層では古くから知られた種です。眼も棘もなく地味な印象の種類ですが、Ptychopariida(目)の中のThe・Ptychopariaとも言える元祖的存在でありながら、Ptychopariida(目)廃止の考えからUncertain(未分類)まで降格を余儀なくされている可哀そうな種類であります。元々雑多な分類できない種類の置き場所でしかなかったPtychopariida(目)ですので、Ptychopariaに責任はありませんが。
Middle Cambrian Ptychopariidae,Ptychoparioidea,Ptychopariida TRI-156 JinceTrilobites
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Asaphiscus wheeleri
ユタ州産代表種Elrathia kingiよりは産出量は少ないですが、同じ産地で一般的な種類として安価に入手できる種類です。市場に見られる本種の多くの標本は、Librigena(自在頬/遊離頬)が欠損している脱皮殻の標本が多いですが、この標本は綺麗に残っています。三葉虫の美しさは、シンプルな種類でも引けを取ることは無く、また値段や希少性では無いと思わせる標本です。
Middle Cambrian Asaphiscidae,Ptychoparioidea,Ptychopariina,Ptychopariida TRI-49 WheelerTrilobites