Thysanopeltis sp.

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Jorfの三葉虫は種類は少ないのですが、他のモロッコ産とは明らかに違う、特徴的な姿をしているので、コレクターに人気のある産地です。このJorfのThysanopeltisは、通常のThysanopeltisに近いようで全く異なる形態をしており、専門家でなくても一目で見分けがつきます。上から見ると卵型をしていて大きく扁平であり、Thysanopeltisの最大の特徴である尾部の棘は、通常のThysanopeltisと同じように細かく棘が並んでいます。しかし、尾部の畝が高い低いと交互に細かく走っていて通常のThysanopeltisの倍くらいあります。JorfのThysanopeltisは、この標本を入手した頃は世界にも数えるほどしか無い貴重なタイプでした。Jorf産が枯渇した現在でも簡単に入手はできない事に変わりはありません。

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  • Jolf産のこの種に限らずですが、Thysanopeltisって本当に見かけなくなりましたね。元々も産出量も少なかった種だとは思いますが。改めて魅惑の三葉虫図鑑で、各種Thysanopeltisを拝見しましたが、少なくとも4タイプあるようで、その棘の多様性に驚きました。形態的に美しく、今頃になって欲しい種でありますが、どのタイプも市場で見かける事は滅多にないなという事を実感する次第です。

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      Trilobites

      2020/06/07

      Thysanopeltisは、一般種でなく希少種だと思います。多産すると思われるモロッコにおいて、近縁のScutellumを含むCorynexochidaの仲間は、良い標本を探そうと思うと、かなりの年月が必要です。モロッコ産は、産地によるバリエーションが楽しめますが、昔から見るオーソドックスな標本すら、ここ何年も真面な標本を市場で目にしていない気がします。尾板の形状から活発に遊泳ができ、移動能力が他の三葉虫より大きかったと想定できますので、化石化し難かったのかもしれないです。

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