野球(アメリカ)「世界のスポーツ切手コレクション」

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 野球はアメリカの代表的なスポーツではあるが、あるフランスの哲学者はこのゲームを「アメリカ人の精神」を理解する鍵であると評しました。辛辣な皮肉家の言葉を借りれば、野球はできる人々が行ない、できない人々は見物する(つまり万民が参加する)ためのゲームであるということです。今日では他のスポーツにもまして野球はアメリカ文化と切り離せない関係にあり、多くの人にとっては娯楽の領域を超えた生活の一部とさえなっています。

 この3セントの切手は野球100年祭を記念して1939年6月12日に発行されたもので、図柄は、典型的な草野球を楽しむ少年たちの情景を描写したものです。プレゼンテーション・カードのオリジナラル絵画は1塁上でのクロスプレーの興奮の一瞬を描いたもので、バントしたボールが送球されるよりいち速く走者が塁に駆けこむ瞬間です。

 一説によれば野球は1839年の夏にニューヨーク州のクーパーズタウンでアブナー・ダブルデイによって始められ、発展したといわれてます。彼は当時ウエストポイントの陸軍士官学校の士官候補生でしたが、のちに南北戦争で名を馳せた人物です。実際フォートサムターでの北軍進撃の口火を切ったのは彼であったと今日でも広く信じられています。

 しかし野球の発展に関するダブルデイの功績については明確な記録gはあるわけではなく、むしろイギリスに古くからあったラウンダーという球技がしだいに発展していったのではないかとも考えられます。1845年にニューヨーク市の製図技師アレクサンダー・カートライトによりこのゲームのルールが更に整備されました。それにより彼は今日では野球のルールを組織化すことに貢献した人物として讃えられています。

※1980年当初の説明です。

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