中国/敦煌の壁画(2次) 1988.5.25【World Topics Stamp Collection】

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『砂に埋もれた古代のロマン』

 砂が鳴く-。敦煌の南に続く一望千里の砂丘。別名「鳴砂山」とも呼ばれるこの砂丘の主峰は、強い風が吹くと大きな"うなり声"をあげはじめる。人の影をよせつけず、ただ永遠と風紋だけを刻み続ける砂丘。この大自然がつくりあげた砦にまるで守られていたかのように、一大石窟群・敦煌莫高窟は、悠久の時を超え、今日にその姿を現す。

 莫高窟の歴史は、五胡十六国という、中国史上でまれにみる、ミニ国家の林立と興亡が続いていた4世紀にさかのぼる。現存する莫高窟の中で、最古のものは北涼時代(397~439)に作られた石窟で、その後、北魏、西魏、北周、隋、唐、元と、実に1000年にわたり石窟は作られてきた。

 これらの窟の中にある数多くの有名な壁画は、「敦煌」の名を世界中に知らしめている。その壁画が、昨年5月20日発行の1次に続いて、再び切手に登場した。今回の切手には、銘文を持つ最古の窟が発見された"西魏"の時代の壁画と、それに続く"北周"の時代のものが描かれている。

 図案は、8分2種が、西魏の時代の壁画で、左が「狩猟」、右が「戦闘」のシーンを、また、10分と90分の2種は北周の時代のもので、10分が「農耕」、90分が「塔の建築」をそれぞれ描いている。いずれも、当時の人々の生活ぶりがまざまざと描かれ、その色合いも、それ以前のものとは異なり、白亜の地の上に、あざやかな緑青、群青、赤、白、黒などの色が好んで用いれれている。

※1988年当初の説明です。

#切手

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