昭和31年(1956)年賀切手「こけし」カシェカードコレクション

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 昭和31年度経済白書は「もはや戦後ではない」と強調しているが、さまざまな出来事を通してみてもそれが実感できる。3月、羽田など4空港の管理権が米軍から日本へ戻った。吉田前首相の外交を対米従属と批判し、自主外交を掲げた鳩山首相は。10月、ソ連と国交回復交渉のためモスクワに赴いた。ブルガーニン・ソ連首相らとの間で日ソ共同宣言が調印され、戦争状態に終止符が打たれた。一方共同宣言では日ソが平和条約に調印した時点で北方4島のうち歯舞、色丹が返還されることになったが、日米安保条約改訂にソ連が態度を硬化させ、領土問題は未解決のまま残されることとなった。12月、国連総会は日本の国連加盟を全会一致で可決した。日本の国連加盟にはソ連が拒否権を行使しつづけてきたが、日ソ交渉の結果、加盟支持へと態度をかえたからである。サンフランシスコ条約発効から4年越しの悲願がここに実った。

 民間テレビ局の開局で"電化元年"ともいわれた昭和28年(1953)以来、デパートの家電売り場には新製品がぞくぞく登場、31年頃は家電ブームを迎えていた。電気洗濯機、電気冷蔵庫、テレビ(白黒)が三種の神器としてもてはやされる中で、家電製品の普及は主婦の家事労働を大幅に軽減させるとともに、大量消費会社への道も開いた。

 東海道線の完全電化の完成、日本山岳会の登山隊によるヒマラヤの高峰マナスル(8163メートル)の登頂成功、などもこの年のニュースであったが、風俗に目を向けると、"太陽族"なる若者が神奈川県、湘南海岸にあふれていた。作家石原慎太郎の芥川賞受賞で、ベストセラーとなった『太陽の季節』が火つけ役であった。この小説の映画化で、著者の弟の慶応ボーイ、裕次郎が一躍スターとなった。

 昭和31年新年用切手は、東北の郷土人形であるこけしを主題にしている。こけしには、宮城県遠刈田系、鳴子系、弥次郎系、山形県蔵王高湯系、福島県土湯系、秋田県木地山系、岩手県花巻系、青森県温湯系の8大産地があるが、切手に描かれているものは、宮城県刈田系で、昭和10年頃につくられたものがモデルになっている。梅模様がお正月らしい。

カシェカード挿絵=藤井厚志

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    fanta

    2019/12/10

    こけしを集める女子がいると聞き、これまで注目することなかった民芸品ですが、こうして見ると個性があるのですねぇ。
    カシェの挿絵、いい雰囲気です^^

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    • よく、気がつかれましたね(゚o゚;
      調べたのですが、
      挿絵には、8大こけしの特徴が
      細かく描かれています。
      (^^)v
      中々、手が混んでいます。

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      fanta

      2019/12/10

      やはり東北が中心になってるのが、説明文からもわかりますね^^

      なんでも、こけしイベントがあるんだそうですよ~。
      こけしのイベントぉ??笑みたく、最初は驚いちゃいました。
      でも東北を訪れる際は(ちょっとはw)注目してみたいですね。

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    • マツコのテレビ番組で、
      こけしを集めている人、見ました(^o^)

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