アメリカ、中国共同発行/ツル 1994.10.9【World Topics Stamp Collection】

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『絶滅するツルの保護を訴えて共同発行』

 ツル類は広大な湿地や草原で生活しているが、近年そうした環境の減少に伴い、どの種も世界的に生息数が少なくなってきている。そこで、アメリカと中国がこの絶滅の危機に瀕るツルを描いた切手を共同発行した。両国とも同図案で2種ずつの発行だが、アメリカは連印になっている。描かれてういるのは、北アメリカに生息するアメリカシロヅルと中国のオグロヅルで、いずれもそれぞれの国で保護種に指定されている鳥。版式は、アメリカが平版(額面数字のみ凹版)、中国が凹版とグラビアのかけ合わせ(額面数字はグラビア)。よく見ると、印刷も微妙に違っていて面白い。

 ちなみに。アジアの多くの国々では、ツルはおめでたく神聖な鳥として愛されている。中国では、ツルはその高貴な姿や清らかな鳴き声か神仙に緑のある鳥とされ、ツルに化して故郷に帰った仙人の話もある。日本でも古くから神鳥と考えられており、福をもたらす鳥として尊ばれてきた。日本の各地にはツルにまつわる伝説などがあり、ツルの導きによって発見されたという温泉も数多く点在している。また、西洋でも、古代から縁起の良い鳥とされ、ローマの鳥占いではワシやハゲワシと並んで最も尊重された。キリスト教圏では、ツルが灰色や黒などの地味な体色であり、集団で生活する習慣から。修道院生活や、一般に宗教への帰依(きえ)を象徴している。

#切手

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