ペンシルバニア州「アメリカ50州切手コレクション」

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■切手
①1976. 2.23 発行「ペンシルバニア州旗」
②1987. 6.13 発行 州の動物「オジロジカ」
③1982. 4.14 発行 州の鳥・花「エリマキライチョウとカルミア(アメリカシャクナゲ)」
④1987. 8.27 発行「フィラデルフィアの独立記念館」
■イラスト
「フィラデルフィアの独立記念館」

 ペンシルベニア州は、マサチューセッツ、ニューヨーク、バージニアなどの州と並び、アメリカ史の宝庫である。州名は「ペンの森」を意味し、この植民地を建設したクエーカーのウイリアム・ペンに由来する。そのペンから始まり、ベンジャミン・フランクリン、独立宣言、自由の鐘、大陸会議、憲法制定会議、南北戦争時のゲティスバーグの戦い等、この州にまつわる歴史的人物、事件、史跡は枚挙にいとまがない。

 1979年3月28日この州で世界を驚かせた大事件がおこった。スリー・マイル島の発電用原子炉が故障し、放射能に汚染された水とガスが流出したのである。この事件は、地元のペンシルバニア州には特別の意味を持っていた。鉄鋼、石炭、レイルを中心に繁栄していた州の産業は、1920年代、30年代、そして第二次世界大戦後と下降ぎみだったが、この事件がそれに追いうちをかけるような形になったのである。

 フィラデルフィアは歴史的、文化的にいぜんとして重要な大都市であるが、独立当時アメリカの政治、経済、文化の中心だったこの都市は、連邦政治をワシントンに、州政治をハリスバーグに、経済、文化をニューヨークに奪われて、その影は薄くなっている。その反面住民の団結力は強く、地元プロ野球フィリーズを熱狂的に応援し、映画「ロッキー」がここで撮影されると有頂天になる。

 1970年代後半に入って州政府と地域社会は、先端産業育成と社会資本の投入によって州の再生に努力しているが、その成功例とみなされているのが、鉄の町、ピッツバーグである。アレゲニー川とモノンガヒラ川が合流してオハイオ川になる地点に発達したこの都会は、USスティール会社を核とする鉄鋼の町として栄えたが、第二次世界大戦後は日本など外国鉄鋼会社に押されて衰退の一途をたどっていた。しかし先端産業の育成と教育・文化の振興という再生策がようやく実り、最近はあらゆる要素を統合しての「暮らし易さの順位」では、全米一位の都市にランクされている。ついでだが第二位はボストン、第三位はノースカロライナ州のローレイ、ダラム、チャペルヒル地域である。

#切手

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