デラウェア州「アメリカ50州切手コレクション」

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■切手
①1976. 2.23 発行「デラウェア州旗」
③1987. 6.13 発行 州の動物「ツバメ」
④1982. 4.14 発行 州の鳥・花「ブルー・ヘン・チキンとモモの花」
②1987. 7. 4 発行「州の紋章」

■イラスト
「ドーバー市の自由の鐘」」

 デラウェアは大西洋に接する小州で、全長177キロ、幅56キロという広さはカリフォルニア州ロサンゼルス郡の半分である。人口は、1980年に約60万で、隣接のフィラデルフィアの3分の1にすぎない。こういう小州がテキサス、カリフォルニアなどと並んで幅広い主権と独自の立法を持った州として存在し、大州と同じように2人の代表を連邦上院に送っているのは、いかにも様々なものが混在するアメリカらしい。植民地時代からこの州の歴史を振り返って見ると、この地には良い港もなく、煙草も米もとれず、結局誰もほしがらないので一つの植民地、州として残ったことが分かる。そのくせ1787年12月7日に連邦憲法を批推したいということで、ファースト・ステート(最初の州)と誇らしげに自称しているのもアメリカの小州らしい。

 この州は南北戦争の時まで奴隷州であったので、州南都の農業地帯や、海岸地域には南部的な雰囲気が感じられる。ニューキャッスルの小さな波止場に立っていると、今でもオランダあたりからの帆船が入港してくるような気さえする。州都は、州中部農業地帯の中心地小都市ドーバーだが、ここには植民地時代の雰囲気が色濃く残っている。

 デラウェアで目立つのは、州北部のウィルミントンを中心にして州全体に君臨するデュポン家の影響である。、この州の会社方はきわめてリベラルで、そのため全米500の大企業の半数以上と多くの中小企業がこの州を法律上の根拠地としている。その中で圧倒的な力をしめしているのが、E・I・デュポン・ド・ネムーア社、いわゆるデュポン社である。

 デュポン社は、1800年アメリカへ来たフランスの小貴族、ピエール・デュポンが、ウィルミントン近くに火薬工場を建てのに始まる。その後何回かの戦争を通じて事業を拡大し、製品を多様化し、巨大企業となった。デュポン社の関係者は、州の政治、マスメディア、銀行、不動産業、あるいはデラウェア大学にまで絶大な影響力を及ぼしている。

 ウィルミントンの中心はスラム化が進み、人口も減りだしたが、最近は都市再開発、美化のための努力がなされつつある。

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