(C910-911)近代洋風建築シリーズ 第6集 初日カバーコレクション

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発行日 1982.9.10

 北海道庁旧本庁舎は、明治21年(1886)に着工、設計者は北海道庁の技師長平晴ニ郎である。レンガ一部石造、地下1階地上2階の大きな建物で、明治時代の官庁建築として貴重な遺構である。

 旧西郷従道住宅は、東京目黒区の通称西郷山と呼ぶ高台にあった木造2階建てで、明治10年(1887)頃の建築と考えられている。設計者はフランス人レスカスと言われ、本格的なヨーロッパ様式である。

※1982年当初の説明です。

額面・種類 
  60円 2種
図案    
  ①北海道庁旧本庁舎
  ②旧西郷従道住宅
原画構成者  
  ①②近岡 善次郎
版式・刷印 
  ①②グラビア4色 凹版1色
印面寸法  
  ①②よこ35.5×たて25ミリのよこ型
シート   
  ①②よこ5×たて4=20面構成
発行数   
  ①②2,800万枚

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#初日カバー
#FDC
#近代洋風建築シリーズ

■近岡善次郎氏による創画カバーと詳しい建築物の説明

①北海道庁旧本庁舎
https://muuseo.com/stamp_collection/items/301

②旧西郷従道住宅
https://muuseo.com/stamp_collection/items/341

北海道庁旧本庁舎「近代洋風建築シリーズ初日カバー」
1982年9月10日発行  札幌の街の中央に広大な公園のような敷地をとって、この"赤れんが庁舎"が建っている。札幌の街は、この地に明治6年に竣工した開拓使本庁を中心にして原野の中に都市計画がされたのだから、中心にあるのは当然とも言えよう。  その木造の開拓使本庁が焼け、また開拓使が廃止されて北海道庁が設置されたのを機会に、明治19年7月、この本庁舎の建設が始まり、21年(1888)12月に完成した。明治42年1月火災にあって室内と屋根とが焼けたがレンガの壁は残り、それを補正して北海道本庁舎として永く使われてきた。昭和43年に新しい庁舎がこの構内に建ったので、この建物は記念館となり、ずっと撤去されていた中央の八角塔を復原するなど大規模な修復工事がされて、ふたたび創立当初の姿を道民の前にあらわした。昭和44年には国の重要文化財に指定された。  レンガおよび一部石造で、地下1階地上2階の大きな建物で、レンガの化粧積み、屋根上のにぎやかな煙突や換気筒など、全体に大まかではあるが装飾的な意匠は、アメリカのヴィクトリアン・ゴシックに留学したことのある土木技術者である。建築家と少し違った大ぶりのデザインもそのためだろう。  緑濃い敷地の中に赤レンガの色が映えて、いかにもノビノビした北海道の雰囲気がここにはある。明治20年代の日本人の設計になる本格的なレンガ造官庁建築としても、また北海道開拓の歴史的な意義をも併せ伝える建物として貴重である。傍に明治6年の開拓使本庁庁舎跡の遺構が発掘されており、この建物と併せて指定されている。 (重要文化財、札幌市) ※1982当初の説明です #近代洋風建築シリーズ #切手 #初日カバー #FDC
https://muuseo.com/stamp_collection/items/301
旧西郷従道住宅「近代洋風建築シリーズ初日カバー」
1982年9月10日発行  明治10年代半ばに建てられた木造2階建ての邸宅で、もと東京目黒の通称"西郷山"の広大な敷地の中に和風の日本館とともに建てられていた。和・洋を並置するのが明治の上流邸宅の特色だったが、もちろん和館はない。応接館的な用途であったためか、いかめしい明治の元勲の邸宅にしては、いかにも繊細で軽くスマートで女性的ですらある。明治前期の洋風邸宅の中では、もっとも洗練された意匠を持っている。  西郷従道(つぐみち)は隆盛の実弟、陸軍・海軍・農商務・内閣など各省大臣を歴任し、明治初年にはヨーロッパ視察に出ている。明治22年5月には明治天皇がこの邸宅に行幸され、表の2階の半円形のベランダから前庭の相撲をご覧になった。そのベランダや軒回りは、細かく陽ざしに影がゆれて、この建物の印象をとくにやさしくしている。縦長の窓には外にヨロイ戸、内に両開きガラス戸と二重で、鉄製の窓手摺りも美しい。また室内の壁付暖炉の一つには日本三景を描いた陶製のものもあり、格式ばったものの多いこの時代の洋風邸宅の中では、きわだって明るく軽快なデザインである。  設計者はフランス人技術者のレスカス(J.Lescasse)と言われている。全体的にフランス的なやさしさが漂うのもそのためだろうか。彼は屋根を軽くしたり。一回の腰の柱間に高さ1メートルほどの煉瓦を積んで、地震による建物の持ち上りを防ぐなど、耐震的な独自の考慮も払っている。レスカスには日本の地震と建築を考慮した論文もある。官営生野高山で働いたり。横浜でフランスからの建築金物の代理店を営んだり面白い動きをしていた彼が、西郷従道の洋館にかかわったいきさつは、はっきりしていない。 (重要文化財、東京都目黒区、現在 明治村) ※1982当初の説明です #近代洋風建築シリーズ #切手 #初日カバー #FDC
https://muuseo.com/stamp_collection/items/341

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